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弱視の筆者がPlayStation VRを愛する理由

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この記事は、アメリカウェストバージニア州を拠点とした障害者のゲーム擁護団体The AbleGamers Charity が過去に公開したコンテンツです。
ePARA(イーパラ)は、The AbleGamers Charityより公式な許諾を受け、日本語訳を転載しています。

著者: Carlos Cruz Cordero (a game player with legal blindness ※1)
公開日:2019/3/20


This article was published by The AbleGamers, a disability gaming advocacy group
https://ablegamers.org
This is a translation of the article which we have received official permission to publish on our website.

Writer: Carlos Cruz Cordero (a low vision gamer)
Release Date:2019/3/20


※1 legal blindness:法的盲。アメリカの基準で矯正付で両眼20/200未満(日本の約0.1未満)の視力を持つことを指します。本文では伝わりやすさを重視し、一部、「弱視」として訳しています。

ePARAのイメージキャラクターであるクオッカが、今週のハイライト「弱視のゲーマーさんのVR体験レポートだよ!」を紹介するイラスト

PlayStation VRを買った理由

ロービジョンのゲーマーである私は、PlayStation VRを購入したとき、何を期待していいのか全くわかりませんでした。
PlayStation VRは、私がVRゲームに挑戦するための2つの大きな障壁の1つ、コストを打ち破ってくれたので、購入しました。
しかし、法的盲(legal blindness)の私にとって、その体験がどの様なものになるのかは全くわかりませんでした。
それでも「Astro Bot Rescue Mission」や「テトリス・エフェクト」のようなPlayStation VR対応のゲームが「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」にリスト入りする中、私はゲーマーとして「取り残された」と感じたくありませんでした。
誇大広告なのかどうか、自分の目で確かめる必要がありました。
そもそも、私はすでにPlayStation VR対応ソフトである『テトリス・エフェクト』を購入していました。
ソニーがPlayStation VR本体に「Astro Bot」と「MOSS」をセットにした非常に魅力的でお手頃価格の同梱版を発売したのを機に、私はPlaytation VRの購入を決めました。

結果、私はPlayStation VRの購入を一秒たりとも後悔したことはありません。
実はゲームをプレイする前から、私はPlayStation VRに好感を持っていました。
デバイスのインダストリアルデザインは合理的でした。
PlayStation VRは視力が低下した状態で使用することを前提に設計されています。
凹凸のあるスリープ/スリープ解除ボタンやヘッドセット底面にある突き出たボリュームボタンは、ヘッドセット装着時のタッチで簡単に見つけることができました。

いい感じです!

PlayStation VRを買ってよかった

初めてPlayStation VRを起動した時、最初のハードルになると思っていた照準設定をしたら、VRディスプレイの文字がこんなにも見やすくなっていることに衝撃を受けました。

VR映像以外の画面のサイズ調整を行う際、笑顔が止まらなくなりました。

サイズ「大」を選択すると、今まで見たこともないような大きな画面の前に座っているような気分になりました。
自分だけの映画スクリーンで2Dゲームをプレイしているような気分になりました!
端の部分にいくつかのブラーがありましたが、それは第一世代のPlayStation VRの限界です。

将来のバージョンでは問題になることは少ないと思います。

しかし、本当の試金石はVRゲームでしょう。
ふと気が付いたのですが、VRの多くは仮想世界と錯覚させる為に立体的な奥行きに頼っています。

一方で現実世界での私の奥行き感覚はひどいものです。

「Astro Bot: Rescue Mission」をダウンロードした当初、私の頭の中には自らの奥行き感覚への不安が頭を駆け巡っていました。
しかし、かわいいAstro BotがVRで頭の周りを走り回っているうちに、私は奥行きと面積がわかるようになっていました。
私の顔に満面の笑みが浮かんでいました。

映画のスクリーンで2Dゲームをプレイしているような気分に

「Astro Bot」の最初のステージが始まって、VRプラットフォームのゲームにおいて、もはやカメラ操作は必要はないことに気がつきました。
というのも自分自身がカメラだからです。
ゲームの中の仮想オブジェクトをもっとよく見ようと思ったら、歩いて近寄ればいいだけです。

この事は、「Moss」をプレイしてより明白になりました。
「MOSS」は、プレイヤーを操作しながら、まるで同じ世界にいるかのようにかわいいネズミ、Quillを観察するゲームです。
ネズミのQuillのすぐそばまで近づき、Quillが世界を縦横無尽にかけめぐる手助けをします。
それはまるで、ジオラマを見ているような感覚です。
ある時、私は気付くとQuillが走っていた自宅の廊下をよく見るために、ソファから降りてリビングの真ん中で膝をついていました。
ついさっきまで、大きなお城をキョロキョロしていたかわいいQuillが、今は自宅の廊下で私と対面しているのです!

これらのVRの世界を探索した後、私は画面のコマンドとテキストのわかりにくさで悪名高い「Red Dead Redemption 2」をロードしました。
私は50インチのテレビで「Red Dead Redemption 2」をプレイするのが大好きでした。しかしあのテキストには非常にイライラさせられ、ゲーム内の指示を読むために立ち上がって画面近くまで歩かなければならない時には、本当にゲームを中断しなくてはなりませんでした。
しかし、PlayStation VR内の巨大なMoveシアターサイズの画面では、私は同じコマンドをはるかに簡単に読むことができました。
数時間後、私は次の様な考えに行き着きました。
PlayStation VRは良い買い物だっただけでなく、私がやり残した2Dゲームをはるかに操作しやすくしてくれた、と。
ヘッドセットの中でうれし泣きが止まらず、目の前のグラスが曇ってしまいました。

まとめ

誰もがPlayStation VRで私と同じ体験をするわけではないことは分かっています。
視覚障害の程度は人それぞれです。
しかし私のような法的盲のゲーマーにとっては、PlayStation VRの体験は、VRパーティーで歓迎されているような楽しい気分にさせてくれました。

本記事の翻訳者情報

Atsushi

英語・インドネシア語を話すマルチリンガル。

7年前にADHDと診断され、現在は製薬会社にて社内翻訳者として就労中。

休日はサックスプレイヤーとして活動するという一面も持っている。

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