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ePARAレポート

全盲ゲーマーいぐぴーの「Heart×ePARA バリアフリーeスポーツプロジェクト〜人と人の心を繋ぐ〜」フォートナイト大会レポート~愛と優しさと楽しむ心が世界を変える~

皆さんこんにちは。Blind Fortia(ブラインド・フォルティア)所属「笑顔を絶やさぬ挑戦者」いぐぴーです。
今回が私にとって新年最初の記事です。あっという間に2022年。今年もいろいろなことにチャレンジしていきたいと思いますので、応援よろしくお願い致します。

さて、今回は、2021年12月12日に行われたFortniteカスタムイベント「Heart×ePARA バリアフリーeスポーツプロジェクト〜人と人の心をつなぐ〜」の感想レポートをお送りします。
一部ハプニングはありましたが、とても楽しいイベントとなりました。その内容を報告したいと思います。

ライブ配信のアーカイブはこちら(【HEART × ePARA】バリアフリーeスポーツプロジェクト ~人と人の心を繋ぐ~【フォートナイト】

「Heart×ePARA バリアフリーeスポーツプロジェクト〜人と人の心をつなぐ〜」とは?

このイベントは、Fortniteをメインに活動するクラン「Heart(ハート)」と、eスポーツを通じ障害者の社会参加や就労を促進する「ePARA(イーパラ)」による共同企画で、「eスポーツ×教育」に着目したイベントです。
障害者×健常者、被災経験者×一般参加者、親子といった様々な形でペアを組み、デュオマッチ3試合、スクワッド(4人で一組のパーティー)マッチ1試合の全4試合を戦うという、他に前例のないスタイルで行われました。


私は、成人向けFortniteコミュニティ「正夢塾」の塾長を務めるいっちーさんとペアを組み、同じくBlind Fortia所属メンバー・ひだりぃさんは、Heartクランのオーナー・はとぽぽさんとペアを組んでいらっしゃいました。
プレイヤー以外にも、「バリアフリーアンバサダー」の任を拝し、さらに実況解説者として当日のイベントを盛り上げるという、大きなチャレンジの機会をいただきました。

試合のルール

全4試合は主に、以下のようなユニークで新しいルールで行われました。・第1試合:「バリアフリーバトル」(建築なしのAIM勝負)
・第2試合:「Heartサポートマッチ」(ペアのどちらかが攻撃のみ/建築・回復のみ)
・第3試合:「デュオコネクト」(通常デュオ)
・第4試合:「手と手」(デュオを埋めてスクワッド)
これらのルールは、イベント専用サーバーにて段階的に発表されました。

期待と不安が入り混じった数週間

今回1試合目のルールだった「バリアフリーバトル建築なしのAIM勝負)」に関しては、他のカスタム主催者も一度は検討したことがあるのではないでしょうか。
しかし、2試合目の「分業制」というルールは、私も初めてでした。イベント当日は、シーズンもチャプターも変わり、マップも武器やアイテムもガラッと変わってしまう可能性があって、チャプター2が終わる前にルールを知った私たちは、うまく進行できるのか、うまく説明できるのかという不安で胸がいっぱいでした。他の参加者さんもかなり不安だったと思います。
私は、それに加えて、日本初…いや、世界初かもしれない全盲解説者として、新しいアイテムの名前と音をどこまで覚えられるかという不安もありました。
実際にチャプター3が始まると、登場した武器の音がこれまでよりリアルになっていたり、新しい回復アイテムが出てきたりする中で、完全分業制で戦う2試合目はどんな流れになっていくのかを想像して、不安よりもわくわくと期待が大きくなっていきました。

量より質で臨んだ当日

私といっちーさんは3・4試合目にプレイヤーとして参戦することになっていましたが、二人そろっての練習は、チャプター2-シーズン8の期間中とチャプター3が始まってからの期間でほんの3~5回程度だったかと思います。
その中で印象に残っているのは、初顔合わせのデュオでビクロイを取ったシーンです。
【初顔合わせ時のビクロイシーンの動画ツイートはこちら(いっちーさん視点)】

チャプター3開始直後には、実況解説/運営メンバーでスクワッドを組んでプレイしながら新要素を確かめる時間を設けていただいたり、実況解説の練習の時間を作っていただいたりしました。その中で私は、練習量よりも、音の大切さをどれだけ伝えられるか、イベントそのものをどれだけ楽しめるか、コミュニケーションをどれだけ多くとってどれだけ長く生き残れるか等、「量より質」を大事にしようと決めてイベントに臨みました。
実況解説も、全盲ゲーマーの視点からどれだけ情報を伝えられるかバリアフリーeスポーツをどこまで広められるかといったことを重視しようと決めて臨みました。

各試合の感想

ここからは、前半(1・2試合目)と後半(3・4試合目)に分けて感想をお伝えします。

1・2試合目の実況解説

前半は、メインMCのけろりんさんとともに実況解説にチャレンジ。
私は、話しすぎず黙りすぎず、ということだけを心がけていたのですが、シーズンが変わって数日でアイテムの音と名前・内容を把握でき、すぐにお伝えすることで会話も弾み、場を盛り上げることができました。
また、Fortia関係者をはじめ、知り合いの視点を少し観戦することができ、どんな人なのかをまとめて紹介することもできたので、今振り返ると、初めてとは思えない実況解説ができたと感じています。
この2試合で印象に残ったのは、第1試合の前半でハートの形の建築物を作ったペアの視点を2回も観戦したことです。

