ePARAを支える人たち インタビュー

ゲーム歴なし・障害なしのママさんスタッフにインタビュー~eスポーツ・障害・そしてePARAへの思い~

バリアフリーeスポーツのePARA(イーパラ)といえば、障害や難病を抱えながら、eスポーツプレイヤーとして活動したり得意を活かした分野で活躍したりと、「自分らしく輝く」当事者が集まっているイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、ePARAのwebメディアを運営するePARA編集局には、自身には障害がなく、ゲームもしない、ゲーム歴もほとんどないというメンバーもいます。

そんな非ゲーマー・非障害当事者の編集局メンバーは、バリアフリーeスポーツePARAをどのように見ているのでしょうか。

今回は、双極性障害のママゲーマー・彼岸花が、座談会でePARA編集局のみなさんに、普段の仕事やePARAに対する思いをうかがいました。

座談会に参加した編集局メンバー

編集長・ゆっこさん

ショートカットの女性がカフェで食事をしているアイコン

AUBA担当・りみこさん

麦わら帽子を被った女性がカップを持ち海を見て佇んでいるアイコン

校正補助・すぎさん

髪の長い女性が森林を背景ににこやかに佇んでいるアイコン

チーフライター・彼岸花

茶色い髪の長い女性が槍を持っているアイコン

育児×仕事で大忙し!?

いくつもの顔を持つ私たち

彼岸花:それでは本日はよろしくお願いします。まず、自己紹介がてらにePARAでの仕事の内容とそれ以外に普段何をしているのか、教えてもらいたいです。

ゆっこ:私は英国マンチェスターにて8歳、5歳、0歳の3姉妹を育てながら、編集局で校正担当をしています。校正と言っても実際は校閲や編集まで含めた作業になることが多く、ライターさんの思いをたくさんの方に読んでいただけるよう努めています。
また、私も毎週Fortiaの定期ミーティングに参加して議事録を作成しているほか、部活動である私立ePARA学園に参加して活動記録を残す仕事もしています。距離と時差がありながらもお仕事ができるのはテレワークだからこそ。日本にテレワークが定着してくれたおかげです!

りみこ:私は完全在宅勤務で、コンサルティング会社のバックオフィスをしています。コーヒーを飲みながら、夫・息子1・娘1・犬1と一緒に暮らす毎日です。ePARAでは主に、AUBAという共創プラットフォームでePARAページの窓口を担当しています。(参考記事:AUBA活用事例インタビュー eスポーツで障害者支援)
こんな企業と共創したらePARAがもっと面白いことできるんじゃない?と日々考えています。余裕があるときは編集局にチラリとお邪魔して、校正を手伝ったり、記事公開の進捗管理表を眺めて、「うわーいっぱいある!」とひとりごとを呟いたりしています。

すぎ:私は個人事業主として英日翻訳をしています。翻訳といっても多くの人が想像するような書籍や映画字幕ではなく、海外企業が英語で作成したウェブサイトや営業用資料などのマーケティング素材が中心です。企業のYouTube動画の字幕も時々担当します。ゲーム案件も何回か担当しましたが、慣れない分野で苦労しました。例えば「ダンジョン」という言葉はその時初めて覚えました(笑)。ePARAでは、本業の合間に校正業務を手伝っています。プライベートでは2人の小学生男子の母です。

彼岸花:ここにいる全員が母親でもあるんですね!

ママ×ゲーム×ePARA

彼岸花:私以外のみなさんはゲームをプレイしないと聞いています。お子さんはやったりもするのですか?

すぎ:私は子供の頃そんなに強くゲームを欲しいとは言わなかったので、親が買ってくれなかった系の人間なんです。​​なので、うちもまだ子供に買ってないんですよ。でも子供が小学生の男子2人なんで、周りはみんなNintendo Switchをやっていて、ことあるごとにSwitch欲しいっていう感じで…。そろそろ動きそうかな?と考えています。ゲームの世界は完全に未知の世界だったのに、ePARAと関わることで気持ちが少し変わったかもしれません。

