ゲームが繋いだ愛の物語、ePARA初の恋愛シリーズ第一弾「ラブプラス+」をきっかけに結婚まで至ったニャーサエさんの物語をお送りしております。今回は後編です。ゲーム×障害×恋愛が織りなすリアルなストーリーを引続きお楽しみください。
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双極性障害持ちゲーマーのニャーサエと申します。後編では夫との恋愛が始まる所から結婚と現在に至るまでお話です。自分で読みながらものすごく恥ずかしくなってしまいますが、世の中にはこういった出会いもあるのか!とか、インターネットでのつながりも悪くないかも!と少しでも感じて頂きたいです。長くなりますが最後の後編です。
ネット上の友達が?!まさかの急展開
私達がTwitterで繋がっていたと言ってもいきなり恋愛関係に発展したというわけではありません。知り合った当初はそれぞれで付き合っていた人がいたので、当時の私達の間には恋愛感情は全く存在していませんでした。
ラブプラスではネネさんとお付き合いしている者同士だったのでネネさんの魅力を語り合ったり、私が仕事で疲れたり失敗したりした時に滅入った気持ちをツイートした際は彼が度々反応をくれたりしました。友人を励まして心配するのと同じ気持ちで他愛のないやり取りがお互いの間で何年かゆっくりと続いていきました。
私の長年の恋愛が終わった
その当時お付き合いしていた彼氏と、一緒に過ごしていく中で気持ちのズレが積み重なっていったことと、具体的には言いませんが私の中でこの人とは決定的にもう無理だという事象が発生したことで、4年あまりの長い恋愛を終了させてお別れしました。その際に共通の友人知人に知らせるための業務連絡的な意味で「お付き合いしていた方と別れました。リムーブ、ブロック等はご自由におまかせします」というお知らせツイートをしました。
その恋愛は将来が見えなくて時間を無駄に過ごしている感がものすごくつらかったので終わったことで私がやりたい事(資格取得、勉強、ゲーム、その他の趣味など)を思い切りやれるぞ!という元気でスッキリした気持ちでいっぱいだったのでメンタル的には大丈夫でしたが、そこで思いがけず友人知人からたくさん励ましのリプライを頂きました。その中の一人に、当時は友達関係だった夫もいました。
Twitterでたくさんやり取りをしたからこその信頼感
夫は「○○に、ご飯食べに行きませんか?」という、お誘いとも励ましとも取れるような反応をしてくれました。終わった恋愛については一切触れずに彼なりに私を励まそうとしてくれたのだと思うと、不思議と心地の良い気持ちになったのでした。
実は夫に後でこの時の心境を聞いたことがあるのですが、私の終わった恋愛について具体的に言葉で慰めたり励ましたりするのではなくて、単純に遊んだり美味しいものを食べたり楽しいことを一緒にするほうが元気になるのではないか?というシンプルな気持ちから「ご飯食べにいきませんか?」という誘いになったそうです。そしてまだ彼も、その時は私に友達以上の感情は抱いていなかったそうです。
TwitterのDMからLINEでの交流がはじまる
夫は静岡県在住、私は東京都在住で、ご飯食べに行きませんか?と言われても、東京~静岡の距離はお互いの仕事や他の予定などを考えるとすぐ行ける距離ではありませんでした。でも、その時は難しいことを考えるのも嫌で美味しいものを食べに行けて小旅行もできる!という軽い気持ちでやり取りをしていたら、私が静岡に行ったことがないということでそちらへ遊びに行くというのが決まりました。
詳しい日程などを決めようというのはプライベートな情報なのでDM(ダイレクトメッセージ)でやり取りするようになってからすぐにLINEのIDも交換しあって交流が深まりました。
ほぼ毎日のLINEのやり取りと通話
静岡へ行こうと計画した日がちょうど夫のお誕生日に近い日付だったので一緒にお祝いしようということに。あちらに行って案内してもらって美味しいものを食べたいとだけしか考えていなかったのですが、我々がネット上ではやり取りはあるものの初対面にはなるので、まずは電話で話だけでもしておこうということになり、LINEで通話をしました。それからなぜか毎日通話をするのが当たり前な生活になって、お互いのパーソナリティーについてさらに深く知ることになっていきます。
ラブプラスのカノジョの扱いや気持ちが自分と一致していたのも決め手
