Fortia 障害とゲーム

社会や人と再び繋がるきっかけに〜難病サルコイドーシス・abckaiが支える「FPS Fortia」

難病のサルコイドーシスを抱えながらもFPSのプレイに励むabckaiさん。ePARAと出会い「FPS Fortia」に自らの意思で加入、現在はユニットメンバーの一員として精力的に活躍されています。難病当事者であるabckaiさんがゲームを通じて社会との接点を取り戻していく気持ちの変化、FPS Fortiaの活動内容、ユニットメンバーを紹介します。

abckaiがここに関わる理由

abckaiのアイコン
abckaiのアイコン デザイナー:ウーミン

はじめまして。abckaiと申します。私はサルコイドーシスという難病なのですが、日本のサルコイドーシス患者の多くは眼に症状が出ることが多く、そこから病気の発見に至るということもあります。私も例に漏れず眼に症状が出て、その治療の過程でさらに白内障、緑内障を発症し、その影響で両眼それぞれ鼻側を中心に視野の欠けがあり、更に視力の左右差や斜視などもあり両目でモニター画面を注視することが難しくなりました。そのため小心者な性格も相まって、これまでFPSゲームで迷惑をかけることが怖くて長い間家族以外の人と一緒にプレイするのを避けていました。

社会との関わりを避けてきた日々

実生活でも難病患者である私と社会との関わり方は難しく、社会や人とあまり関わらない生活を続けていました。そんな生活を送っている間、2018年に難病患者が障害者総合支援法における障害者の定義に含まれることになりました。それ以降は条件さえ満たせば私たち難病患者もサービスを受けられるようになりました。

それでも、私の場合は、その後も病気の状態が改善することもなく、当然就職にたどり着くこともなく、変わらず社会との関わりは薄いままでした。継続的に働くことは難しい、しかし全く働けないわけではない。この辺りの自分の症状が本当に社会に出るには微妙すぎて一時期はとても悩みました。

ただ、気持ちの切り替えも思いのほか早く「仕方ない」と、これまた微妙な結論に至り、とりあえず平坦な心を維持して療養生活を送っていきました。その甲斐あってか、私はあまり落ち込んだりふさぎ込むようなこともなく毎日過ごしていました。しかし、その積み重ねなのかは分かりませんが「楽しい、嬉しい」といった気持ちが湧きにくくなっていたことも感じていました。

「こんな場所があったのか」

そうしている中でePARAを知り、「FPS Fortia」に入り、それぞれ違う障害だが同じ障害当事者として相手を思いやりながら一緒に好きなゲームをプレイしている光景を見ました。その様子に惹かれて段々と「一緒に撃ち合いたいな」と思うようになり、まず自分の眼の弱点を気にしなくなっていきました。

さらに、ここでは障害を個性のように取り扱ってくれる人や環境があります。中にはネタにしてみんなを笑わせてくれる人もいました。私はどうせなら自分の病気をネタにして笑えたら良いなと思っていましたが、大抵の人には気を遣わせてしまうだろうし分かりづらい笑いだろうなと思い諦めていた光景でした。「こんな場所があったのか」と、とても驚いたとともにみんなが輝いて見えました。

そんなこんなで、障害を持つメンバーの方々が積極的に活動をしている様子を目にして、きっと私の欠けていた視野も広がっていったのでしょう、気が付けば私も何かしたいと思うようになりました。そして自宅と病院を行き来する生活の一部にePARA部活動とFPS Fortiaの活動が加わり、それまで抜けていた社会や人との繋がりを再び感じ始めました。社会や人と繋がっているということは、思っていた以上に私に「安心感」や「やる気」をもたらしてくれました

快く私を迎え入れてくれたePARAとFPS Fortiaでゲームをして、なんなら見ているだけでも心から楽しいと思えたことが私はとても嬉しかったです。だからこの場所と繋がりを大切にし、自分が楽しむため、あわよくば人のために何かできればと思ったことが、私がここに関わる理由です。

仲間とともにこれから何ができるのか、とても楽しみに思っています。

FPS Fortiaとは?

