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ePARAを支える人たち 座談会

サイコム愛とePARA愛と、その真ん中にあるPC愛 -Fortia×スポンサー座談会- [PR]

ePARAとバリアフリープロジェクトチーム「Fortia」(フォルティア)の活動は、スポンサー企業のさまざまな支援により支えられています。Fortiaの週次ミーティングでの発案をきっかけに、ePARAスポンサーの担当者様とFortiaが直接お話しする座談会企画が実現しました!

今回は、BTOパソコンメーカーである株式会社サイコム様との座談会の様子をお届けします。ePARAは2021年7月以来、同社からゲーミングPCの提供を中心とした支援をいただいています。また、同社は2022年4月にPCの障害者向け割引販売を開始し、その利用者も増えているとのこと。日頃の感謝を伝えるべく行った座談会を通して、いろいろな「愛」が見えてきました。

座談会参加者

株式会社サイコム様

代表取締役 CEO 河野孝史様
マーケティング担当マネージャー 佐藤明様

PARA/バリアフリープロジェクトチーム「Fortia」

参加者主な障害特性
まるぽすアイザックス症候群
希央広汎性発達障害
GreenBird自閉症スペクトラム
イーパラユナイテッドのユニフォームを着たとりちゃんのアイコン。背景はサッカーグラウンドの芝生とりちゃん筋ジストロフィー
Jeni筋ジストロフィー
NAOYA先天性全盲
実里(進行)後天性全盲
外尾(進行補佐)

さまざまな障害特性を持つFortiaメンバーとサイコムPCの関わり

河野氏:会社設立から約25年、この仕事をしてきました。まだインターネットの商用利用が一般的でなく、コンピューターを使うのも一部の愛好家に限られていた時代に、研究を重ね、インターネットでメモリ販売を開始したのが弊社の始まりです。
設立当初はいかにパーツを集めて安く抑えるかに主眼を置いていましたが、海外メーカーの進出に伴って低価格化が進んだことを踏まえ、逆に高性能サイドに振ることにしました。
当社は「クラフトマンシップ」を掲げています。日本語では職人技とでも言えるでしょうか。ニッチ指向ということもあり、配線にせよ、梱包にせよ、サポートにせよ、とことんこだわる気持ちでやっています。

佐藤氏:マーケティング担当の佐藤です。当社は一般的なPCメーカーとはちょっと違うところがあります。サイコムにしかできないことを追求するなかで、ePARAとの取り組みは大切にしていきたいと思っています。

実里:私は生まれつき視覚障害があり、5年前に病気の進行で全盲になりました。今はePARAの社員として、日々サイコムさんのPCに助けられながら仕事をしています。

まるぽす:日本に約100人の希少難病、アイザックス症候群を患っています。左下肢の筋肉に痛みやけいれんが出るため、杖や車椅子を使って生活しています。ePARAではRacing Fortiaというレーシングチームのメンバーであるほか、FPS Fortiaのキャプテンも務めています。先日、サイコムさんの障害者割引を利用して新しいゲーミングPCを購入しました。その後、10時間耐久のレーシングゲームイベントの際に配信を行いましたが、ファンの回転音が大きくなることもなく、すばらしいものを購入できたと思っています。

希央:私もRacing Fortiaに所属しています。障害当事者としてePARAの活動に参画し、さまざまな裏方の仕事に携わってきました。発達障害の一種である広汎性発達障害があり、私の場合は特に手先の細かい動作が苦手です。サイコムさんのPCに関しては、G-Master SpearのMiniを使って3年目ですがほぼトラブルもなく、メンテナンスの際も触りやすい。動画編集などで結構ぶん回しますが、音が大きくなったり熱で不安定になったりすることもありません。

GreenBird:FPS Fortiaでプレイヤーとして活動しています。私は発達障害の自閉症スペクトラムがあります。2022年3月に他社からの買い替えでサイコムさんのPCを購入しました。重量型のゲーム、例えば今なら「バイオハザード4」のリメイクなどで、可能な範囲でグラフィックを上げて楽しんでおり、さまざまなeスポーツ大会にも出場しています。

