プレイレポート 障害とゲーム

メタバース×障害を考える①本当の自分を解放する効能 ~VRやMMOがもたらす新たな世界~

昨今頻繁に耳にするようになった「メタバース」という言葉、eスポーツやインターネット・ゲームに詳しい方は既にご存知かもしれません。これは「仮想の空間で人々とのコミュニケーションやさまざまな活動ができる世界」のことで、従来からあったMMOもその一つとされています。特に最高のゲーム体験を提供し国際的にも上位のプレイヤー数を誇るFF14などもそうでしょう。
そして最近、VR(Virtual Reality)によるメタバース空間での体験が話題となっています。今回は、VRを自宅で楽しめる「 Oculus Quest 2 」を購入したePARAライターの彼岸花が、2回に渡り、VRの魅力についてお送りします。第1回はVRchat体験談とVRとMMOの世界の違いについてです。

メタバースのイメージイラスト デザイナー:あまだれ

メタバースがマツコ会議でもテーマに

先日、マツコ・デラックスさんが時にズバッと、時に優しい言葉で盛り上げ人気を博しているテレビ番組「マツコ会議」でもメタバースがテーマとして取り上げられ、ネット上でも話題になっていました。番組内では、マツコさんが実際にVR機器を装着しVRchatを体験し、VRchat内にワールドを作りさらにはメタバース内で出会い結婚した方やVRコンテンツクリエイターの方が紹介されたりしていました。

そのなかでマツコさんもとても驚き面白いとおっしゃっていて、筆者もその番組を見て背中を押され、かねてより欲しかった「Oculus Quest 2」を思い切って購入し、VRchatの世界に飛び込んでみました。実を言えば、ゲーミングPCを所有していた頃に、VRは使用せずにデスクトップでプレイしていたこともあるのですが、再度あの世界に飛び込み、紹介されていたワールドにも遊びに行ってみたいと思ったのです。

昔より手に入りやすくなったVR機器

少し前ですと、それなりの性能のグラフィックボードを積んだゲーミングPCとVR機器の両方がないとVRは体験できなかったのですが、単独でもVRが手軽に楽しめる「Oculus Quest 2」の登場によりその状況に変化が起きました。高価なゲーミングPCがなくともVRができることにより、参入の障壁が大きく取り除かれたのです。Oculus Quest 2は3万7000円程度でしたが、これとスマホアプリだけでVRが体験できます。昔では考えられなかったことです。

アバターが映し出す「本当の姿」

マツコ会議でも話題になったVRでコミュニケーションがとれる無料のツール「VRchat」ですが、そこでは自分のアバターを設定し、好きな姿でメタバースの世界を歩くことができます。Oculus Quest 2ですと表示できる世界やアバターに制限があり、全てのアバターを使えるわけではありませんが、十分にその世界を楽しむことができます。

私は最初からVRchatで使用ができる初期アバターを使用していますが、これもPCがあり自分で調べて実行することさえできれば購入したり作成したりしたアバターを使えるようです。どんな姿を使うかはその人次第。実際のところ「バ美肉」という言葉(バーチャル美少女受肉、バーチャルの世界で美少女のアバターとして活動するという意味)もあるように皆さん一様に美少女ばかりかというと、全くそんなことはありません。怪獣の姿や筋肉モリモリの姿、変な生き物や小さなマスコットのような姿など多様な世界でした。皆さんきっと、なりたい姿や好きなものに受肉しているんですね。それが心が映す本当の姿かもしれません。

VRchatのマイルームでピクセルアート風の男性のキャラクターが写っている
筆者の利用しているアバターをVRchat内で撮影

筆者は今はピクセルアート風の動物らしいサングラスをかけた男の子のアバターを使っています。性自認が男性なので男性の姿の方が楽なのです。こうして自分の魂の性別でふらふらとVRの世界を歩いています。見た目から女性扱いをされず、安易に声もかけられないのでとても楽に感じます。

メタバースの世界の歩き方も自由だ

さて、とりあえず日本人がたくさんいる世界に飛び込んでみました。そこではアバターたちが集まり、井戸端会議をしている場面も見られ、VRchatがコミュニケーションツールであることを実感します。私はあまり人と話し込むよりも自分のやりたいことをやり、行きたいところへ行くのが好きなので、そういった輪に飛び込むよりも自分のペースで世界を渡り歩いていました。

