ePARAレポート

バリアフリーeスポーツePARAの2020年を振り返る! 〜イベント編〜

今年も残りあとわずかとなりました。これまでePARAでは、「障害者がその個性に応じて活躍できる社会」を目指して、eスポーツを通じて様々な活動を行ってきました。2020年は仲間が増え、数多くの感動的なドラマも生まれ、バリアフリーeスポーツの可能性を大きく示すことができた1年になったと感じています。

今回は、そんなePARAの2020年の軌跡をイベントから振り返ってみたいと思います。

コロナ禍を機に完全オンラインへ ~上半期

4月18日 PUBG MOBILE体験会

4月18日には、PUBG MOBILEのオンライン体験会が開かれました。この体験会は、コロナ禍により3月24日に予定されていたオフラインのeスポーツイベントが中止となり、急遽オンラインにて開催した体験会でした。本サイトないで執筆されている方々もこちらの体験会をきっかけにePARAに関わりを持っていただいた方も多くいます。後ほど開催された大会「バリアフリーeスポーツ ePARA2020」に向けたプレイベントとして、約40名の方に参加いただきました。

PUBG MOBILE体験会で参加者が集まってくる様子

PUBG MOBILEは、広大なバトルフィールドに100人のプレイヤーが散らばり、自分が最後の1人になるまで銃や爆弾などを使った激闘を繰り広げるバトルロイヤルシューターゲームです。

当日はLINEのオープンチャット上で参加者同士の交流も行われ、ほぼ全員が初対面にも関わらず大きな盛り上がりを見せました。また実況役にYouTuberで「障害者eスポーツ大会ePARA2019」の優勝者でもある鳥越勝氏を迎え、限定公開での配信も行われました。

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ePARA独自の雰囲気や運営を感じたPUBG MOBILE体験会

5月30日 ePARA PUBG MOBILE 企業交流戦

「バリアフリーeSports ePARA2020ePARA 2020」の大会前日には、社内にeスポーツチームを持つ企業によるPUBG MOBILEの企業交流戦が行われました。参加したのは、「BASE」「ビーウィズ」「グリービジネスオペレーションズ」「凸版印刷(E1 HEROES)」「サニーバンク」の5チーム。4月の体験会とはひと味違い、企業ごとにスクワッドのチームを組んでの対戦となりました。eスポーツに熱を入れている企業同士の戦いということもあり、どの試合もレベルの高い猛者同士の戦いになりました。限定公開ではありましたが、ゲームキャスターのOooDaさんによるユーモアに富んだ実況・解説が大会を盛り上げてくれました。

「れくうう」ことyujikun選手が3試合目でドン勝を決める

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聴覚障害者くらげのPUBG戦記(3)~企業交流戦編~

5月31日 バリアフリーeスポーツ ePARA2020

企業交流戦の熱も冷めやらぬまま、5月31日にはePARAの一大イベントである「バリアフリー eスポーツ ePARA2020」がオンラインで開催されました。テーマは「#離れていっしょに遊ぼう」。障害者も健常者もバリアフリーに参加できる完全オンラインのeスポーツイベントです。

イベントは3部構成で、第1部ではゲストを迎えて、障害者雇用やバリアフリーeスポーツに関するパネルディスカッションを行いました。ディスカッションでは、障害者雇用環境下でのリモートワークの活用やコミュニケーションツールとしてのeスポーツの可能性について、パネリストのみなさまに話をうかがいました。

第2部では、第1部の登壇者でぷよぷよeスポーツのエキシビジョンマッチを行いました。対戦を通して会場の雰囲気もとても温まり、eスポーツの人と人とを繋げる力を感じられるマッチとなりました。

そして第3部では、本大会の目玉イベントである「ブロスタ」の大会を開催。障がいの有無に関係なく、ソロバトルロイヤルで乱戦が繰り広げられました。「ブロスタ」は初心者でも理解しやすいシンプルなルールによる気軽さと、様々な戦略を練ることでよりハイレベルな戦い方ができるやり込み要素の2つをあわせ持つゲームです。本大会をきっかけにブロスタファンが増え、ePARA内にブロスタ部が設立されました。なお本大会は、開催パートナーに株式会社プレイブレーンを迎え、アクセシビリティ向上の取り組みとして、UDトークを用いたリアルタイムの字幕配信も実施しました。

バリアフリーeスポーツ大会 ePARA2020 第3部ブロスタの様子

◆トップパートナー
・ビーウィズ株式会社

◆協力企業
・セガサミーホールディングス株式会社
・セガサミービジネスサポート株式会社
・グリービジネスオペレーションズ株式会社
・株式会社NTTe-Sports
・一般社団法人ソーシャルインクルージョン世田谷

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発達障害者・希央のスタッフ戦記 ~ePARA2020 確かな自信を得た日~

新しい挑戦へ ~下半期~

8月22日 ePARA VALORANT 企業交流戦

8月22日には、今年2回目の企業交流戦が行われました。タイトルは2020年夏にリリースされたばかりの「VALORANT」。世界中のプロゲーマーを虜にしている本格オンラインPCゲームです。今回の企業交流戦は「社内・会社間のコミュニケーションの場の形成」「各チームにおける技術力やチーム力の向上」「各人の個性が輝く場の形成」という3つの点を目的に開催されました。「凸版印刷E1ヒーローズ」「BASE」「ビーウィズ」「サニーバンク」の4チームが参加しました。熱戦が繰り広げられましたが、Team-BASEのチーム力が際立った大会となりました。