とりちゃん:私は難病のベッカー型筋ジストロフィーで、ePARAユナイテッドでキャプテンを務めています。ePARAユナイテッドでは全員がサイコムさんのPCを使っています。イベント時も、(サッカーのピッチに立つ人数と同じ)11台をお借りしました。私自身は3年前からサイコムPCを使っていますが、当初グラフィックを上げてプレイできたのが驚きで、サッカーボールの回転が分かって感動したのを覚えています。

横並びになった机の前にコンピューターが11台並んでいる様子
イベント会場正面に並んだ11台のコンピューターが観客の目を引く
サッカーゲームを一緒にプレイする川崎フロンターレの小林選手とイーパラユナイテッドの選手10人
サイコムのPCが川崎フロンターレ・小林悠選手中央との共闘を支えた

Jeni:私はデュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っています。ePARA入社後からサイコムさんのPCを活用しています。高画質のゲームを配信しながらプレイできるほど高パフォーマンスで、仕事でイベントの配信がある際には非常にありがたいです。先日、サイコムのPremium Lineのコンパクトモデルを個人的に購入しました。もうめちゃくちゃカッコよくて。また、PCが2台あると友人や家族と一緒にゲームをする機会も増えてうれしく思っています。

NAOYA:私は先天性全盲で、ブラインドeスポーツプレイヤーとして主に格闘ゲームで活動しています2021年7月にAny%CAFE(エニーパーセントカフェ)のオープニングイベントで、当社代表の加藤と「鉄拳7」で戦ったときに初めてサイコムPCを使いましたが、キャラクターセレクトから対戦に移るまでの早さに驚きました。その後、自宅でもゲーミングPCを使用し始めましたが、全盲ならではの視点で、プロダクトキーが分からないとか、USBの2.0と3.0を区別できるようにしてほしいとか、打ち合わせのたびにあれこれ要望しています(笑)。

サイコムのお気に入りポイント

お気に入りポイント①:高性能でありながら静か

実里:サイコムさんのPCを使いながら「ここがいい」と感じているポイントを教えてください。

希央:画像配信のためにAfter Effectsなどを使って結構重い作業をしています。エンコードに負担がかかりますが、処理が速く、すばやく仕上げてくれます。また、以前は他社のメッシュケースのゲーミングPCを使っていましたが、音が気になりました。発達障害の特性上、あのブーンという音は耳や脳に負担がかかります。今のPCでは音が気にならず、快適に作業できます

河野氏:静かであることのメリットを聞いて、まだまだ静音でできることがあるんじゃないかと思いました。特徴を出すために静かさを追求しようと思っても、高性能で、かつ静かにするのは難しい。CPUやビデオカードの音が大きくなり、それを通気性が良いメッシュのケースに入れると聞こえてしまいます。メッシュ以外のケースでどう冷やして静かにするかが、やりがいのあるところです。

実里:私も、実家のデスクトップPCと比べて手元のものは本当に静かだと感じています。ゲームを一旦起動し、後からやろうと思ったまま忘れて一晩寝てしまうこともあります(笑)。

NAOYA:ときどき、視覚障害者の場合は多少しっかり音がするものを使った方が良いこともありますよね。音があると、つけっぱなしにしたり、電源が入っていることを忘れてコンセントを抜いてしまったりすることがなく安心できるというのはあります。また、私は、ゲーム中にファンの音が聞こえると、今日もサイコムPC頑張ってくれてるなあって感じます(笑)。

お気に入りポイント②:見た目の美しさ・かっこよさ

とりちゃん:サイコムPCは、やっぱり光っているのがかっこいい。また、配線がきれいだな、それは当たり前じゃないんだな、って改めて思いました。

河野氏:PCを組み立てるだけなら、ケーブルを挿す場所や作業手順を間違えなければできます。一方でケーブルを束ねたり、外しやすいもので留めたり、といった配線まわりにこだわり始めると時間もコストもかかります。だからこそそのこだわりに気付いてもらえているのは本当にうれしいです。

