eスポーツ大会 Fortia

フォートナイトデビューをした二人目の全盲プレイヤーが語る ~僕らはサポーターにもなれる~

みなさんこんにちは。Blind Fortia(ブラインド・フォルティア)なおやです。最近は格ゲーのことばっかり書いてました。というか、たぶん「全盲の僕でもパワプロをやりたくて試したこと」以外は鉄拳7絡みですね。
今回は、2021年12月12日に行われた「HEART × ePARA バリアフリーeスポーツプロジェクト~人と人の心を繋ぐ~」にプレイヤーの一人として出場した経験に関する記事です。
格ゲーとはまた違った世界で戦ってみて感じたこと、これからやってみたいことをつづってみたいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。

ハートとイーパラが主催した今回のイベントのオープニング画像。バリアフリーeスポーツプロジェクトの文字と、ハートとイーパラのロゴ、車椅子、盲導犬、補聴器、メガネのイラスト、大会日時が記されている。

FORTNITE初心者の自分は当日まで不安だった

今回の企画は、タイトルにもあるようにバリアフリーeスポーツプロジェクトとして開催されました。その理念のもと、基本的にePARAから出場する障害者プレイヤーは、Heartの健常者プレイヤーとペアを組み、デュオマッチに臨むことになりました。
私の相方は、クラン所属のみどりさん。
当日まで複数回の練習を行いましたが、ユーモアたっぷりのトークを交えながらFORTNITEの基本をレクチャーしてくださいました。また、私のおふざけにも付き合っていただき、とても感謝しています。


ただ、ペアの練習といっても結局は私がとりあえず戦えるようになるための基本をやっているだけで当日を迎えることになりました。本当にこんなんでいいのか、大丈夫だろうかと思っていました。

また、当日行われた4試合のうち2試合はユニークなルールが設定されました。

4試合の主なルールは、

・第1試合『バリアフリーバトル』:建築の禁止
・第2試合『Heartサポートマッチ』:攻撃担当と回復・建築担当の完全分業制
・第3試合『 デュオコネクト 』:通常のデュオ
・第4試合『 手と手 』:デュオを埋めて4人でスクワッド

これらのルールが順次発表されていくなかで、私は不安を募らせる一方でした。

というのも、私は全盲であるのに加えてFORTNITE初心者でした。むしろこのイベントをきっかけにちゃんと始めたといってもいいかもしれません。そんな自分が前半2試合の縛り混みで戦えるのか、不安しかなかったことを覚えています。

支えになったのは既にFORTNITEで実績を残していた全盲の仲間

そんななかではありますが、私の支えになったのは同じBlindFortia所属で、今回のイベントでアンバサダーを務めた全盲プレイヤーのいぐぴーさんの存在です。
いぐぴーさんは既に1年近くFORTNITEをプレイしており、音だけでアイテムの内容が分かるという、いわば全盲FORTNITEプレイのエキスパートのようなスキルを持っています。
余談ですが、チャプター2の頃はレベルが200を超えていたそうで、私の相方のみどりさんよりも高かったそうです。

大会の実況解説メンバーについての画像。メインMCけろりん、1、2試合目いぐぴーといっちー、2、3試合目はとぽぽとひだりぃ。

いぐぴーさんが既にそこまでのプレイヤーに達していたからこそ全盲独特の悩みを相談することができ、なんだかんだ自分もできるのではないかと心の支えになっていました。
ただし、ユニークな2試合のルールに関して相談したときは私の思いを理解したうえで、「これは前例のないチャレンジだから、むしろ面白くなると思うよ」と言っていました。そこが、同じ全盲でも経験の差ということなのでしょうか(笑)。

当日は回復や蘇生で貢献できた

いよいよ当日になりました。

私たちのチームは基本的に安全な場所に降りた後、必要な回復アイテムや武器を相方のみどりさんが収集し、私が持つというやり方をしました。もちろん2試合目に関しては回復アイテムのみです。
攻撃の際に視点を合わせるのが難しく、攻撃に比べて回復の時の方が一刻を争う場面が少ないという理由からでした。