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VALORANT特集①バリアフリーeスポーツ企業交流戦レポート~大会前&チームワーク編~
VALORANT特集②バリアフリーeスポーツ企業交流戦レポート~当日&チーム運営編~
VALORANT特集③バリアフリーeスポーツ企業交流戦レポート~ 緊急出場編~
VALORANT特集④発達障害mokugyomanの初心者向け情報まとめ

10月17日 第1回 ePARA CHAMPIONSHIP 前半戦 Call of Duty:Mobile

10月17日には世界初のバリアフリーeスポーツ社会人チームチャンピオンシップとなる「第1回ePARA CHAMPIONSHIP version:Aim High」の前半戦が開催されました。障害者を雇用する企業4社によるeスポーツを通じた交流戦を2日間に渡って行いました。参加企業は「愛しとーと」「ビーウィズ」「BASE」「ePARA」の4チーム。

10月17日はその前半戦で、FPS/TPS部門としてCall of Duty:Mobileを全チーム総当たり戦で対戦。チームの連携力、戦略性、個々人のエイム力などの総合力が求められる綿密な戦いの中、手に汗握る接戦が繰り広げられました。その中でTeam-BASE がCall of Duty:Mobile部門で見事に優勝を勝ち取り、Team-ePARAのジジさんへMVP賞が贈られました。

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ePARA CHAMPIONSHIP特集②大会出場チーム紹介
ePARA CHAMPIONSHIP特集④CALL OF DUTY: MOBILEのルール・観戦ガイド
聴覚障害者くらげのePARA CHAMPIONSHIP参戦記 ~マンモス狩りの追憶・前編 ~
聴覚障害者くらげのePARA CHAMPIONSHIP参戦記 ~マンモス狩りの追憶・後編 ~

11月22日 第1回 ePARA CHAMPIONSHIP 後半戦 鉄拳7(Steam版)

前半戦からおよそ1ヶ月後の11月22日、ePARA CHANPIONSHIP後半戦・格闘ゲーム部門として鉄拳7(Steam版)の試合が行われました。前半戦で1位「BASE」(6pt)、2位「ePARA」(4pt)、3位「愛しとーと」(2pt)、4位「ビーウィズ」(1pt)の4チームが総当たりで対戦しました。Team-ePARAからは2名の全盲プレーヤーが参戦。見事1勝を収め、大会を通してブラインドeスポーツの可能を大きく示唆することができました。

個人対個人の駆け引きが対戦の要となる鉄拳7部門では、ビーウィズが優勝。MVP賞にもTeam-ビーウィズからまあくん、むぎちゃんの2名が選ばれました。また、最後に前半戦と後半戦の合計ポイントが多かったチームも発表され、前半戦を1位で折り返し鉄拳7部門でも2位の好成績を記録したTeam-BASEが第1回 ePARA CHAMPIONSHIPの総合優勝を勝ち取りました。

鉄拳プロプレイヤーで実況のS.H.O.Wさんが全盲いぐぴーの試合を見守る様子

ePARA CHAMPIONSHIPについては今後もサイトに参加した方々の記事が掲載される予定です。そちらもぜひご覧ください。

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第1回 ePARA CHAMPIONSHIP 公式生放送 後半戦「鉄拳7」(Steam版) YouTubeアーカイブ
全盲でも「鉄拳7」で戦いたい! Team-ePARAの新たな挑戦

11月27日 eスポーツ特化型ビジネスコンテスト『esports Biz Contest 〜Evolving esports〜』

2020年11月27日、eスポーツ特化型ビジネスコンテスト『esports Biz Contest 〜Evolving esports〜』が、東京・秋葉原の『eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)』にて無観客配信形式で開催され、ePARA代表・加藤大貴が発表した『バリアフリーeスポーツ施設の開設』が優勝の栄誉をいただきました。

加藤は、障害者eスポーツの実績をもとにバリアフリーeスポーツカフェ「Any% Cafe」を開設の予定を発表。バリアフリー対応かつ、eスポーツイベントに対応し、配信環境が揃った場所を提供したいとしたうえで、その施設の運営を障害者自身が行うことで雇用につなげることを提起。おもてなしを重視し、ガイダンスの徹底や会員にカルテの作成を行うなど、いままでのeスポーツ施設にない新機軸を取り入れることをプレゼンテーションしました。

ePARA代表 加藤がesports Biz Contestで表彰される様子

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<号外>eスポーツ特化型ビジネスコンテスト『esports BizContest』でePARA代表・加藤大貴が優勝!

2020年を振り返って

バリアフリーeスポーツePARAの熱意に溢れる2020年を少しでも皆さまにお伝えすることができましたでしょうか。今回はePARAで起こった全てのドラマを記事にことはできませんでしたが、選手や大会に関わった皆さまの記事を読んで、少しでも大会の雰囲気を感じ取って頂けたら幸いです。

コロナウィルスの拡大により日常生活に大きな変化を余儀なくされた一年でしたが、今年も大変お世話になりました。皆さまが年末年始で良い時間を過ごされますことをお祈りしております。来年も皆さまと楽しくeスポーツに取り組めるのを楽しみにしています。

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