皆さんこんにちは。盲目の戦士「なおや」です。
気づけば7月。私が鉄拳7というゲームを始めて半年以上が経過しました。
そして、5月にはバリアフリーeスポーツの挑戦・研究・発信を行うプロジェクトチーム「Fortia（フォルティア）」from ePARAが発足し、私もメンバーの一人です。
また、リリースと同時にFortiaのTwitterをオープンしました。そこではチームとしての日々の活動や、ブラインドeスポーツプレイヤーがゲームをするときの工夫や困り事を発信しておりますが、早くもたくさんの声をいただいています。
そんな目まぐるしい変化の中で、ふと私個人のTwitterには聴覚障害当事者のフォロワーが増えていたことに気づきました。
聴覚障害の対角線上にある「声優」という仕事
私はeスポーツプレイヤーのほかにも多数の活動を行っていますが、メインは声優・ナレーターです。つまり、声の表現をすることが私のメイン活動であるため、聴覚障碍者には分かりづらいところが多かれ少なかれあると思います。
視覚障害者がデザイナーやイラストレーターの本当のすごさを理解しづらいことと同じです。
2021年1月末から音声SNSのclubhouse（クラブハウス）ブームが巻き起こりました。しかし、聴覚障害者の方々は仲間外れにされた思いがあったと言います。その話を聞くと、インスタブームのときに視覚障害者たちが置いてけぼりにされたことを思い出します。
声を生業にする私と聴覚障害者は、なかなか交わることのない対角線上に位置していました。
GAMEクロスがきっかけで多数の鉄拳7プレイヤーと知り合えた
2021年1月に、全盲プレーヤーが鉄拳7大会に参戦 見えない相手に決めた魂のコンボという記事をGAMEクロスよりリリースしました。それはTwitterで多くのユーザーにシェアしていただき、私もできるかぎりそのツイートを検索していいねを押したり、リプライをしました。
その流れでフォロワーが増え、それ以降もePARAが盛んに動いていることや、プロジェクトチーム「Fortia」結成の反響もあり、障害の枠を超えて多くの鉄拳7プレイヤーや、過去に鉄拳シリーズをプレイしていた方とつながることができています。
プロフィールに「聴覚障害」や「難聴」の文字
多くのeスポーツプレイヤーやゲーマーと知り合う中で、プロフィールに「聴覚障害」や、「難聴」と書いている方が数名いました。その中にはたまにTwitterのリプライでやり取りをする方もいます。
私は、大学時代も会社員だったころも、縁があって聴覚障碍者と交流をしたり、仕事をすることが何度かありました。だからこそ当たり前だと思っていたのですが、彼らは私がeスポーツを始めたから共通の話題ができ、関わるようになったはずです。声優・ナレーターのままでは出会わなかったであろう人もたくさんいると思います。
鉄拳7がきっかけでアニメの話をしたことも
Twitterで出会った聴覚障害を持つ方とは、鉄拳7の話をずっとしていたのに、気づけば好きなアニメが同じでその話をしていたり、お互いの日常を話すようになったこともありました。
もちろん、eスポーツをしなくても出会ったかもしれないし、ゲームがきっかけでほかの話もするというのはよくあることです。
そうは言っても、改めてeスポーツを始めたことによって新しい出会いがあったことを実感しました。
eスポーツをきっかけにバリアフリーを
私が参加している「Fortia」from ePARAは、バリアフリーeスポーツに関するプロジェクトを行っています。それは障害の枠を超えてゲームを楽しむこと、お互いの障害をカバーしあって大会に出ること、いずれは障害以外の多様性にも目を向けて個々が活躍する環境を作ることなどです。
今回の経験を通して、それとは別に「eスポーツがバリアフリーを支える」ことが起こりそうだと私は思いました。eスポーツやゲームをきっかけにコミュニケーションが増えそうだなということは過去記事でも書かせていただきましたが、そのときよりも少し具体的にです。
バリアには、物理的なものと心理的なものがあります。eスポーツをきっかけに、心理的なバリアが少しずつ解消されていけばいいですよね。
eスポーツには、まだまだ可能性がありそうです。聴覚障害者のフォロワーが増えていたことを実感した私は、さらにワクワクしています。
