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プレイレポート 障害とゲーム

メタバース×障害を考える②解放される性別と心 ~その先で見た本当の自分と、逃げた先で授かった宝物~

先日マツコ会議でも話題となったメタバースの世界。前回の記事では実感したメタバースの効能や、VRchat体験・VRとMMOの世界の違い、それぞれの良さを紹介させていただきました。第二弾となる今回の記事では、もう少しだけメタバースの世界で解放される性別や心について掘り下げます。いまだにMMOはゲーム廃人の世界で、VRは近未来だと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しく思います。

メタバースの世界で揺らぐ本当の自分の性別

メタバースの世界ではまずアバターを作ることがほとんどでしょう。そしてまず考えるのは、そのアバターの性別です。筆者はネトゲ初心者の頃は「異性の体を使う」ことに抵抗があり、本当の性別を詐称しているような気持ちもあったため、女性のアバターばかり使っていました。ですが「異性のアバターを使うことはおかしいことでもなく普通である」と学習し、徐々に男性のアバターに流れていったのです。そして感じたのは開放感

男性の名前と体で過ごしていると、やはりぱっと見は男性として扱われ、見知らぬ男性らしきプレイヤーから声がかかることが減ったのです。以前よりも純然たるゲーマーとして扱われているようで、時に女性プレイヤーを助けるようなプレイをしていくうちに「本当の自分のやりたいことや気持ち」が見えてきてしまったのです。性自認の気づきでした。元々活発な女性として生きてきた自分の本当の姿が見えてしまいました。

筆者が愛用する男性アバター

メタバースで使う肉体の性別に引っ張られることもあるかもしれませんし、また本来の性別に戻ることもあるかもしれません。現在も時々女性の姿を使うものの、多くは男性に見える姿を使っています。そのほうが嘘がないようにすら感じます。肉体は女性であるとしっかり受容しているからこそ、遊びぐらいでは男性でいたいのです。

肉体からの解放、本当のジェンダー

本当のジェンダーは男性だったのにも関わらず、肉体がある故に女性として生きねばならない。性同一性障害というほどではありませんが、肉体が心の枷になっていたことに気づいた筆者。メタバースはそこから解放してくれる世界でもありました。

「バ美肉」といって美少女アバターに受肉するといったことがよく言われていますが、その中にも本当の性自認を謳歌している人がいるのかもしれません。いえ、純粋にその姿を気に入って使っているのかもしれません。どちらでも良い、メタバースの世界は好きなものにもなりたいものにもなれるのです。男性だって女性になっていい。女性が男性になってもいい。もちろんそのままでもいい。

そして、好きな姿や性別になれるように、自分は病人ですと言わなければ病人とも扱われませんメタバース内では障害者として差別されたり縮こまる必要もなかったのです。上部だけでも健康な人と同じになれるのです。

障害も病気もなかったことにできる世界

筆者は双極症(双極性障害)という脳の病気があり、統合失調症と並ぶ二大精神疾患と言われています。人によっては少しハイになってしまったり、つらい鬱になってしまったりして発症後の人生を大きく変えてしまう病気です。もしこの病気の人が周りにいたら、精神疾患のない人はどう思うでしょうか?

「なんか怖い」

「どう扱えばいいのか」

「躁状態になってすごいことをするんじゃないか」

しっかりと治療をし薬を飲んで落ち着いている人は、筆者のようにだいたいは元気がなく、時々元気でいるような病状ではないかと思います。ですが、そういった人ほど自分が双極症であるとはなかなか言わないので、人を傷つけるとか犯罪を犯すとかの極端な症例が思い浮かびがちです。現実でも重い精神障害に対して偏見があるのは明白で、まだうつ病だと思っていた頃にカミングアウトをしたら縁を切られたこともあります。以前職場で調子が悪くてうつ病かも?と話したら「精神障害者なんだな」と差別的なことを言われたこともあります。

現実の世界は精神疾患患者にとって世知辛いことも多く、各種障害・病気の方々も少なからず同じような目に遭っていると思います。無理解・無知からくる健常者からの心ない言葉に傷ついた方もいるのではないでしょうか。

ですがそれも、メタバースでは自分で作成したアバターを使用、そのアバターは病気もないし障害も抱えていません。その仮想の肉体に自分の心を宿して思い思いに活動する。病気は治りはしないけれど、病気が治ったかのように振る舞えたのです。それは本当に病気に蝕まれた肉体からの解放でした。そして病気だと言いもしなければ普通の人として自分を扱ってくれることもまた心地がよかったです。メタバースでは女性でも病気でもない自分になれたのです。

メタバースは病気でも受け入れてくれる

筆者は普段、運動や家事のかたわら、あれば軽く在宅で仕事をしているのですが、基本的にはストレスや疲れから体を守るためにベッドの上でゆったりと作業をしています。座り姿勢だと少し疲れやすいからなのですが、そんな人間でも走り回れる世界、それがメタバースです。

MMOが流行っていたころに始め、それはそれは衝撃的でした。当時はまだ会社員でしたので、毎晩帰宅して家事が終わったら狂ったようにオンラインゲームの世界に飛び込んでいたものです。自宅療養になりながらもさまざまなMMOを経験し、FF14新生エオルゼアがサービス開始されるとそちらに飛びつき、日がなログインしていたものです。病気で動けないからこそ、その世界が病床の外でした。そして今はVRの世界もVR酔いの洗礼とともに病気の私を受け入れてくれます。

FF14の世界の青い海で同じ方向を見つめる人々
友人たちと仮想の世界の海で遊ぶ

世間にはさまざまな障害を抱えた人が日々暮らしていますが、メタバースの方が少しだけ障害のつらさや生きづらさが軽くなるかもしれません。バリアフリーでもあります。

そしてのびのびと過ごしているうちに、病気が軽くなったり障害が少し楽になったりというのも、実体験としてあります。そして授かった宝物。

メタバースに逃げたからこそ生まれた宝物

会社員時代に疲れやストレスで病気を発症し悪化させ、いっきに10kg体重を落として倒れ、そして再起不能になってしまった過去があり、完全に心が折れていた時期もあります。メタバースへの旅立ちは、そんな現実からの逃避だったのです。
そして、病気だけれど病気のことを忘れて過ごす仮想現実は、確実に心身を癒してくれ、結果として長い付き合いだったパートナーとの間に子供を授かりました。妊娠は絶望視していたものの、仕事を辞め、休み、少しずつ回復していくなかで無事に女性としての肉体の機能も戻り、妊娠できたのです。会社員時代にはストレスで生理が止まり、女性機能が長期間なくなっていたことを考えると素晴らしいことです。授かった赤ちゃんは無事生まれ、もう大きくなってきました。

赤ちゃんが白いおくるみにくるまっている写真
逃避した先で授かった宝物

その子供も言います、「大きくなったらママとファイナルファンタジー14をやりたい」と。

母親がメタバースに逃げたことで癒され生まれた子供も、いつかメタバースの世界に共に立っているかもしれません。仮想の世界が良い形で発展することを願います。メタバースとしてMMOもVRもこれからどんどん発展していくなかで、人々の幸せも醸成されていくと、筆者は確信しています。

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彼岸花

双極性障害ママゲーマー彼岸花です。双極性障害は一生のお付き合いとなる精神疾患ですが、受け入れながら育児!家事!気晴らしにゲーム!時々元気に時々休みながらエンジョイしています。

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