建築で完成したハートの形

敵がすぐ近くにいてもしっかりと「ハート」を作っていたそのプレイヤーは、きっと誰よりもリラックスして、目をキラキラさせながら楽しそうに作業をしていたんだろうなと思います。ハートと言ってもいろいろなパターンがあるので、大きさや角度等こだわりはあったのか、少しでもお話を聞いてみたかったです。
また、1・2試合目で連続ビクロイを獲得したペアへのインタビューが十分にできなかったので、どこかでお話を聴けたらいいなと思っています。


3・4試合目 プレイヤーとして参戦

イベント後半はいよいよプレイヤーとして参戦。スクリーンショットが取れておらず自分のチャンネルでの配信もしていなかったため、記憶があいまいな部分がありますが、覚えている限りお伝えしたいと思います。


3試合目は「デュオコネクト」。縛りなしの通常マッチです。
私たちは、安全地帯の範囲の中心付近でぎりぎりまで身をひそめる作戦を実行しました。
地形が複雑なエリアでの移動には4人まで乗車可能なトラックを使用しました。
コミュニケーションをしっかりとりつつ、私は全神経を集中させて周りの音から情報を集めました。


接敵したシーンは、私は攻撃ではあまり貢献できませんでしたが、敵の気配を感じたりレア度の高い武器が入手できる色付きカラスを音で見つけたりと、情報収集では練習の時以上に貢献できました。
相方のいっちーさんは、毎回適格に指示を送ってくださり、接敵シーンでも最後まで大活躍でした。


1パーティー壊滅させた以外はほとんど身をひそめる作戦を続けることで「最低トップ25、トップ10に入れたらラッキー」という目標を達成。参加者79人中7位でフィニッシュすることができました。


障害者×健常者のペアの中では一番生き残れたのではないかという話も出るほどの好成績にいっちーさんが気付いてくださり、二人で称え合ってこの試合は終了しました。

最後にまさかのハプニング

4試合目は「手と手」。二組のペアがランダムに組まれた4人パーティーで行われる、いわゆる「野良スクワッド」形式での試合です。
どのペアと合流できるのかドキドキワクワクしながら準備を進めるも、スタートのタイミングでまさかのハプニングが!

なんと、このタイミングで自宅の回線が不安定になり、通話もゲームも視聴していた配信も、全て切断されるというトラブルが発生してしまいました。


私は、ショックで頭の中が真っ白になり、申し訳なさで胸がいっぱいになりましたが、いっちーさんも運営の皆さんもとても温かく声をかけてくださり、回線復活後は二人で実況開設側に合流しました。けろりんさんと、1・2試合目のプレイを終えたひだりぃさん・はとぽぽさんペアと共に5人で試合を観戦することになりました。


この試合では、シールド回復アイテムが必要だという話をした直後にその時観戦していた視点ですぐそばに宝箱があることに気づいたり、開けた宝箱から必要なものが出現しなかったりといったシーンがあり、その情報を私がほぼすべて共有したので、他のメンバーが驚きの声を上げていたのが印象的でした。


また、この試合でもハート型の建築物を作っていた参加者の動きをみんなで見ることができ、心を落ち着かせることができました。


ビクロイインタビューでは、チームメンバーの神連携があったことを知り、チーム戦の魅力を実感し、それを伝えることができました。

全体の感想

最終試合のハプニングも含めて、最高の時間でした。


全試合で見られたハート建築、嵐に飲まれて体力を奪われてもなんとかして味方を助けようとしたプレイヤーの行動、最後のビクロイチームの連携プレイ、実況解説メンバー全員そろってのトークに、チャット欄に書き込まれた温かいコメント。


このような素敵なイベントは、これらの要素のどれが欠けても成り立たないものだと思います。


対面で一緒にプレイしていた親子の連携だからこそ生まれた勝利もありました。
このような「愛と優しさと楽しむ心」に満ち溢れたイベントが増えていけば、障害の有無も人種も年齢や性別も関係なく、みんなで助け合っていける素敵な世界への道が切り開けると思っています

1回限りで終わらせてしまうのはもったいない。心からそう思えた、最高のイベントでした!

まとめ

10月の国分寺青年会議所主催のイベントに引き続き中心となって動いてくださったHeartクランの皆さん、私たちePARA/Fortiaメンバーの相方になってくださった皆さん、応援してくださった皆さん、他の参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

連日の寒さに加えコロナ禍でなかなか思うように動けないご時世ではありますが、前を向いて、一緒にバリアフリーeスポーツを広めていきましょう。

参考URL

本記事に関するお問い合わせは、バリアフリーeスポーツePARA問い合わせフォームまでお願いいたします。

いぐぴー

twitter:@Fortia_Iguppy

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