日々の通話ではお互いの最大の共通項であるラブプラスについても語り合いました。彼が自分のカノジョのネネさんがどれだけ大切かというのを聞かせてくれたのも、付き合う人そのものへの扱いを知れたような気もして少しドキっとしました。プレイした時に得た感情、感動を今でも宝物にしている所も私と同じで嬉しく感じたのを覚えています。
私も同じようにネネさんを大切に想っているし、女性としてお手本にしたい存在として尊敬する対象でもある!というのを力説したら、男性プレーヤーからはそういう視点になるのは気付かなかったと驚かれました。ラブプラスのおかげでお互いの魅力をさらに深く知ることができたのではないかという思いは、振り返ると確信に近いものがあります。
この頃にはすでに惹かれ合っていたが…戸惑いも
読みながらお気づきの方も多いかもしれませんが、会うまで毎日のように通話をする関係になった時点でお互い惹かれ合っていました。会ったこともないけれどどうやらこの世の中に存在はしているらしい彼のことを好きになった時、私の心の中では戸惑いもあってどうしたものかと考えたりもしました。
前の恋愛が終わってからあまり時間が経っておらず、それも含めて恋愛遍歴が散々なものだったので一度そういうのを人生から切り離して自分の将来やりたいことに突っ走ろうと覚悟を決めて動き出していた時期でもありました。なんというタイミングで人を好きになってしまったのだろうと考えまくってしまいましたが、自分の気持ちに嘘を付くことはできませんでした。
結局、会う直前まで連絡を取り合っていましたが、日を追うごとに好きな気持ちが大きくなっていくのが自分でもわかって、夫からもそれが伝わってくるので多分なんとなく会えば付き合うことになるのだろうなとうっすら思いながら初対面当日をむかえました。
劇的!?初めて会ったその日から付き合うことに
ここは人生で一番と言ってもいい大切な思い出とイベントなので詳細は書きません。初対面の私達は無事に会って夫から告白を受けて付き合うことになりました。初めて会う人と付き合うなんて無理では?と思うのが大多数かもしれませんが、以前に長く書いていたように私達は実際に会う前にネットで既に出会っていて直接ではありませんがコミュニケーションをたくさん重ねていきました。リアルでは初対面でも普通に話せたのはそういった時間を着実に重ねていたからだと思います。
遠距離恋愛少々、早々に上京
付き合いはじめは夫の住んでいた静岡県と私が住んでいる東京都を行き来していましたが、この距離でも行き来はお金がかかるのと、会って「さようなら、またね」というのがどうしてもつらくなってきました。
ちょうど彼の借りているアパートの賃貸の契約が切れそうなタイミングで私の家に引っ越してきたら?と提案したら全てを決めたのか上京してからなんとか仕事が決まりました。
入籍へ背中を押してくれたのはクラスタの友人の一言
私達は付き合う最初の段階から結婚を前提でというのは決めていたのですが、具体的にいつにしようというところまでにはなれずに、二人の中でどうしたらいいものか?という雰囲気はありました。
そこでまた私達はラブプラスで生まれた絆に恵まれました。結婚へ踏み切るために背中を押してくれたのが、夫がラブプラスを介して出会った友人でした。その友人の方が美容師さんでお勤めをしているお店にいつも夫がカットをしてもらっているのですが、既婚者である友人から「早く結婚したらその分早く結婚記念日が毎年くるよ!」という当たり前のようで未婚にとっては盲点な一言が夫の中では強く響いたようです。
そして、令和元年という新しい年号も新たに家族となって良いスタートをというにはいいタイミングなのでは?と話し合って、その年のうちには入籍しようという流れになりました。
プロポーズはなし!出会いから付き合うまでも世間とは違うからそれでヨシ!
世間では付き合ってプロポーズがあって婚約指輪をもらって結納して入籍。披露宴や新婚旅行から帰ってきてから新居での生活。そういった流れが多いかと思います。でも、私達は会ったことがないままにお互いを好きになって初めて直接会った日に交際がスタートする等、世の中とは全く違う動きをしてきました。
プロポーズがなくても、世の中と違う順番や動きをしていても、お互いに結婚して家族で居続けたい気持ちさえあれば何も問題ないと考えていたので、とにかく嬉しさでいっぱいでした。
令和元年11月22日「いい夫婦の日」に入籍しよう!
