「リーグ・オブ・レジェンド」に代表されるオンラインゲームを数多く世に打ち出しているRiot Games Inc. (米国)。2020年夏、同社の新作PCゲームとして「VARORANT(ヴァロラント)」がリリースされ、世界中のプロゲーマーを虜にしています。ePARA(イーパラ)では「VALORANT特集」と題しまして、4夜連続でVALORANT関連記事を公開いたします。
第2夜は、2020年8月22日に開催された「バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦」に出場したTeam-BASEのTATSUYAさんによる、大会当日の様子を綴った寄稿記事です。
◆TATSUYAさんの過去の記事
進行性筋ジストロフィーのパラeスポーツプレイヤーTATSUYAのePARA2020レポート
eスポーツのジャンルって? パラeスポーツ選手が教えるジャンル別戦い方
バリアフリーeスポーツ企業交流戦について
バリアフリーeスポーツePARA企業交流戦が2020年8月22日に開催された。主催はePARA実行委員会(株式会社ePARA)である。障がい者も健常者もバリアフリーに参加できるeスポーツのコミュニティイベントであり、各社、障がい者プレーヤーも参加する完全オンラインイベントだ。今回参加した企業は、凸版印刷E1ヒーローズ、BASE、ビーウィズ、サニーバンク。そして、キャスターは数々のゲーム大会のMC/実況を務めているOooDaさんであった。使用ゲームタイトルは、2020年6月2日に日本を含む世界各国で無料リリースとなったRiot Games Inc. (米国)による新作FPS「VALORANT」だ。
「Team-BASE」は、ネットショップ作成サービス「BASE」を運営する、BASE株式会社の障がいを持つアスリート社員2名(yujikun&TATSUYA)と石井メンタルコーチ、昨日の記事でも取り上げられていたロマンとミイデラゴミムシを集めて結成したチームでバリアフリーeスポーツ企業交流戦に臨んだ。
試合の様子
マップは全試合バインドでの開始となった。試合ごとに注目ポイントを紹介していこう。
第1試合:凸版印刷E1HEROES[8-13]ビーウィズ&サニーバンク
第1試合目で注目したポイントは、ビーウィズ&サニーバンクのBre4kT選手が使用しているサイファーの動きだ。スパイクと呼ばれる爆弾設置後にスキルであるスパイカメラをランプの外壁へ使用してマップ上に敵がいるかどうかを確認していた。敵の位置情報を仲間に知らせることができ、更には自身で確認してキルに繋げられるという2つの利点があり立ち回りの良さが際立っていた。
私は、生配信で試合を観戦しながらギリギリまで相手チームの情報を集めていた。この時点で、凸版印刷E1HEROESはチームの連携重視の戦術であること。ビーウィズ&サニーバンクチームは個々の能力を最大限発揮していく戦術であることが推測できた。
第2試合:BASE[13-1]凸版印刷E1HEROES
第2試合目で注目したポイントは、yujikun選手がジェットという呼ばれるエージェントでオペレーター(SR)を使用していた場面だ。ワープエリアで接敵している。この後キルが発生する訳だが発砲からテイルウィンドで相手の弾を避けるテクニックが見られた。こちらは最近のプロシーンでも多く活用されており、ジェットというエージェントは大会使用ランキングでも上位に来るほどだ。
エージェントは攻撃力重視でデュエリスト多めの選択をした。Team-BASEとしての1試合目は緊張をほぐすためにも雰囲気重視の積極的な攻めを行った。積極的な攻めのおかげで戦術に迷いがなく勝利を飾ることができた。
第3試合:ビーウィズ&サニーバンク[0-13]BASE
第3試合目で注目したポイントは、恥ずかしながらわたくしTATSUYAが使用しているフェニックスがウルト(必殺技)を発動した場面だ。ウルトのランイズバックで自分の実体化した分身を召喚しノーリスクで敵と撃ち合える状況を用い、AサイトからBサイトへのワープを使用しキルに繋げることができた。仲間からの状況報告が入ったため即座に判断した戦術的なプレーだ。
メンバー全員の集中力が最高潮に達しており、一人一人のやりたいことがいとも簡単にできたという感覚だった。個の力が重視のチームは予想外のプレイには対応が難しいと推測していたので裏取りやワープを使用した戦術も多めに取り入れたこともあり勝利に繋げられた。
Team-BASEのチーム運営
勝利を収めることができたTeam-BASEのチーム運営について一部を紹介する。
試合後は反省会
動画研究で得た作戦を試合で実際に使ってみて、「どこが悪かったのか」や「どうやったら良くなるのか」というサイクルを繰り返してチーム強化に繋げていた。
普段の練習
基本的には個々に合わせたbot撃ち、コンペティティブやアンレートで実戦を積んでいた。
個人技
『CS:GO』の経験者が多かったため日々のエイム練習をする程度でテクニック的な部分は個々に任せていた。
チーム単位での練習
毎週、火・金の22時30分から25時30分で練習を行っていた。時間帯によっては試合相手がいない可能性もあったため夜間に練習時間をおいたことで効率的なチーム練習が行えていた。
カスタムマッチ、スクリムの実施
チームで連携した動きを熟知するためにもあえてカスタムマッチやスクリムを多めに行っていた。同じレベル感の知り合いを集めたり、凸版印刷E1HEROESさんと試合をしたりして大会に近い感覚で練習ができていた。
以上の積み重ねが、今回の勝利につながったのだと感じている。
次回出場大会への意気込み・展望
2020年9月12日に開かれる『VALORANT TechnoBlood Climber Series』へ出場予定だ。VALORANTのコミュニティと競技シーンの活性化を目的として定期開催されるオンライン大会。チームとしての目標は1勝をあげることだ。もちろん優勝は目指しているが選手としては1歩1歩確実な勝利をあげたい強い心の表れが目標に出ていると感じている。Team-BASEとしてはストイックなアスリートの形成を目標としており、ゲームジャンル問わず世界に立てるチームを目指したいと強く思っている。
© 2020 Riot Games, Inc. VALORANT and the VALORANT Logo are trademarks, service marks, and/or registered trademarks of Riot Games, Inc.