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プレイレポート

全盲いぐぴーのチャレンジ!MINECRAFT体験版を振り返る

皆さん、初めまして。いぐぴーです。

群馬県に住む、音楽とゲームが大好きな27歳の女性です。

私は、 全盲の僕でもパワプロをやりたくて試したこと の筆者・北村直也さんと同様、生まれつき全盲です。

2017年5月から在宅で音声をテキスト化する「文字起こし」の仕事をしています。

生後4ヶ月の検診で目が見えないとわかってから、父親がクラシック音楽やロック、フォークなど、色々なジャンルの音楽を聴かせてくれました。

それがきっかけで、趣味で作詞作曲や楽器演奏をするほど大の音楽好きになりました。

特に歌うことが得意で、11年前にはNHKのど自慢に出場。

グランドチャンピオンを受賞した経験があります。

筆者・いぐぴーのイメージイラスト。全盲の歌のうまい女性がマインクラフトに挑戦するよの表記。いぐぴーが右手にマイクを持ち、熱唱している。白Tシャツには姫のイラスト、エンジの長そでカーディガンをはおっている。

ゲームと音楽は身近な存在

全盲の私ですが、ゲームは小学生になる前から音楽とともに、身近な存在でした。

姉と父親が色々なタイトルをプレイしていて、私はいつも横でゲームの音を聴いていました。

生まれて初めて自分がプレイしたのは、スーパーファミコンの『すーぱーぷよぷよ』です。

その後、Nintendo64の『スターフォックス』、初代プレイステーションの『パズルボブル』、ゲームボーイの『ボンバーマン』や『ピクロス』など、色々とチャレンジしてきました。

ゲーム歴はざっと20年ぐらいかなと思います。

つまり、音楽に負けないぐらい長く楽しんでいることになります。

音を聴くだけではつまらない、横で見ているだけではつまらない。自分もやってみたい!

そんな気持ちが幼少時代から強かった私。

「画面を見ないといけないから無理」というような発想は、昔から一番嫌いでした。

どこまでやれるかわからないけど、とりあえずやってみようという考え方。

その考え方を教えてもらえたという意味で、見えない私のいる前でプレイしてくれた家族、名作を作り上げてくださっているゲーム開発者さんには、とても感謝しています。

MINECRAFTとの出会い

今ではNintendo SwitchやPS4、スマホやPCなど、色々なデバイスでプレイが可能になり、教育現場でも利用されているところがあるMINECRAFT(マインクラフト、通称マイクラ)。

しかし私がこのゲームの存在を知ったときは、今のようにみんなで気軽にプレイできるような状況ではありませんでした。

クロスプレイに対応していなかったり、マルチプレイの準備にものすごく手間がかかったりなどなど…。

「やってみたい」から「やってみよう」へ

私が中3~高1ぐらいの頃。

携帯電話もガラケーが主流で、スマホといえばiPhoneが流行り出したかどうかの時期。

「ニコニコ生放送」でゲーム実況の配信を視聴することにハマっていた時期がありました。

当時使っていたらくらくホンに、ニコ動とニコ生のアプリをダウンロード。

読み上げが十分でないのにも関わらず、感覚だけでいろいろな配信をサーフィン。

興味のある配信を見つけると、それをラジオ代わりにこっそり流して勉強。

そんな中で、たまたま見つけたのがマイクラの実況配信。

他のゲームタイトルの効果音にはない小気味良い音に、「これは、何をすればクリアなのかなあ」とか「これ私でもできるかなあ」とか、色んなことに想像を巡らせていました。

その後もマイクラの動画や生配信はちょくちょく視聴していました。

「やってみたい」という思いから「よし、やってみよう!」という気持ちが沸いたのは今から3年前、2017年6月のことです。

在宅で文字起こしの仕事を始めてもうすぐ1ヶ月、のチャレンジでした。

ここからは2017年当時の記憶を振り返り、私のマイクラのチャレンジを綴っていきたいと思います。

MINECRAFTにチャレンジ!