りみこ:最近息子がマイクラ実況のYouTubeにはまっていて、私は息子のマイクラの話を理解するのに必死です(笑)。​​ePARAにはその師匠たちが集まっているので、ぜひ息子にご教示願いたいです。人はわからないものには怖がったり近づこうとしなかったりすると思うのですが、それはゲームもそうだろうなと。​​自分が経験したことがないから、敬遠しちゃうのはあるのかなと思いました。ママさんたち向けに「ゲームやろうよ!やろうぜ!」みたいな動きがあったらいいかもしれません。

彼岸花:ePARAに関わることで​​ゲームに対する心の壁が取り除かれたのですね。うちは勉強やお手伝いをするとSwitchができるというルールがある上でやらせているのですが、子供がゲームや動画を楽しんでいると、仕事や家のことがちょっとしやすくなります。留守番もできるようになりました。それにほかのお子さんとも一緒にやりますしね。

ゆっこ:そうですよね。​​​​私たちの頃もそうでしたが、ゲームはコミュニケーションツールですよね。やるだけでなく、観るという遊びもあるし。​​うちでは娘たちの学校が休みの時は、ePARAの部活動でみなさんがゲームをしているのを一緒に観たり、ePARAメンバーが出た大会動画を観たりします。「目が見えなくてもこのゲームやってるんだよ」と娘たちに教えると驚きますし、大会の動画を見せて「これePARAのメンバーだよ」って言うと「どういう障害があるの?」という質問があって、その障害について少しずつ理解を深めていくので、この後の彼女たちの人生に良いエッセンスになるかなと思っています。ゲームについても障害についても、まず少しでも知るというのは大事な一歩じゃないでしょうか。

私たちから見たePARAの姿とは?

障害や難病がありながらも輝いている人たち

彼岸花:みなさん、本業のかたわら、eスポーツを通して障害者就労につなげるePARAに関わり、何か感じたことなどありましたか?

すぎ:eスポーツが就労支援につながる、というのはまったく想像したことがありませんでした。IT関連のテクニックだけでなく、コミュニケーションや問題解決といった多様なスキルがeスポーツに絡んでいることに初めて気づかされ、目からウロコの出会いでした

彼岸花:確かに、目からウロコの発想ですよね。自分もお話を聞いたときにびっくりしました。

りみこ:娘は、左手の障害、メガネ、食べ物アレルギーがあり、人と違うことが当たり前で育ってきました。この前、娘も一緒にePARAのイベントに参加させてもらって、車椅子の方や全盲の方に初めて接しました。今後も交流してもらえたらうれしいなと思います。

彼岸花:身近な人に障害があると、より考えるところがありますね。

ゆっこ:ゲームもミーティングもオンラインでやりとりしていると、みなさんが障害当事者であることがわからなくなる時が多々あります。部活では本当にみなさん楽しそうに切磋琢磨していますし、Fortiaでは冗談や雑談を交えながらいろんなプロジェクトにチャレンジしています。でも実際は、それぞれがいろいろな障害や難病を抱えていて、それが垣間見えるたび、ゲームの上手さや前向きな姿勢に、大げさでなく尊敬の念をいだきますね。私も頑張らなきゃと思うし、娘たちにもこの先どんな困難があっても自分の好きなものに一生懸命取り組んでほしいなと思ったりします。

すぎ:編集局でも業務用チャットツールでやり取りしていますが、そこでのコミュニケーションを見ている限り、誰が障害当事者で誰がそうではなくて…というのが気になることがまずありません。こうしたツールを活用すれば、障害を持つ方々が活躍できる場はもっともっと増えるだろうと確信しています。

彼岸花:ゲームが得意な方は特にツールの活用が上手な傾向があるようです。時短やテレワークなら働ける方も多いかもしれないですね。

「挑戦と寛容」と否定をしない空気

彼岸花:みなさんほかの仕事も経験された上でePARAの仕事をしているわけですが、ePARAに対して感じることや思うことはありますか。

りみこ:ePARAはみんなのアイディアを生かしやすい雰囲気があると感じます。否定されない空気といいますか。また、「マイノリティがマジョリティ」というのを当たり前に感じられる場所だとも思いますね。私はゲームのことはよくわかりませんが、ePARAの記事を面白く感じるのは、そこに一人一人の人生が見えるからだと思います。

彼岸花:みなさんの記事、面白いですよね。そして何より楽しんでいる。

すぎ:ゲーム好きの人がゲームを介して集まっているからでしょうか、なによりみなさん本当に楽しそうです。プレイするジャンルもタイトルも、お持ちの障害や病気も多様でありながら、チームとして応援し合っている温かさを感じます