ガラスケースを使用したサイコムのPC。中のケーブルやパーツが見える
ブルーに光るケースの中で、黒いケーブルが整然と束ねられている

まるぽす:以前使っていたPCは中が結構ごちゃついていました。高性能を目指すとメモリなども増えていきます。サイコムPCの場合は動作性もありながらパーツがきれいにまとまっているという、本当に職人技のようなものが見られる部分なんだなと思うと、掃除が楽しみです。

GreenBird:以前PCショップに行ったときにNZXTのケースに一目惚れして、サイコムさんが偶然NZXTのケースを扱っていたのでうれしかったです。ケース内が見えるようにRGBで光らせて使っています。

佐藤氏:当時これを採用したのは、トレンドになるとバイヤーが感じたからです。トレンドを捉えるのはBTOベンダーとしては避けられません。

希央:今のラインナップでいうと、Lepton Motion Pro Z790/D5がすごくかっこいい。ケースについては、見た目が派手なだけでなく性能もきちんとしていないと、PCメーカーとしては使いにくいんだろうなと感じています。

佐藤氏:まさに、見た目、性能・機能性、組み立て効率などのバランスなんですよね。そして、トレンドを押さえつつも独自性を出すうえで、このような場で意見をお聞きできると、売り手はストーリーを作ることができます。やはりストーリーや絵が描けないと、その先にいるお客様には響きません

八幡平のイベントでのサイコム社ブース。青く光るPCが机に置かれている
Jeniがプロデュースした「HACHIMANTAI 8 FIGHTS」にて、会場内に設置したサイコム社ブースの様子

お気に入りポイント③:情報発信面のサポートが充実

実里:私はどちらかといえばPCに疎いのですが、サイコムさんの「BTO Vision」にあるUSB規格の記事を読んで、ようやくType Cについて理解できました。そのような情報発信の面のサポート力もすごいなと感じています。

複雑化する「USB」規格を通信速度やコネクタ形状で整理 - 主流となった「USB Type-C」の魅力もチェック(BTO Vision)

外尾:サイコムさんのYouTubeチャンネルで配信されている2023年秋アップデートについての約1時間の動画も、皆さんぜひ見てください。佐藤さんの説明が分かりやすく、しゃべり口調も心地いい。これは本当におすすめです。

@Sycom 2023年秋 アップデート

未来に向けて -要望・提案・困りごと-

河野氏:今やPCは必需品です。ePARAとのコラボを通じて、障害をお持ちで既製品のPCを使いづらい方の意見を拾い、製品に生かしていくことができます。短期的に実現できることと、すぐにはできないことがあると思いますが、海外のパーツメーカーなどと直接意見交換できるポジションにいますので、少しずつメーカーを動かせれば、皆さんにとって使いやすい製品が増えると思っています。

未来に向けて①:目的別の推奨モデル

まるぽす:例えば「ストリートファイター6」推奨モデル(G-Master Velox II Intel Edition SF6)がありますが、「他のゲームは何ができるんだろう」と思う方がいるかもしれません。このPCだとこのゲームはこんな感じでできるという一覧表があると、ゲーマーとしてはうれしいです。また、私は動画の配信・録画・編集もするので、ゲーム以外にどんな作業ができるかも分かると、次の1台を選ぶときの参考になりそうです。

河野氏:最近「かんたんBTOモデル検索」を作りました。ホームページのトップからもアクセスできます。このページで、「映像編集」などの目的に応じたおすすめモデルも探せるようになっています。

佐藤氏:私もゲーマーですので、トレンドに合わせて「このゲームならこのくらい動く」という情報を示す必要性を感じています。自社ページだけでなく、メディアやインフルエンサー、そして皆さんを通じてなど、幅広く発信していきたいです。