結婚記念日は2人が絶対に忘れない日にしようということで何度も話し合ってから令和元年、11月22日のいい夫婦の日に入籍をすることにしました。しかし、予想外の出来事が起きてしまいます。
突然に足を骨折!夫から介助を受けてより深まった絆
11月初旬に買い物帰りに二人で歩いていたら私が転倒して足を骨折してしまいました。おめでたい出来事の前に骨折という事実があまりにもつらいのと、折れた直後はしばらく安静にしていなければいけないため何もできなくなってしまい、持病の通院すらどうしたらいいかわからなくなってしまいました。とにかく折れた箇所が激痛でメンタルもそれに引きずられてしまい落ち込む日々でした。
夫は真っ先に自治体が貸し出しをしている車椅子をレンタルしてくれました。仕事が休みの時は私の通院に付き添って移動の介助をしてくれました。足の骨折でなかなか外出ができない私を気遣ってレンタカーで少し遠くまで外出しようと連れ出してくれました。思い出も気分転換もできてありがたかったです。
そういった優しい気遣いができる人と結婚できる私はすごく幸せだなと、骨折のおかげと言ったら変かもしれませんがさらに強く実感しました。
一生忘れない車椅子利用の結婚記念日
いよいよ入籍の当日。区役所に到着してから車椅子をお借りして夫には移動を助けてもらいながらの入籍となりました。骨折してからは慌ただしい日々になってしまいましたが、夫から介助してもらえたことで支え合うのが夫婦、家族なのだなぁ…という実感が強く湧いたのと同時に11月22日は一生忘れられない日となりました。
婚姻届の証人は秋現象の主催者さん
私達夫婦で絶対に忘れてはいけない人物が前編に登場したラブプラス秋現象の主催者のRさんです(以下、Rさん)。Rさんは秋現象の後もTwitterなどのSNSを通じてラブプラスをプレイする仲間達を束ねてきた我々の精神的支柱のような存在です。
私達が付き合いはじめてから夫が上京する時もたくさん気にかけてくださって、オフ会に私達が参加した時は気さくにお声掛けをして頂きました。
そもそも、Rさんがオフ会を主催していなかったら私達は出会えていません。Rさん主催のオフ会に私が行ったことから全てがはじまっているからです。そういった意味でも恩人であり人生の先輩でもあり友人でもあるRさんに婚姻届の証人になってもらおうというのは夫には何も言わなくとも伝わっていたようで、Rさん(パートナーの方も一緒に)も快くサインをしてくださいました。
まとめ:私達はラブプラスを通じてかけがえのないものに出会った
ラブプラスでカノジョと過ごす日常、ゲームとインターネットの融合で出会った一生の仲間、親友、友人。まさか人生のパートナーまで見つかるとは思ってもいませんでした。
ゲームを真剣にやっていたからこそ情報を知りたい!集いたい!とインターネットを駆使して出会った大切な人たちです。我々以外にもファン同士が出会い結婚してお子さんもいるというご家庭もあります。
元からオタク同士だから夫婦になっても理解しあえる
あくまで私の推測ということを最初に記載した上で、元々ラブプラスのプレーヤーは根っからのオタク体質な人が多い印象です。実際にオフ会に参加してもゲームだけではないものにどっぷりハマっているオタク達がたくさんいます。
マンガ・アニメは当たり前ですが鉄道、ドール、写真、グルメ、お酒、自転車、他にもたくさんの趣味を持った方が多く、私達夫婦も両方とも根っからのオタクなので趣味についてはお互いの絶対的な領域は干渉しあいません。逆に、共有できると判明したものは一緒に心から楽しんでいます。そういう考え方が何も言わずともわかってもらえるのはすごく強いと思いました。
今でも強固なクラスタの絆は財産と言っても過言ではない
私達夫婦の場合はラブプラスクラスタ、特にオフ会で直接会ってから仲が良くなったみんなとなんとなく繋がっているという安心感が心のどこかにいつもあります。それは私達にとってありがたいことですし、これからも出会った仲間を大切にしていきたいです。私はラブプラスという素敵なゲームに出会えてとても幸せです。
ライター
ニャーサエ
Twitter:https://twitter.com/nyasae_work
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