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代表インタビュー

家族で拓くプロの道!アワハウスカップ発のぷよぷよプロプレイヤーRiricky誕生秘話~障害を越える義兄弟の絆~

2022年1月30日、第4回大阪障がい者eスポーツ大会“アワハウスカップ”がオンラインで開催されます。それに先立ち今回は、第2回大阪障がい者eスポーツ大会“アワハウスカップ”の優勝者・Riricky選手と義理の兄・大山佳倫氏が生んだ絆の物語をお届けします。
小学生の頃からゲーム仲間のRiricky選手と大山氏。一度は距離が生まれた2人は、大山氏の結婚を機に再接近。今ではeスポーツの世界に飛び込んで二人三脚の挑戦を続けています。二人のがむしゃらに進んできた日々・家族の変化・思い描く障がい者eスポーツの展望をインタビューしました。

(インタビュアー:ePARA代表・加藤大貴)


左:Riricky選手 右:大山佳倫さん




義弟への想いから2人でeスポーツの世界へ

加藤:まず、自己紹介をお願いします。

大山:大山佳倫と義弟のRirickyと申します。2020年より障がい者とeスポーツを繋ぐための活動をしています。2021年7月にその活動が実り、株式会社アワハウスと日本初となるぷよぷよの障がい者eスポーツプロ契約を結ぶことになりました

加藤:なぜeスポーツの世界に飛び込もうと思ったのでしょうか?

大山:プロのeスポーツプレイヤーという進路選択を意識したことがきっかけです。Ririckyは支援学校卒業後、就労継続支援B型に通いながら将来の道を探っていましたが、就労することが難しい状況でした。その後、Ririckyが引きこもり状態になり、「現状をどうにかしたい」と模索しているとき、『ぷよぷよ』のプロプレイヤーがいることを知りました。「これだったら彼も活躍できるかもしれない!」と思い、障がい者プロeスポーツ選手になることを目標に掲げ、二人でeスポーツの世界に入りました。

加藤:1年もかけずにプロプレイヤーになる目標を達成するとは、とても早い展開でしたね。どのような思いで行動していたのでしょうか?

大山:小学生の頃、私はRirickyに障がいがあることを知りませんでした。彼の障がいを知ったのは、学生時代に彼の療育手帳を目にした時です。当時、昔のように声をかけても満足なコミュニケーションを取れないと感じることが増えていて、「やはり障がいがあったのか」と感じました。以降、私自身がRirickyを障がい者として見る心の壁をつくってしまい、自然と距離を置くようになってしまいました。一方で私は、彼の障害を知ったことがきっかけで関係性が薄くなったことに人知れず罪悪感を抱いていました。私はRirickyの姉と結婚してから「この関係性を戻したい」という想いが強くなり、一念発起して小学生の頃のような信頼関係を取り戻す行動をとることに決めました。家族にも「全力でやるので私の思うようにさせて欲しい!」とお願いしました。

加藤:大山さんがRirickyさんの力になろうと思い立ったいちばんのきっかけは何だったのでしょうか?

大山:きっかけは、Ririckyのお母さんが体調を崩したことです。2020年10月頃、彼の引きこもりがひどくなっていき、家族は彼への接し方がわからず、家族全体で不安定な状態が続いていました。そんな日々が続く中で、「このままではいけない、自分がどうにかしないと。義弟の力になりたい!」と決意しました。

家族全員で掴んだ優勝

加藤:どのような経緯でアワハウス社とのプロ契約を結ぶことになったのでしょうか?

大山: 2020年10月にRirickyが通い始めた就労支援B型の事業所で第2回大阪障がい者eスポーツ大会”アワハウスカップ”の存在を知り、出場を決めました。Ririckyはぷよぷよeスポーツ部門に出場して優勝。大会のメインスポンサーであるアワハウス社より「第3回大会で結果を残せばプロ契約する」旨のオファーをいただきました。万全に準備して望んだ第3回大阪障がい者eスポーツ大会”アワハウスカップ”では、優勝こそ逃したものの準優勝。こうして第2回、第3回の実績を評価され、2021年7月、念願のプロ契約となったのです。

加藤:優勝、準優勝と続けて素晴らしい結果を残したのですね!その時のRiricky選手はどのような雰囲気でしたか?