未来に向けて②:高性能かつ小型・軽量で、身体が不自由でも扱いやすい

まるぽす:私は下肢障害があり、足元に置いたPCの裏の配線をいじるときに横ばいになったり、キャスター付きの台ごと引き出したりしますが、体に障害があると体勢の保持が難しいこともあるので、できるだけコンパクトで手元に置けるものができるとうれしいです。超コンパクトで超すごいモデルっていう、夢のまた夢のような話かもしれませんが・・・

佐藤氏:最近では、窒化ガリウム(GaN)を使うことで電源が小さくなる可能性が出てきています。デスクトップでもコンパクトという夢は、今後10年の間に動きがあるかもしれません。

まるぽす:注文すると、組み立てや発送の進捗を細かく教えてくれる。すごいなと思いながらいざ受け取ると、箱が大きくて。開けてみると、段ボール箱がもう一つ。こんなに厳重にしてくれるんだと思いました。開封して「アーマードコア6」をプレイするまでの様子を動画編集して、Xにあげています。両脚で立ってスッと中身を取り出すのが難しいので、横にしちゃおうかなとか、あたふたしているのが早送りで流れます(笑)。

まるぽすがPCを開封して「アーマードコア6」をプレイするまでの様子

河野氏:なぜ梱包が厳重かというと、やはり大きくて重いから。もっと小さくて軽かったら荷扱いもしやすくなります。その意味でも小型化はいいなと思います。

外尾:片手開封もできるといいですね。最近Jeniがレビューさせていただいたゲーム用デバイスは、片手で開封できるようになっていました。片麻痺の方もいらっしゃいますので、段ボール箱や発泡スチロールの扱いから設置まで、片手でできるものがあるといいなと思います。

(参考記事:PS5用アクセシビリティコントローラー体験会に社員の畠山が登壇、多くのメディアに紹介されました

NAOYA:私も開封と設置を一人で行いましたが、大きいPCだったので、本当に一人でできるのかと周りに心配されました。

未来に向けて③:サイトのアクセシビリティ向上

希央:アクセシビリティの面で、人によってはもしかしたら、注文の段階でハードルになっている部分があるかもしれません。

佐藤氏:私たちもそこは非常に重要だと感じています。今後もサイトの改修を計画していますので、何かしら取り入れていかないといけないと考えています。

希央:障害者割引を行っている意味が一段アップしそうですよね。また、ゲーミングPCのページは色が派手になりがちですが、それが見にくい人もいるかもしれません。

まるぽす:視覚過敏の方もいらっしゃいますよね。あとは、視覚障害をお持ちで画像を見られない方に対して、各モデルを紹介する読み上げなどがあるといいですね。

希央:ePARAでもご協力できることがあるかもしれません。

実里:ePARAにはいろんな特性を持った障害当事者が関わっているので、またこの座談会のような企画が実現できれば、そこでお話しして進めていけるといいなと思います。

優れた製品が生まれるのは愛あってこそ

河野氏:ePARAさんとはいろいろとコラボしてきましたが、改めて一人ひとりとお話しできるというのは貴重な機会で、ますますePARA愛が芽生えてきた感じがしています。今回のお話にもヒントになることが多くありました。今回のような座談会でもいいですし、それにこだわらず、「こういうものがほしい」「こういうパーツを選びたい」などの意見をどんどんいただければと思います。

佐藤氏:取引先からは通常、言いづらさもあってか、なかなか課題をお聞きすることができません。利用者と実際にこのようにコミュニケーションを取り、お悩みや、具体的な環境での使い勝手などを聞けているのは世界でも私たちくらいだと思っています。これは本当にすばらしいことですので、ぜひ続けていきたいです。

外尾:先ほどePARA愛をいただきましたし、私たちにももちろんサイコム愛がありますが、今回感じたのは、根本的にここにいる皆さんがパソコンやデバイスが大好きなんだということです。ビジネスとして作って売っているだけの企業もあるかもしれませんが、多分この愛があるからあの製品が作れて、我々も満足して使えているんだなとしみじみ感じました。

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