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イベントレポート

VALORANT特集①バリアフリーeスポーツ企業交流戦レポート~大会前&チームワーク編~

リーグ・オブ・レジェンド」に代表されるオンラインゲームを数多く世に打ち出しているRiot Games Inc. (米国)。2020年夏、同社の新作PCゲームとして「VARORANT(ヴァロラント)」がリリースされ、世界中のプロゲーマーを虜にしています。ePARA(イーパラ)では「VALORANT特集」と題しまして、4夜連続でVALORANT関連記事を公開いたします。

第1夜は、2020年8月22日に開催された「バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦」に出場したTeam-BASEのyujikunさんによる、大会前までのチームの取り組みを綴った寄稿記事です。

◆yujikunの過去の記事
ePARA独自の雰囲気や運営を感じたPUBG MOBILE体験会

VALORANTとは

VALORANTは私が今最も注目しているゲームタイトルであり、世界中から様々なプロチームが熱を入れて参入している競技性の高いゲームだ。ゲーム性はオンラインFPS(※)では一般的であろう武器を撃ち合い、爆弾を爆破させるか守れば勝ちとなる5vs5の10人対戦だ。

加えて、VALORANTの魅力の1つでもあるスキル要素が特徴的であり、武器を使わなくても個々のキャラクターに存在する”スキル”を使用する事で、敵を倒したり、味方を回復・蘇生させたり出来る。このスキル要素が加わった事で今まで通用していたFPSの常識や立ち回りが通用しない場面がいくつも訪れ、より競技性を高くしている

※FPS ファーストパーソン・シューティングの略。一人称視点で行うシューティングゲームのこと。

VALORANTのイメージ画像

バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦のタイトルにVALORANT!

FPSが大好きな私は普段から1日中VALORANTの事を考え、大会を見たり実際にプレイしている。まさか、そのVALORANTが今回のバリアフリーeスポーツePARA企業交流戦のタイトルになるなんて思ってもいなかった。思えば、普段から機会があればePARAの運営チームの皆さんに「VALORANTをやりたい!」「VALORANTってゲームが来てるんですよ!」と熱烈なアピールをした記憶が無いとは言えない。しかしそれが実際に採用され、交流戦のゲームタイトルとして選ばれたのは、「ePARA内の風通しが良いな」と思わざるを得ない。

今回は、VALORANTによるバリアフリーeスポーツePARA交流戦で当日を迎えるまでのTeam-BASEの雰囲気や取り組み、私の気持ち等を書きたいと思う。

VALORANT 最初の壁

チームの結成、それぞれのプロフェッショナル

交流戦に備え、ゲームをする時間が増え日々のプレイにも力が入る…。と、思いきやTeam-BASEはいきなり壁にぶつかった。それは、他の参加チームも経験したであろう、人が足りない問題だ。特にFPSは昔から5人vs5人で行われるのが主流である。一方で、Team-BASEは私を含め2人しか参加が決定している選手がいなかったのだ。そもそもVALORANTのプレイにはゲーミングPCが必要である。つまり、ゲーミングPCを所持している人を探すところから始めないといけない。

現状に絶望していると、メンタルコーチをしている「Chan3」さんが「人が足りないなら参加するよ」と声をかけてくれた。普段は選手が成長するために的確なアドバイスを提供するコーチがチームメイトになってくれる。それほど心強いものはないだろう。二つ返事で「是非お願いします!」と伝え、残り2人のチームメイト探しを行っていく。

次にメンバーになったのが「ミイデラゴミムシ」さんだ。「ミイデラゴミムシ」さんとはオフラインのイベントで敵同士で対戦した過去があり、その後チームメイトとしてVALORANTの大会に一緒に参加した経緯がある。面識もあるし、折り紙付きの実力の持ち主である。

最後に仲間になったのは8年ほど前に別タイトルのFPSで私とチームを組み、様々な大会に出場していた8年来の親友「ロマン」だ。「ロマン」はFPSがきっかけで出会い、お互い睡眠時間を削って毎日大会優勝に向け言い合いをしていた戦友だ。FPSがきっかけでリアルでもよく遊びに行くリアル友達でもある。チームメンバーの残り1人がなかなか決まらない中、3年ぐらいFPSを触っていないという「ロマン」にダメもとで声をかけてみた。すると、「また昔みたいにゲームを真剣にやりたい!」と逆に熱烈な返事をしてくれ、その場でゲーミングパソコンを購入してくれた。「ロマン」はパソコンが届いてからもそのブランクを埋める為に毎日5時間以上VALORANTの練習を行い、人一番努力をしていた。その姿を見て、かつて一緒にFPSで優勝を目指していたチームメイト「ロマン」の姿を思い出し、私は非常に興奮していた。

メンバー1人1人がゲームに真剣な気持ちを持っており、各メンバーが様々な形でゲームを仕事にしているプロフェッショナルが集まった。その中には8年振りに共闘する「ロマン」もいる。Team-BASEが一丸となって、バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦のVALORANTに向き合う時がやってきた。

VALORANT体験会に参加

バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦の前、「ePARA」内で参加者10名と観戦者数名を集めてVALORANT体験会が行われた。VALORANTを初めてプレイする方もいたため、各キャラクターごとのスキルの使い方やタイミングについて、実際の戦闘でどのように使われるのかを自由にスキルを使いながら説明をした。一歩進むとフラッシュやスモークが飛び交うカオスな空間。真剣に説明を聞く参加者、覚えたスキルを何度も使い研究する参加者、笑い合いながらフラッシュを投げまくる参加者。そこには様々な人の個性が出ており、各々が様々な形で楽しんでいた。

