車椅子eサッカーチーム「ePARAユナイテッド」の羽飛（つばさ）です。先日川崎フロンターレ様のご招待を受け、ePARAユナイテッドのメンバーと共に、川崎フロンターレの試合を観戦する機会をいただきました。今回はその時の感想やこれからのePARAユナイテッドの活動に活かしたいことなどをお伝えしたいと思います。
「車椅子イレブンがプロサッカー選手と創る『新しい景色』」
僕は実は野球が大好きで、野球場には何度も行っているのですが、ePARAユナイテッドと関わるまでサッカーは日本代表の試合をテレビの画面で見ることしかしてきませんでした。
それくらいの気持ちだった私ですが、ePARAユナイテッドのメンバーになって、チームのみんなと戦略と技術を磨くために本気で練習していくうちに、サッカーの楽しさと奥深さを感じ、見方が変わっていきました。
そして、川崎フロンターレの小林悠選手とのイベント「車椅子イレブンがプロサッカー選手と創る『新しい景色』」でサッカーゲーム「FIFA23」を一緒にプレイし、ゲームの中でしたが、プロのプレーを見て凄さを覚え､リアルのサッカーを生で観たい気持ちが強まっていきました。
等々力陸上競技場でＪ１リーグの試合を生観戦
私にとって初めてのサッカー観戦は興奮をかき立てられる経験になりました。
まず感じたのは、駅周辺からたくさんのファンがいて、街全体にチームを応援している雰囲気があることです。川崎フロンターレは地域密着のクラブで、地元の人々との交流イベントや慈善活動を積極的に行うことで地域のファンとの結びつきを強めているのだと知り、とても感動しました。野球は広島カープのファンなのですが、地元との関わりがカープと似ているところがあり、勝手ながら親近感が湧きました。
サッカー場にも圧倒されました。3回試合を見に行かせていただいたのですが、車椅子席はとても広くスペースが取られて非常に見やすかったです。また、私たちの席から川崎フロンターレの応援団がよく見えたのですが、キックオフの笛が鳴ると、巨大な旗が振られ、彼らの歓声が大きくなり､その応援がどんな状況であっても最後まで尽きることはありませんでした。応援している姿に、鳥肌が立つほど興奮し感動しました。応援がサッカー観戦の醍醐味の一つであることを、改めて実感しました。
① 3月4日 川崎フロンターレ vs 湘南ベルマーレ 戦
肝心の試合中は夢中で見続けていました。今までであれば、ボールを追いかけて､そこで起こる展開やプレーを見ていました。しかし、今回はそれだけでなく､「FIFA23」で練習していたこともあり、ePARAユナイテッドで任されているFW（点を取りに行くポジション）の選手のボールを持っていないときの動き、ポジショニング、抜け出すタイミングなどを注視していました。
また、選手たち全体のプレーを見て感じたのは、ボールを持って止まったり、後ろに戻したりすることが多いということです。ゲームだと展開が速いため､すぐにバスを出したり、相手のゴールに向かって動くことが多いのですが、リアルサッカーは前にバスを出せるスペースを作るために、バスを後ろに回したり止まったりすることが多い。これが観戦して気づけたことだと思っています。
1試合目の湘南ベルマーレ戦は、80分まで1-0の1点ビハインドの展開。「同点に追いついてくれ」と応援したのが届いたのか、今シーズンから加入した瀬川選手が古巣を相手に同点ゴールを決めて、1-1の引き分けでした。
② 3月18日 川崎フロンターレ vs セレッソ大阪 戦
2試合目のセレッソ大阪戦。あいにくの雨のためフロンパークのイベントが一部中止になったほか、選手も応援も万全とは言えない状況でした。車椅子席は屋根があることもあり、寒さはあるものの心地よく観戦できました。どちらも譲らず0-0の展開が続き、後半途中から待ち望んでいた、怪我から復帰の小林悠選手が出場しました。
大歓声があがり、スタジアムの雰囲気が変わりました。さすがは川崎フロンターレを象徴する選手。人気があることがよくわかります。
そこから何度もチャンスを作り、ゴールかと思われたシーンもありましたが、オフサイドの判定で得点ならず引き分けでした。
この日は勝利を見届けることはできませんでしたが、我らが小林悠選手の復帰出場も含め、最後まで手に汗握る試合を観ることができました。
③5月28日 川崎フロンターレ vs 柏レイソル 戦
5月28日の柏レイソル戦。我らが小林悠選手がスタメン出場したうえに先制ゴールをGET！試合も2-0と快勝し、ePARAユナイテッドで3回目の等々力陸上競技場での観戦で、念願の初勝利となりました。当日は、川崎フロンターレに在籍経験のあるＯＢ選手をピックアップした「川崎OutBreakers」が開催されており、私も田中裕介さんと写真を撮ってもらうことができました。ＯＢの引退後も応援する川崎フロンターレのファミリー感を味わうことができました。
観戦経験を活かして
今回試合を見に行った後、Jリーグやプレミアリーグなどの試合をチェックするようになり、サッカーに対する熱がさらに高まりました。リアルサッカーを観た経験をePARAユナイテッドの中で活かせるように、これからも練習を積み重ねていきたいと思います。
また、小林悠選手に実際にお会いして一緒にゲームをした時の笑顔や優しい対応、そして一生懸命にeスポーツを楽しんでいる様子を見て、小林選手の人柄に触れてとても嬉しかったと同時に、次に一緒にプレーする機会に向けて、私も人間的にもプレーもレベルアップしたいと思いました。今回は本当に貴重な経験になりました。
追記：ePARA編集局より
2023ファン感謝デー特別企画FOOTBALL TOGETHER Powered by eFootball™️
バリアフリーeスポーツを提唱する株式会社ePARAと、車椅子eサッカーチーム「ePARAユナイテッド」は、2023年7月16日に川崎フロンターレ主催で実施されるされる「2023ファン感謝デー特別企画FOOTBALL TOGETHER Powered by eFootball™️」に協力・出演します。
関連記事：川崎フロンターレ「2023ファン感謝デー特別企画FOOTBALL TOGETHER Powered by eFootball™️」に協力・出演します
小林悠選手頑張れ！
6月11日のサンフレッチェ広島戦、小林悠選手は試合中のアクシデントの影響で途中退場となりました。私たちePARAユナイテッドは、さまざまな困難にぶつかっても「何度でも立ち上がるヒーロー」を心から応援しています。小林悠選手頑張れ！
