2021年6月10日、PS5専用ソフト『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』が発売されました。本作品は、2020年4月発売のPS4専用ソフト『ファイナルファンタジーVII リメイク』に映像表現力の向上・新規エピソード追加を行ったファン待望の一作です。
今回の記事では、ファイナルファンタジー7(以降、FF7)を愛するあまだれさんに、日本に留まらないファンを獲得している同作品の魅力や海外ストリーマーの存在を語っていただきます。
引きこもり統合失調の40代おじさんにとってのゲーム。
孤独で話し相手がいない人であっても、自分以外の誰かと感情を共にすることはできるんじゃないだろうか
私は東京の下町付近に生まれ育ちました。統合失調症を患うはるか前、幼少期の私は思えば、人が怖く家族以外の誰かの前で声を発することすら苦手でした。元からそのように対人関係に理由のない不安と周囲もどうしていいのか途方に暮れるキャラクターであったので、4歳か5歳の時に幼稚園を転園せざるを得なくなりました。数年前に医者に言われました。私は発達障害のようです。
会話も社会的な共同作業もうまくできず、自身のわがままな性格が災いして周囲から孤立。気がつけばそのまま「大人の引きこもり」にエスカレーター式に突入しました。多くの人はエスカレーター式に学歴を重ねてますが。
子供の頃から思春期にかけてのゲーム
子供の頃、いつも皆がファミコンのゲームの話題をしていて、私もその輪に加わりたかったことを覚えています。寂しくて、仲間になりたくてという気持ちが強くありました。そして孤独であることでなおのこと「ゲームという架空の世界で実現できる戦い、成長、出会い、冒険」に憧れが膨らんでいました。
逃げちゃダメだと思いつつ憧れはふくらみ続け、ようやく自力で購入したゲーム機が「プレイステーション(初代機)」。バイオハザードや鉄拳ももちろん遊びましたが、衝撃の出会いはFF7でした。
1997年、ゲームの歴史に伝説を刻むことになった
スクエア(現在スクエアエニックス)制作RPG、FF7。
当時、次世代のグラフィックが楽しめることで、世界的にヒットしていたプレイステーション(初代機)。そのゲームラインナップの中にあって一際注目を集め、支持されたゲームタイトルがFF7です。
世界が広く、ミニゲームも含めて延々と遊んでいられるゲームで、何と言ってもキャラクターが魅力的でした。主人公の青年クラウドは、一言で言うと「カッコつけたいけどうまくできなかった人間」で、不器用さがセリフや行動に表れています。そのパーソナリティがストーリーにも深く関わるとは、当時のプレイヤーは想像しなかったのではないでしょうか。
ダメな主人公クラウドの魅力
クラウドはどこにでもいるダメなやつで、今でもクラウドのように「自分はこうありたい、けど、うまくできない」もどかしさを抱えている人、いると思います。
主人公でイケメンにも関わらず、身近に感じるような情けない部分を持っていて、それでも憎めない不器用な優しさを持ったクラウド。プレイしていると、彼に感情を重ねると同時に、FF7の世界と登場人物たちに思い入れるようになってしまう・・・。私はその一人でした。そんなプレイヤーは当時から世界中にいたんです。
FF7は後に「伝説のゲーム」と言われるようになります。
音楽や映像表現だけではなく、クラウドをはじめとしたキャラクターの魅力もまた理由の一つであったのかと思います。
FF7配信動画の魅力
FF7 リメイクが発売された2020年4月。私も自身でプレイしたかったのですが引きこもり無職の貧乏中年、プレステ4を買うお金もなく、、、。
そんな私はYouTubeでゲーム実況、ストリーマーの動画を見ていました。
そもそもゲーム、自分でプレイした方が面白いんじゃないの・・?