大山:Ririckyは、普段は感情を表に出しません。しかし優勝を決めた第2回のときばかりはガッツポーズで喜びを爆発させていました。一方、第3回の決勝戦で敗退した時は、かなり悔しかったようです。普段大事にしているコントローラーをいつの間にか投げてしまっていました。私たちにも彼の悔しさ・やりきれなさが伝わってきました。

加藤:Riricky選手のぷよぷよへの情熱がそれほどまでに大きいということですね。

「ゲーム=遊び」ではなく「eスポーツ」なんだ

大会に出場するRiricky選手と、プレイを見守る大山氏

加藤:目標である日本初の障がい者eスポーツプレイヤーになりましたが、大山さんはRiricky選手を支える上でどんな苦労がありましたか?

大山:私自身はサラリーマンで小さな子ども二人いるのですが、睡眠時間を削り活動していたので体力的にしんどいことが多くありました。また、当初、他の家族は「ゲーム=遊び」と捉えていたようで、私たちの熱意を正面から受け止められず、私一人でRirickyを支えているという気持ちが強くありました。こういった方向性の違いから、家族と衝突したこともありました

加藤:衝突を通してご家族に変化はありましたか?

大山:衝突をきっかけに、家族それぞれがRirickyに対する考えや思いを伝え合うことができるようになりました。結果としてゲームをただの遊びでなくRirickyが挑戦する「eスポーツ」として認識してくれるようになりました。今では家族全員でRirickyの活動を支えています。活動の意義や価値を理解してもらえたことで、私たちも精神的にとても楽になりました。

加藤:家族が「ゲーム=遊び」ではなく「eスポーツ」として真剣に考えてくれるようになったのはどんなタイミングでしたか?

大山:いちばんは、第2回大阪障がい者eスポーツ大会”アワハウスカップ”に出場して優勝したときでした。私たちの親世代は「eスポーツ」という言葉を知らないので、「Ririckyをeスポーツプロプレイヤーにする!」と伝えた時は、全く喜んでもらえませんでした。しかし、大会に出場しているRirickyを家族みんなで応援した結果、ゲームでドラマが生まれることを知り、自分たちも感動できることを知り、「eスポーツ」そのものの魅力を理解してくれるようになったのです。決勝戦は家族全員でテレビに釘付けになって応援し、優勝した時は家族全員が大喜びで大変な盛り上がりでした。その成功体験が、家族全体としての一体感につながったと思います。

▲第2回大阪障がい者eスポーツ大会”アワハウスカップ”決勝戦の様子

障がい者×eスポーツ×漫画が就労支援の架け橋となる

加藤:ところで大山さんは第2回esports BizContestのファイナリストですが、なぜ出場しようと思ったのでしょうか?

大山:eスポーツについて色々と調べる過程で、たまたま第2回esports BizContestの情報を見つけました。義弟の力になる活動と並行して、私自身の力を使ってeスポーツを少しでも盛り上げたいと思い、出場を決意しました。

▲第2回esports BizContest 大山氏が本選に挑んだスライド資料の表紙


加藤:eスポーツ×漫画のコラボレーションを企画されたと伺いましたが、テーマに漫画を選んだ理由を教えていただけますか?

大山:昨今eスポーツは盛り上がりを見せていますが、もともとeスポーツに関する知識が乏しかった私からすると、一部の有識者だけで盛り上がっているように感じていました。認知度が低く、世間からはマイナスイメージの強いeスポーツが、日本の代表的文化である漫画とコラボすることで、より広い世代の認知度向上とイメージアップにつながり、ひいては障がい者の個性を最大限引き出すことができる社会の一歩になるのではないかと考えたのです。

加藤:実現するとeスポーツの可能性は更に大きくなりますね。

障害の壁をなくして、eスポーツを更に盛り上げたい

加藤:Riricky選手は現在どのように活動されているのでしょうか。

大山:1日4時間、主にぷよぷよを練習しています。ゲームが大好きなので、ぷよぷよだけでなくパワフルプロ野球シリーズや、マリオシリーズなどもプレイしています。

加藤:プロ契約の内容として、ゲームを辞めてしまった時は他の業務に就く可能性はあるのでしょうか。

大山:基本的には、eスポーツプレイヤーとしてのみの雇用契約となっています。ゲームを辞めると就労できなくなる可能性があるため、パソコン業務等のスキルを身につけるように努力しているところです。

加藤:辞める時には配信者や別のキャリアパスを提示するなど、支援者側にも改善すべき課題がたくさんありますね。これからRirickyさんはプロプレイヤーとして活躍していくわけですが、どのような選手を目指したいですか?

