※(本題に入る前に)1月1日に発生した2024能登半島地震、翌日の飛行機事故により被災された新潟・石川をはじめとする北陸近郊のすべての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また犠牲になられた方々には心より哀悼の意を表すとともに、皆様の1日も早い平穏を願ってやみません。
去る2023年12月9日に新潟県新潟市、イオン新潟西店で行われた「福祉をもっとおもしろく!ーおもふくたんomofuku townー」。我が株式会社ePARA(ePARAユナイテッド)はeサッカー体験ブースに出演し、チームを代表してキャプテンとりちゃん、GM(ゼネラルマネジャー)の細貝、副キャプテンの私アフロが一路新潟へ向かった。
尚、この日はePARAにとってイベント目白押しday。
同日、神奈川県海老名市の今泉小学校で行われたイベントでは我がチームのなでしこメンバーが大いに盛り上げたという。その模様はこちらから。
会場のイオン新潟西店は4年ぶりの熱気に満ちていた!
本イベントは障害のある人とない人の垣根を下げることを目的に、新潟市社会福祉協議会や福祉事業者及び従事者、一般募集で集まった100名以上のボランティアの皆さんの協力により開催された。
3階は主にマルシェや子どもたちも楽しめる体験ブースといった様相。就労支援事業所の人たちが作ったクッキーや近隣のカフェで手作りされたベーグル、射的にスタンプラリーにトランポリンまで。
それは筆者が子どもの頃、祖父母の家に出向いた際に毎年通った地域の夏祭りを彷彿とさせた。
そんな会場内には、我慢の多かった日々の中でそれぞれに訪れた「嬉しかった出来事」や「新しい挑戦」を振り返ることができるコーナーも。
eスポーツの可能性は∞ ゲームで生まれるたくさんの笑顔
実はePARAユナイテッドと新潟市との関わりは、今回が初めてではない。2023年8月に同市主催で行われた「アソビでふくしに出会う夏」には、キャプテンとりちゃんと片手プレイヤーのはるが参加。
その縁あって9月のHCRには担当者が来訪、今回の協力にもつながった。
新潟市西区での体験型ゲームイベント「アソビでふくしに出会う夏」の企画運営に協力しました
今回もホテルや福祉タクシーの手配など、電動車椅子の受け入れに尽力して下さった現地スタッフの皆さんに感謝。
ところで、ePARAユナイテッドはこれまで、多くの舞台に導かれてきた。
ePARA CARNIVALや、J1のトップチームで2023年天皇杯王者である川崎フロンターレのファン感謝デー特別企画、直近では50回目の節目を迎えた2023年国際福祉機器展(H.C.R.)への体験ブース出展・トークセッションへの登壇など、折にふれて観衆の前でプレイする機会に恵まれた。
その度に痛感したのは、eスポーツが持つ無限の可能性。
「応援があるから頑張れる」
日常では何かと身体の自由が制限されることが多いけれど、ゲームというバーチャル空間の中でなら、存分に走り回ることだってできる。私たちのそんな姿を見て喜んでくれる人たちの存在。
今もなおたくさんの応援に支えられているからこそ、自分たちにもできることがあると気付いた。
2023年春からは特別支援学校(高等部)の生徒たちとの交流もスタートさせ、未来にタネをまく活動も行っているほか、フロンターレファン感謝デーの直後には共闘した平間小学校の子どもたちのもとにも出向き、関わりを続けている。
(舞台を)用意されるだけでなく、共に創っていく。
共創してこそ未来がある。舞台を求める側から、求められる側へ。
今回がその1(ファースト)ページ。
当日は午前・午後の2回のデモンストレーションを挟みながら、会場であるイオン(新潟西店)に来られた一般のお客様に順次私たちとのプレイを体験していただくというスタイルでブースを運営。
MCを細貝GMが務め、とりちゃんは参加者を活かすプレイを、Karaage選手に至っては操作説明まで。私アフロは場を盛り上げつつMCからの愛あるイジりをアシストするという、約束の役割分担。
急きょデモンストレーションに加わった方との連携も噛み合い、勝利した2試合目を多くの方が食い入るように見つめて下さっていたのも印象的でした。
ePARAユナイテッドが伝えたい想いー勝ち負けよりも大切なものー
「たとえ1-10で負けても、その1点を心から喜び合えるチームを!」
これは、創設当初からGMが繰り返し私たちに伝え続けている言葉。
プレイヤーとしては皆が「うまくなりたい!」という向上心を持ちつつも、劣勢でも下を向くことなく互いのプレイを称え合える。そんなチームが理想。
「勝ちよりも価値を!」
これはアフロギャグではなく、我がチームの共通認識。
年齢も性別も障害も健常も関係ない。その楽しさを直接伝えていく。
時間をともにするうち、目的は共有され、勝つために必要なたくさんのコミュニケーションが生まれていく。
そして、いつの間にか(関わりの)垣根が下がっていく。いい意味で曖昧になる。
男女の区別なく一緒にプレイできるのは、ゲームならではの良さ。
彼女たちから1番突っ込まれている私が言うのだから、間違いない。
あとがき ー現場で起きていたもう1つのFUKUSHI FESー
無類の子ども好きを自称するアフロは、盛り上がる会場の片隅で人知れずメロメロになっていた。
「関わりをもっとライト(気軽)に」
僕は関わりの入口でいい。
(関わる際の)気持ちのハードルをいかに下げるか。小難しい話は専門家の方にお任せして、とにかくその場で対話してちがいも同じも受け止め合えたら嬉しい。そんな気持ちで取材も楽しくお受けしました。
健常者に対する「障害当事者」
そんなふうに一括りにされたところで、1人ひとりの悩みはその人にしか分からない。だから電動車椅子に乗る私も会場でアフロを脱ぎ捨て、感覚過敏の方の日常を体験させていただいた。
こんなふうに、ポップで笑顔溢れる関わりを大切にしていきたい。
背伸びしない自然な対話こそ、人との距離を縮める近道だと思うから。
みんなで足並みそろえて感情豊かに。
今後の展開に乞うご期待!
(文:アフロ/ePARAユナイテッド所属、CB,#4)
Photo by 保塩(ePARA)/雅(現地カメラマン)
追記:ePARA編集局より
本イベントの様子がNHK「新潟ニュース610」の「清水がおじゃまします!」コーナーで紹介されました。次のリンクから記事版をお読みいただけます。
清水がおじゃまします!障害がある人とない人の"垣根を下げる"