「FPS Fortia」とは、バリアフリープロジェクトチーム「Fortia(フォルティア)」のユニットの一つであり、その名の通りFPSゲームを主体として活動しています。

FPS Fortiaの基本方針の一つに「勝つことだけを主眼としない」というものがありますが、FPSチームの方針としては恐らくあまり見られないものだと思います。

これは「Fortia」のコンセプト「障害当事者が中心となってeスポーツやゲームで輝く未来を切り拓くプロジェクトチーム」にあるように、パラeスポーツプレイヤー個人の価値を向上させることを目的の一つとして活動しているためです。

もちろん初めから負けるつもりでプレイしているメンバーはいませんが、勝敗だけにこだわらず、未来を見据えて、大会のみならず国内外の交流や情報発信を行い、メンバーそれぞれの障害特性、力量差、所属といった垣根を越え、力を合わせて新しい挑戦を続けています。

主な活動内容

  1. 週1回の練習会
  2. 定期ミーティング
  3. 大会、交流会などのイベント出場(Apex、Call of Duty: Mobile、PUBG MOBILE)
  4. ePARAのニュースサイトにおける活動の情報発信

FPS Fortiaのメンバー紹介

たま(株式会社ePARA所属 チームキャプテン)
銃が好きで、予備自衛官補の経験あり。海外駐在員時代は毎週末射撃場で拳銃を撃っていた。
多動性のADHDであることを活かして複数のFPSゲームに挑戦している。

 

Yujikun(BASE株式会社所属)
先天性のプルーンベリー症候群により排尿機能などに障害を持つ。
日本初のパラeスポーツアスリートとして、東京eスポーツフェスタを始め多くのイベントに出演。

TATSUYA(BASE株式会社所属)
BASE株式会社所属のパラeスポーツプレイヤー。
進行性筋ジストロフィーの障害を持ち、電動車椅子を使用している。「ボッチャ」で日本一を二度経験した経歴も持つ。

ジジ(株式会社CSentertainment所属)
Call of Duty: Mobileのストリーム配信などeスポーツ事業を行う、株式会社CS entertainment所属プレイヤー。
パラテコンドー元日本代表・強化指定選手。パラeスポーツの頂点を目指し、世界で戦うことを夢に持つ。

ウーミン(ビーウィズ株式会社所属)


ニュージーランド出身のデザイナー兼通訳者。発達障害(パニック障害)。
ブラジルで太鼓演奏者に挑戦した経歴も持つ。手話も得意とする。

GreenBird
FPS、LoL、FF14、スマブラSPなどジャンル問わず多くのゲームをプレイするマルチプレイヤー。自閉症スペクトラム。
優しくて誰にも負けない強い自分になる〜FPS Fortiaの新星・GreenBirdの実体

abckai
難病サルコイドーシス。
仲間と共にFPSがしたいという熱い気持ちと勢いを持ってFPS Fortiaに加入。馬が大好き。

希央(ビーウィズ株式会社所属 コミュニケーションエンジニア)
自称「非ゲーマー系ライター」。
広汎性発達障害・ADHD。初心者目線から、ゲームやeスポーツの楽しさを紹介している。趣味は車のレース観戦。

FPS Fortiaの活動を支えるマネージャーとして

私も当初はプレイヤーとして活動するつもりで加入しましたが、ありがたいことに「マネージャーをやってみないか」とお声がけ頂き、勢いでFPS Fortiaマネージャーにチャレンジすることになりました。

正直な所、今の自分にできることは仲間の話を聞くことと、雑用くらいです。

それでも仲間は色々な場面で「ありがとう」や「話しやすい」と言ってくれます。

それがとても嬉しくて何をするのが仲間のためになるのか考える日々を過ごしています。

今はまだできることが少ないですが、今後マネージャーとしてプレイヤーのサポートはもちろん、それに加えて仲間達が輝ける場を作れるようになることが今の私の目標です。

そして、FPS Fortiaの仲間達には楽しむことを忘れずに、自分たちがやりたいことを諦めずに続けていってほしいと思っています。私も楽しむことを忘れず全力でサポートしたいと思います。

FPS Fortiaの今後

Fortiaの設立目的には、「障害の垣根をなくし、ひとりひとりが輝く場をつくる」といったものがあります。

FPS Fortiaとしてもまずはこの目的に向かい、一人でも多くの当事者、もちろんそれ以外の方々にFPS Fortiaの活動が届くように多くの大会やイベントに積極的に参加し、メディアやSNS、ePARAサイトでの情報発信で声を届けていくことを行っていきたいと思います。

そして、我々自身が楽しむことを忘れずに多くのことにチャレンジをし続け、FPS Fortiaの価値を高めていけるよう力を合わせて頑張っていきます。

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FPS Fortiaを支えるマネージャー。難病・サルコイドーシスを抱えている。

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