ゆっこ:ePARAが大切にしているのは「挑戦と寛容」なのですが、ePARAではまさにそれを感じますね。りみこさんの言うように、誰かが「これはどうかな?」って言ったことに否定するというスタンスがまずない。そして挑戦して失敗して思い通りにならなくても、やってみたけど無理でしたってなっても、「じゃあこうしよう」と一緒に考えてくれる度量があります。ePARAはeスポーツ×障害×就労支援のパイオニアなのでまだ手探りなところもありますが、それを楽しみながら成長していくのにこの「挑戦と寛容」というスタンスがベースとなっているなと感じます。これは子育てにも社会全体にも直結する考え方なので、私も大切にしたいと思っています。

彼岸花:全くその通りで。自分も子供たちの世代に、より寛容な社会になって欲しくて、こう言った福祉の活動に興味を持っています。「挑戦と寛容」を大事にやっていきたいですね。

ゆっこ:そうですね。ePARAはゲームにしても障害にしても「認め合う」という姿勢が根底にある場所です。だから私たちも、ゲーマーじゃないし障害当事者でもないけどここに参加してていいんだと思えますね。

ePARAと関わり感じるやりがい

彼岸花:実際に記事を仕上げる仕事をしてみてどうですか?

ゆっこ:ePARAの新しい記事を読む時はいつもワクワクします。ライターのみなさんの気持ちがそのままそこにある感じがして。編集する際も、できるだけその気持ちに沿うように記事ひとつひとつと向き合っています。実際は0歳児を片手で抱きながら仕事していることも多く、頭を捻りながらやっていると時間がかかってしまうのですが、そうやって校了した記事がアップされると毎回嬉しくなりますし、やりがいを感じます。

りみこ:確かに、校正はライターさんの思いが伝わってきて、貴重な仕事だなと思っています。思いが正確に読み手に伝わるように心がけています。

彼岸花:自分は社会人経験もあり、健常者の時期もそれなりにありながら病気で障害者になったからこそ、障害当事者の気持ちも非当事者の気持ちもわかるつもりです。
ePARAの記事を読んで「障害があっても自分らしく好きなことをしていいんだ」と感じたのは確かにありました。ゲームが好きなことなので勇気づけられました。

最後に

彼岸花:では、座談会の結びとして、これからePARAでやりたいことなどを伺ってもいいでしょうか?

すぎさん:微力になってしまうかもしれませんが、みなさんの熱いストーリーを発信するお手伝いができればと。障害やゲームに関する情報を社会に発信するからには「発信するぞ」という気持ちを持って携われたらいいなと思っています。障害やゲームをよく知らない人の視界がちょっと広がるような、そういう手伝いができたらいいですね。

りみこ:みんながもっともっと面白いことをできるように、環境を整えていきたいです。​​メディアの特性とePARAがやろうとしていることの相性がいいとも思っています。
今まで知る機会がなかったeスポーツや障害者の領域で、ePARAのメディアを通じてどんどんと壁をなくしていくという、すごいところに関われてるんだなあというワクワク感があります。
新しい世界を作っていく、だとちょっと大きすぎるワードになっちゃうんですが、みんなで壁を壊していけたらいいですね。

ゆっこ:障害などについて、ケアをするところはあっても心のバリアを張る必要はない。そう気づくためには「知る」ことが大事で、そのお手伝いが記事を発信することでできればいいなと思っています。たくさんの方が記事執筆の実績を作れるように支えていきたいです。また、編集局にとどまらずePARAに関わるみなさんがありのままの自分で輝ける場所を作るお手伝いをいろいろとしていきたいです。それを通して、私自身も時差や子育て中という条件を抱えながらも、それも含めた「ありのままの自分」で輝きたいなと思っています。

彼岸花:自分もライターや編集局のメンバーとしてePARAのサポーターの一人でありたいです。webメディアを通して、障害当事者の方々がゲームを通して楽しく生きていけるヒントのようなものを発信して行けたらな、など考えています。みなさん、それぞれの場所でそれぞれのスキルでePARAを陰から優しく支えていく感じですね。今日は、素敵なお話をありがとうございました!

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