途中で美しいワールドを歩いていたところ、宇宙人の姿をした外国人プレイヤーと遭遇、ややしつこく話しかけられるも残念ながら英語が苦手な自分は応えられず。それでも「ごめんね、英語わからないんだー」と素直に発言したら意外と意図が伝わったのか「ジャパニーズ!!??」と少し驚かれました。何か声をかけられたのですが、その後はそっとしておいてくれました。

そのワールドで眺めていた空はとても美しく、まるで外にいるようでした。そして、世界の人々と繋がっているんだと実感した世界でした。皆さんコミュニケーションを取りたくて絡んでくるだけで、そこに全く悪意などなかったことが印象的でした。(なかには迷惑プレイヤーもいると思いますが、そういった際は通報するなど然るべき対応をすべきかと思います。)

ウッドデッキから眺めている。目の前の大きな川の、手前にも向こうにも岸に沿ってビルが立ち並び、その後ろに山が連なっている。美しく大きな雲が空を流れ、少しだけピンク色に染まっている。
VRchatで眺めていた風景

メタバースの世界では、病気や障害があっても

筆者には脳神経系の慢性疾患があって体力面に難があり、ストレスや疲れにより容易に悪化するために安静にしていることが多いのですが、そういった病人もベッドの上で体を起こした楽な姿勢でVRの世界に飛び込むことができました。その世界で美しい夜空や晴れ渡った青空を眺めていると、ここは外なんじゃないかというほどの開放感。それだけOculus Quest 2で仮想の世界に没入できたのです。もう外の世界にいかなくても、旅行にいかなくてもいいかなと思ってしまうほどの体験でした。これからも無理なくVRの世界に開放感を求めダイブしていこうと思います。

きっと、何らかの障害や病気があっても、メタバースの世界では現実より自由なんじゃないでしょうか?マツコ会議でもプレイヤーの方がおっしゃっていましたが、肉体を超えて心で知り合い仲良くなれる世界は心身のバリアフリーでもあるのです。そして無理に人と仲良くしなくても、世界は一人で歩くことだって受け入れてくれるでしょう。

そして、本来の自分に戻れるという時間は、現実での自分も元気にしてくれます。それがかねてより感じてきたメタバースの効能でした。

課題はVR酔いか

筆者は車酔いもしやすく、子供の頃には3D酔いも。今もゲームで大きくカメラが動くと少し気持ち悪くなる「酔いやすい体質」の自分は、現在は酷いVR酔いで長時間遊ぶことができません。これはもう慣れるしかないんじゃないかと思い、休みながら遊んでいます。30分ほど遊んだらVRゴーグルを外してFF14をやって休憩しています。結局ずっとメタバースですね。

MMOもVRもそれぞれ違う良さのあるメタバース

FF14でお気に入りの服を着たアバターと自宅で

過去に2本ほどMMOやFF14に関する記事を執筆させていただいていますが、10年以上前からMMOというメタバースに馴染み、現実とは違った世界を歩いてきたからこそVR体験には大きなインパクトがありました。没入感といった「体験」の部分ではVRに軍配が上がりますが、気楽に遊べる点やVR酔いなどがなく身体が楽であること、すでに洗練された快適なシステムなどを考えるとMMOによるメタバース体験も全く引けをとっていません。優劣をつけるよりも、自分に合うものを楽しんでいくといいのでしょう。

MMOのなかで、本当の性別で気に入ったファッションを着こなし、自分らしい自分ですごし、落ち着く自宅でくらしていると、MMOは第二の自分の住む世界だと実感します。そして新たに開拓されつつあるVRの世界。二つのメタバースを心ゆくまで楽しもうと思います。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

彼岸花

双極性障害ママゲーマー彼岸花です。双極性障害は一生のお付き合いとなる精神疾患ですが、受け入れながら育児!家事!気晴らしにゲーム!時々元気に時々休みながらエンジョイしています。

-プレイレポート, 障害とゲーム
-, , , ,

© 2022 バリアフリーeスポーツePARA