2017年。

Windows10がリリースされてそろそろ使い慣れた人も増えてきたかな、といった時期。

私は、PCを新しくしてもうすぐ1年。

次は自分で稼いでもっと良いものを買うぞ!と気合を入れて頑張っていました。

私のPCには、Windowsアプリストア版のマイクラがインストールされていました。

私は敢えてJava Editionを選び、インストールしてみました。(バージョンは、1.12)

Java Editionのほうが音声を頼りに使える部分が多そう、というなんとなくのイメージ。

このときは体験版もJava Editionしかなかったと思います。

起動、のち苦闘

インストール時はキーボード操作と音声読み上げで作業できました。

インストールも無事終わり、いよいよ起動。

この後が結構きつかったです。(スクリーンショットが残っておらず申し訳ありません)

起動時、配信でよく耳にしていたBGMが流れ、無事に起動できたことはわかりました。

しかし、そこから読み上げが全く載らない……。

どうしたらゲームがスタートできるのかわからず……。

適当にマウスカーソルを動かして、クリックして……なんとかワールドへ。

その先は、キーボードだけでは何もできないことが判明。

とりあえずノートPCのタッチパッドの左ボタンを長押ししながら、指を滑らせて、キーも適当に押してみて……。

どうやら掘ることはできたみたいだぞ、という感じ。

その後色々と試行錯誤。

Windowsの「マウスキー機能」を利用して、外付けのテンキーでマウスカーソルを動かしつつPCのキーを押して適当に動く、というところまではできるように。

その様子は、YouTubeに公開したものが残っています。
【MINECRAFT】全盲のゲーマーがやれることは、これだけ…【体験版】

この動画では、PCに入れて使っている「NVDA」という読み上げソフトの設定で、マウスカーソルの位置や明るさをビープ音で示すようにした状態でプレイしています。

そちらの音のほうが気になるところだと思いますが、こんな具合で、とにかく適当に掘りまくる以外は何一つできませんでした

全盲のいぐぴーがマインクラフトの操作に悪戦苦闘する様子。汗をかきながらパソコンを操作し「掘れたで!何か掘れた!」と叫んでいる。

MINECRAFTにチャレンジして思ったこと

「とりあえず環境が整った」ので、次の段階に進んでみました。

しかしその後も苦闘が続きました。

ゾンビなど敵の音声が聞こえても視点の変え方や攻撃法がわからず……。

水に落ちてもどうして良いかわからず……。

とにかく焦りまくりでした。

ただ、ひたすら掘ることはできたような感じはありました。

もしマルチプレイをするなら、ナビゲーター役の人の支持に従ってひたすら掘り進めておく、ということはできるような気がしました。

全盲のプレイヤーがチャレンジするためには

その後に「ツイキャス」で見つけた実況配信で、配信者さんから良いことを教わりました。

昼と夜、時間が切り替わるタイミングで音楽が流れるのがデフォルト設定のようなのです。

これは私を含め、聴覚をベースとしてプレイする全盲のプレイヤーが本格的にやる場合、大きなヒントをくれる外せない設定だと思います。

また、3年前のチャレンジではPCのマウスとキーボードでなんとか適当に掘ることが精いっぱいでした。

今では、ゲームパッドを使ったらできることは増えるかもしれない、と思っています。

マイクラのバージョンアップにより、できることも増えているかもしれません。

果たして…、といったところも含め、2020年でのマイクラ再チャレンジもしてみたいです。

まだまだやりたいことだらけ

いかがでしたでしょうか。

実はPVP(プレイヤー同士で戦うこと)もできるマイクラに音と感覚だけでチャレンジした結果を言葉だけでお伝えしてきましたが、うまく伝わったでしょうか。
マイクラ以外にもチャレンジしてみたいゲームはたくさんあります。

またePARA(イーパラ)さんに機会をいただき、引き続き情報発信していきたいと思います。

海外では、全盲のゲーマーが各ジャンルのタイトルで活躍していると聞きます。

「日本人だって負けてないぞ!」というところを見せられるように、私もどんどんチャレンジしていきたいと思います。


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参考URL

筆者:いぐぴー

Twitter https://twitter.com/music_Apollonia

イラストデザイン:ゆづぱん

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