大山:社会的インパクトを考えて、現時点では、SEGA公認の障がい者プロプレイヤーの第一人者を目指したいと考えています。

加藤:他に活動をしたいことなど、考えていることはありますか?

大山:日本でeスポーツが盛り上がってきていますが、大会は障がい者と健常者を分けて開催されています。それを混合・団体戦にすることで、障がい者が居場所を実感できる社会への変革を促すことができ、そこから可能性が広がり、障がい者の就労にもつながりやすくなるのではないかと考えています。
また、健常者の企業リーグはありますが、障がい者の企業リーグは存在しないため、今後作りたいですね。今は事業所で大会に出場している人が多いため、事業所ごとの対抗戦などもできるでしょう。障がい者の可能性を広げるためにできることはたくさんあるので、実現できるようにひとつひとつ努力していきたいです。

加藤:「障がい者の人たちを支えたい」という大山さんの想いを、今後どのような形で具現化していく予定ですか。


大山:全国には私とRirickyのような境遇の人がたくさんいます。Ririckyの場合、eスポーツプレイヤーとしての活躍が就労に繋がり、その努力や取り組む姿勢から感動が生まれ、結果として周囲の状況が変わってきていると実感しています。この経験をもっと世間に広めて同じ境遇の方々の支えになりたいと考えています。今後は西日本を中心とした障がい者支援事業を立ち上げたいと考えており、準備を進めています。また、私たちの活動は、Twitter:Riricky&Anicky(リリッキーとアニッキー)で随時発信しています。また、Ririckyの姉もeスポーツ×障がい者。障がい者を家族にもつ看護師が発信する情報サイトで情報発信を行っています。こちらも合わせて応援していただけたら嬉しいです。

まとめ:挑戦する舞台の大切さ

今回のインタビューを通して、大山さんのRiricky選手・障がい者に対する強い思いと、幼少期から時間をかけて醸成された義兄弟の深い絆が伝わってきました。特にゲームに真摯に向き合う姿勢が周りの反応を変え、決勝戦では家族全員で応援し喜び合ったエピソードは、私の心を熱くさせました。このような経験を多くの人が味わえる環境・挑戦する舞台を提供するのも、私たちの役目だと強く実感しました。

2022/1/30 第4回大阪障がい者eスポーツ大会“アワハウスカップ”開催

第4回大阪障がい者eスポーツ大会“アワハウスカップ”は、2022年1月30日(土)13時から配信されます。

・ぷよぷよeスポーツ部門

・ストリートファイター部門

・eFootball™2022

の3部門に分かれて開催されるこの大会は、各部門で予選会が行われ、通過した精鋭によって本選が戦われます。

Riricky選手は、1月14日に開催されたぷよぷよeスポーツ部門の予選会を勝ち抜き、見事に本選への出場権を獲得。第2回優勝・第3回準優勝の実力者が、第4回で展開する新しい義兄弟の戦いにご注目ください。

また、ePARAからは、顎でコントローラーを自在に操るJeniがストリートファイターV チャンピオンエディション部門に初出場。1月10日の予選会を通過して本選に出場します。Fighting Fortia(ファイティングフォルティア)のキャプテンに就任して初めての大会となります。こちらも合わせて応援をお願いします。

参考記事:壁を壊すのは、いつだって内側からだ。 重度身体障害者の私がePARAに入社し、挑戦したい事

当日の模様は、YouTubeで生配信されます。ぜひご覧ください。

▲第4回大阪障がい者eスポーツ大会“アワハウスカップ”本選

関連リンク

Twitter:Riricky&Anicky(リリッキーとアニッキー)

株式会社アワハウス

一般社団法人 日本障がい者eスポーツ協会

eスポーツ×障がい者。障がい者を家族にもつ看護師が発信する情報サイト

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