1試合目は、鉢合わせしたパーティとの駆け引きに失敗したみどりさんを蘇生しようとして、私もあえなく銃撃されて終わりました。なお、そのときに私たちを襲撃したパーティはチームePARAのひだりぃさんチームだということが分かりました。恐るべし、バトルロイヤル。

第1試合。みどりさんを蘇生させようとしたところ、ePARAのひだりぃさんチームに仕留められてしまう。

2試合目。今回は二人で動くときは基本的に車に乗るようにしていたのですが、車が破壊され、爆発のダメージで二人そろって倒れました。
ただ、その試合で私は何度か二人分の回復を行うことができました。

嵐にのまれ絶体絶命のピンチ。なんとかみどりさんを回復し車に乗り込み大脱出。


3試合目。通常ルールに戻り、前に教わった「撃たれたら周りに壁を作る」を実行して応戦しました。しかし、最終的には敵の攻撃で建築もろとも焼け野原に。あちこち燃えている音がとてもリアルでした。ほんと、燃えるアイテム怖い……。

なんとか壁を作り守りを固めるも、敵チームからの集なか砲火を受けてしまう。


4試合目。スクワッドということで、新たにしらすごはんさん、かなりんさんと合流しました。
またまた「撃たれたら壁を作る」を実行し、何度か死亡を免れながら戦いました。

そこで、二人が倒れたところでみどりさんの誘導のままに動いて蘇生アイテムを使用。みごとに二人とも復活させることができました。
練習では一度しかやっていなかったし、正直やり方を忘れかけていたのですが、そこで貢献したことによって順位を上げられたかもしれないと思うと、この日一番うれしかったです。

最終的には5位でフィニッシュ。なんとかトップ10以内に入るという目標を最後に達成して、私の一日は終わりました。

みどりさんの説明を受けながら倒れてしまった仲間を蘇生させることに成功!

全盲もゲームのなかならサポーターになれる

実は私、リアルスポーツを含めて今回がチーム戦初出場でした。
私は運動が苦手なので、学生時代の体育ではバレーボールやサッカーといったチーム競技が一番嫌いでした。自分のミスがチーム全体の状況を悪化させる可能性があるからです。そして、ミスをしなくても自分が貢献できる場所なんてないと思っていました。だからこそ自分のプレイと結果が比例している個人競技をやり続けていました。

しかし、今回のFORTNITE大会の出場を通して、自分にも居場所があることを再確認することができました。
攻撃がうまくなくても、移動をしたり何かをしたりすることに誰かの誘導が必要でも、私はチームのサポーターになれました。それは、ゲームの世界では、何かにぶつかったり躓いて転んだりすることを恐れずに、自由に動き回れるということがもたらした結果だと思っています。

私自身も、ゲームの世界で駆け回るキャラクターのようにぶつかることも転ぶことも恐れず走り続ける、そんなプレイヤーであり、挑戦する一人の全盲ゲーマーでありたいです。

引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

参考URL

当日のメイン配信はこちらです。
【HEART × ePARA】バリアフリーeスポーツプロジェクト ~人と人の心を繋ぐ~【フォートナイト】

相方・みどりさんの配信「【Heart × eスポーツプロジェクト】ブラインドプレーヤーなおやさんと大会当日」で、当日の私たちの状況をご覧いただけます。


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北村 直也(きたむら なおや)

声優、エンジニア、大の野球好き。
不可能を可能にする男というキャッチコピーのもと、誰もなしえなかった「視覚障害を持つ声優」に挑戦中。その状況を日々SNSで発信しているのだが、フォロワーから「野球の人」という印象が持たれるほど、野球ツイートも熱い!さあ、野球アニメに出よう。
Twitter:@noy_0207

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