ここでVALORANTをプレイする人の大半が企業交流戦では敵になるかもしれない。そう考えると、教える側も熱が入る。当日はお互いが万全な状態で対戦し、VALORANT、ひいてはFPSの魅力を思う存分堪能して、虜になってほしかったからだ。体験会の中ではゲームをプレイするだけではなく、なぜVALORANTがここまで盛り上がっているのかを私なりに説明し、とても良い時間を過ごす事ができた。

悩みに悩んだチーム編成

VALORANTではキャラクター選びや戦闘内での役割分担を決めるチーム編成が勝敗の鍵となる。Team-BASEは大会当日までチーム編成について悩んだ。

得意キャラクターの被りやチームメイトのやりたい事に今のキャラクターでは応えられない問題が発生し、そのたびに構成を変えてみる。時間が経つと今度はお互いの得意や苦手が見えてきて、キャラクターの相性と使用する選手の得意不得意を考慮していった。その結果、大会直前まではセージ、サイファー、ブリム、デュエリストx2と、割とよく見る構成に収める事ができた。

練習を行い反省会を重ねる毎にチームの個性とサイファーが噛み合わない問題と、チーム内にSR(スナイパーライフル)を持つ選手が決まっておらず、毎回持ちたい人が持つという雰囲気で行っていたため、そこを一本化させるためにサイファーをソーヴァに変更し、ブリムをオーメンに、デュエリスト2枚をフェニックス、ジェットで固定する事を試合前日に決めた。

大会前日の最終調整で新しい構成を試したが、懸念していた守りが弱くなる心配は思ったより影響がなく新しい構成は攻めで圧倒的に取れるラウンドが増え、チーム内に「いける!」という活気が溢れ良い状態で当日を迎える事ができた。

VALORANT練習 ~チームの醸成~

チームが結成した当初は遠慮や戸惑い、メンバー間の実力の差があり、伝えたい事を上手く伝えられない日々が続いた。「練習をすること=ゲームをする事」といった雰囲気があった。だが、チームとしての上達の過程で一番大事なのは「練習していく中で何を得れたか」だ。

最初はただゲームをやっていくだけの日々が続いたが、日がたつにつれ情報共有ツールを用いた具体的な反省会を行うようになった。GoogleスライドとDiscordの画面共有をメインとし、MAPにそれぞれの名前を書き今日の試合でどういう動きをしたのが敗因で、こういう動きをすればよかったなど、反省や改善策を共有するようになったのだ。反省会でお互いが意見を言い合う様になり、普段の会話に弾みが生まれメンバー同士で個人練習をしたり、雑談する事も増えていった。ただ、それでもメンバー間に遠慮や戸惑いが完全に消える事はなかった。日々の練習で言いたい事を8割ぐらいしか言えなかった日もあったと思う。

メンバーの仲をより深めるために

しかし、この遠慮や戸惑いは大会当日には完全に消えていた

理由として最も大きいのが「Chan3」さんが提案した一旦触ったことのないゲームをプレイしてメンバーの仲をより深める、という提案だ。普段VALORANTでチーム活動をしていく中では、全員が実力も違えば状況も違う中で報告を行うので、コミュニケーションはかなり難しい。だが、自分の考えを都度伝えないとその試合での印象は薄くなってしまう。それが重なり報告すべき場所で報告できなかったり、戸惑いや遠慮が生まれるようになっていく。それが連鎖すれば練習の中で得るものが薄くなってしまう。そんな課題の中で「全員が同じ状況、全員が同じスタートラインで始められる初めてのゲームを皆でプレイする」という試みは良い効果をもたらした。試合の緊張から解き放たれ、試合中では見る事ができなかった選手個人の素を見る事ができた。新しいゲームでは皆が爆笑しながら盛り上がり、いつも活動終了している時間を過ぎてもずっと新しいゲームをしていた。

そして、翌日から選手間での雑談に笑いが増え、試合間も自分のやりたい事を伝える人が増えていた。選手全員が「チームとして勝つため」から「チームのために勝つ」に切り替わった瞬間だと思う。

そこからの練習は話す回数が増えたと同時にリクエストの数がかなり増えた。練習の度に「今まで使った事なかったキャラだったけどチーム構成としては有利になると思うから使ってみたい」、「新しい動きをしてみたい。」といった声が上がるようになった。

バリアフリースポーツ企業対抗戦、VALORANTの試合前に各々が「よろしくお願いします」などコミュニケーションを取り、開始を待つ様子。
Team-BASEが決戦前に仲間とコミュニケーションを取る様子

VALORANT大会前&チームワーク編 まとめ

チーム組成当時は個人個人の実力を活かしきれない事が多く、チームが「個」を潰しているのでは、と思い悩み続ける事があった。だが大会一週間前にはそんな事は完全に消えていた。目標は企業交流戦での優勝、ただひたすらにこのチームで勝ちたいという思いが強くなった。チーム練習以外にメンバー1人1人が多くの個人練習を行い、AIM(エイム:照準合わせ)向上やチームとしての立ち回りに自分がどう合わせるか等、自身の課題克服に挑んでいた。それが自信に繋がり、練習を重ねる毎に早く本番を迎えたいという気持ちが増していた。チーム全員がこのチームで他の大会にも出場し優勝したいという気持ちが芽生え始めた

バリアフリースポーツ企業対抗戦、VALORANTの戦闘時の様子。右下には実況のOooDaさんも写っている。
Team-BASEの戦闘風景 

© 2020 Riot Games, Inc. VALORANT and the VALORANT Logo are trademarks, service marks, and/or registered trademarks of Riot Games, Inc.

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yujikun

IT企業で4年間働いた後、2019年8月BASE株式会社に入社。
先天性のプルーンベリー症候群により排尿機能などに障害を持つ。
日本初のパラeスポーツアスリートとして、東京eスポーツフェスタを始め様々なイベントへ出演。

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