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プレイレポート 障害とゲーム

寄り道思考で楽しむ!~ゲームのモチベーションを保つためのSui流攻略法~

こんにちは、Suiといいます。記事執筆はこれで3本目です。

(前々回の記事→「引っ込み思案Suiのシャドウバース徒然記」、前回の記事→「広凡性発達障害Sui フィットネスゲームでコンディションを整える」)


私は広汎性発達障害を生まれつき持っています。そこからくるこだわりの強さや、自分がやったことのない物事に強い不安を感じることが私の特性です。

それでも最近、ePARAで毎週開催されている部活がきっかけとなり、少しずつプレイするゲームが増えてきました。それと同時に、自分のゲームの癖がはっきりと出てきたと感じています。それは「自分でしっかりとプレイしているつもりでも、ところどころ認識できていない部分があるな…」ということです。

今回は、自分の特性とうまく付き合いながら色々なゲームを楽しむ方法について考察しました。

Suiイメージイラスト デザイナー:あまだれ

自分のキャラがどこにいるか分からない!

ゲームをプレイしていて「自分が今どこにいるのかを把握する」のが難しいことがあります。複数人での対戦ゲームや、格闘ゲームでの同キャラ対戦などで、自分の使っているキャラクターを見失うことがよくあるのです。同じビジュアルのキャラだと、2Pカラーでも見失うことがしばしば…。

格闘ゲームでの2Pカラーだと、「あれ、色が違うからこっちかな?」と対戦途中で気づいて対応できることもあるのですが、ボンバーマンオンラインでは自分の使っているキャラクターが分からなくなることも少なくありません。
最近になって、自分のキャラクターに青い縁取りがあること、ミニマップの星が回っている場所が現在地であることに気がつきました。

青く縁取られているのが自分のキャラクター。

「色が違うのに分からなくなるのは、なぜ?」と思うかもしれません。
自分なりに分析してみたところ、対戦中は1つの物事、例えば「技を出す」「敵の行動を読んでガードする」といったことに集中してしまい、キャラクターのカラーにまで意識が回らなくなるのでは、ということに思い当たりました。3つ4つの物事を同時に処理するのが苦手という私の特性が、キャラを見失う原因の一つになっているのかもしれません。

2Pカラーとキャラクタースキン

ご存知の方も多いかもしれませんが、本来自分のキャラを見分けることに役立つはずの2Pカラーについて、少しご説明したいと思います。

初期の格闘ゲームでは、同じキャラがその場にいるのは不自然だという理由で、対戦で同じキャラを使用できなかった時期がありました。その後、主に対戦要素がある格闘ゲームや音楽ゲームで、自分のキャラクターがどちらか分かるように2Pカラーの機能が使われるようになりました(PはプレイヤーのP)。2Pカラーのキャラクターが後に別のキャラクターとして扱われるようになるケースもあります。

「ストリートファイターⅤ」でスキンの色が異なる二人のキャミィが闘う様子。

カラーではなく、髪型や持ち物、コスチュームなどのスキンが変わる場合もあります。鉄拳などの3D格闘ゲームがその一例です。ソーシャルゲームでは、ハロウィンやクリスマスのコスチュームのように、時期によるバリエーションも豊富です。
また、スキンは課金以外にもさまざまな方法で購入できます。例えばストリートファイターⅤのキャラクタースキンは、ランクマッチや特定のミッションをこなしたりストーリーを進めたりすることによって貰えるファイトマネーで購入できます。単なる見た目の変化だけでなく、衣装を変えることで能力を上げたりスキルを得たりできるなど、装備を集めることで楽しみの幅が広がるゲームもあります。モンスターハンターシリーズやMMO、最近では一部のRPGなどでも取り入れられています。
モンハンの記事についてはニャーサエさんの記事(双極性障害のニャーサエが愛するモンスターハンターの世界)に詳しく書かれていますので、ぜひ見てみてください。

不安とこだわりを越えるカギは、楽しさと寄り道思考?

話を本題に戻します。キャラクターの位置をなんとか把握できるようになっても、一度始めた物事にこだわりすぎて視野が狭くなりやすいということ自体は、簡単には解消されません。こだわりの強さから、「こうやらなければいけない」という自分の中での縛りにとらわれがちです。また、「毎日続けないとできていたことができなくなってしまう!」と不安になり、むやみに自分でハードルを上げてしまいます。

たとえば、ストーリーをクリアすることや勝ち進むこと自体を意識するあまり、便利なショートカット機能があるのに見過ごしていることがあります。
直感で進めて、ある程度慣れてきたタイミングで、「あ、こういう機能がある、操作がある、もしくはこういう遊び方がある」と認識する。
「認識できていない」状態に自分だけで気がつくことは意外と困難です。他の人が同じゲームを遊んでいるのを見たり、攻略本やネット配信などによる詳しい説明を求めたりすることも、「こうやらなければ」という自分のハードルが下がらないとなかなか難しいものです。

今まで同じジャンルばかりプレイしていたのは、直感頼みの自分流の方法で操作を続ける状態を抜け出せないうちに先に進めなくなり、気持ちがしんどくなってやめる、ということを繰り返していたからかもしれません。

ゲームでの寄り道要素やミニゲームを気軽に楽しむことで、自分のモチベーションを保つ。それが、ゲームを緩く続けつつ、「こうあるべき!」というしがらみから程よく距離をとるために必要なことの一つなのかなと感じます。

大会に出て見えたこと

RAGE Shadowverse Winter予選に参加したことも、このような「寄り道思考」にたどり着くきっかけとなりました。予選敗退ではありましたが、普段のゲームの癖が大会でのプレイングにかなりはっきり反映されることをこの体験から学ぶことができました

普段どれだけ考え、ゲームを理解しつつ立ち回れているか。ShadowverseのようなTCG(トレーディングカードゲーム)でいえば、相手の次の動きを読んだり、自分が出せる打点の計算をしたりしながら動けているか。それが勝敗を分けるということを身に染みて感じました。認識できていないことがある、ということにはっきり気がついたことは自分にとって大きな一歩でした

「RAGE Shadowverse Winter」の予選結果

おわりに~バランス感覚を持つことの大切さ

普段ゲームをプレイしているときは、キャラクターの配置など見えていない部分がありますが、今回出場した大会では自分の弱点を見つけることができました。
ただやみくもにプレイするのではなく、目的意識を持ったり、しんどいときには休んで切り替えたりすること。たまにはキャラクタースキンを使ったり、寄り道したりしてみること。緩めるようにすることで、ゲームを「楽しく」続けることができ、結果的に勝ちにもつながるのかもしれません。楽しさと寄り道思考でバランスを取ることが、こだわりの強さからくるハードルを攻略してモチベーションを保つためのカギなのだろうと考えています。

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sui

生まれつき広汎性発達障害を持つ。イラストを描いて出展するなどの創作活動をしている。好きなゲームはシャドウバース。

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