と考える人もいるはず。
ゲーム動画の楽しみ方は人それぞれ。
クリアできなかったゲームのボスをうまく攻略するストリーマーの映像を見て楽しむこともできます。
FF7のリメイクに関しては、オリジナルからゲームの物語が変わってしまう方向にも見えたので賛否が分かれました。そんな中、ストリーマーの反応、リアクション、コメントを見て、他のプレイヤーがプレイしていたその時々の感情と考えを知るきっかけになることもあります。
物語やキャラクターの魅力が強い場合、ストリーマーのプレイ動画を見て初めて共有できたり、自分になかった視点の感受性を見て取れたりすることもあります。
多くの閲覧者がいるアカウントは、そのプレイヤーとしての人間性に魅力が溢れていたり、コメントの切り口がユニークで面白かったりもします。
ゲームの腕前は重要ではない
RPGのストリーマーはゲームの腕前を競い合う価値観はなく、うまくなくても構わないと思います。
さすがに下手すぎるといろいろと言われることもあるようですが、FF7の配信動画を見ていると、プレイの巧さとはまた別のゲームの楽しみ方と魅力があるのと思うのです。
同じFF7内のイベントでも、実況・ストリーマーによってリアクションや感想が異なります。
一つのゲームを通じて考えや感情の違いもある反面、共通点も見出せます。
一人プレイのゲーマーは、家の外に出て遊んでいる人から見たらオタク、暗いやつ、のような「日陰」の存在に見えると思います。一方、世界中にはそんな自分と同じように一人で部屋でコントローラーを手にプレイしている誰かはいて、その誰かも、他の誰かも、自分と同じように感動したり怒ったり笑ったりしています。
「ひとりではない」ことに気づかせてくれる存在。それがストリーマーでもあるのかなと思います。
ストリーマーは海外にもいて、文化や言葉の壁はあっても共感がみつかります。ダメなイケメン主人公のクラウド、ヒロインのティファ、エアリス、仲間のバレットに抱く感情に、同じ思いを重ねることのできるストリーマーもいます。
その面白さを強く感じるために、彼らの配信動画を見るだけでなく下手であっても私もまたゲームをプレイしようと思うんです。
FF7おすすめ配信動画5選
私が好きなFF7関連の実況者・ストリーマーの配信動画を紹介します。今回はFF7リメイクに関しての動画になります。
跳兎
返事くらいしてやれ【FF7R-part20】
跳兎さんはコスプレイヤーをされています。跳兎さんの言葉やリアクションはとにかく優しい人柄が出ています。コメントにもありますが、ダメなイケメン主人公クラウドに深く感情を揺さぶられてしまうことが多く、動画の冒頭、エクストライベントのムービーシーンでは多分作ってないだろうな、というリアクションが見れます。こういう誰かの優しさや不器用さを気付けるような人もまた素敵だな、と思います。
Maximilian Dood
I Waited 15+ Years For This: Final Fantasy VII Remake (Chpt. 1-2)
Maximilian DoodさんはFF7オリジナルからのファンで、日本のゲームもアメリカの大手タイトルと同じようにプレイしています。彼の人柄は本当に良く、大きなアカウント(100万人以上登録)なのもあってか、随所にある程度クリティカルにプレイしようとするコメントがありました。ゲームの再現度が思う以上に高く、動画の彼は子供の頃に戻ってしまったかのようなリアクションを見て取れます。ゲーム解説も、オリジナルファンは彼のコメントに共感できます。
動画の1時間27分。ヒロインのエアリスと出会うシーンがあります。そこから街中での戦闘に移っていくシーンで、彼がどれほどオリジナルのFF7を愛していたかを感じることができます。
Gab Smolders
Cloud is a FINE LADY - FFVII Remake [6]
彼女はFF7をプレイしたことがないようですが、少し日本語がわかるようなので、ゲームの中に出てくる日本語の表記を読んでいました。
独自の視点がある上にとても綺麗な方で、挟むコメントも優しい人柄が出ています。
Nyancave
【 FINAL FANTASY VII - REMAKE 】Don Corneo | Part 12 | Blind Reaction Gameplay Walkthrough FF7R
この動画は、音声のみの実況と、画面の2人、3人で実況しています。本当にみんな明るく楽しそうにプレイしていて、誰かとゲームを一緒にプレイしたくなるような実況です。彼らはカナダ出身ですが、日本のゲームを他にも多く配信しています。私は英語の勉強も兼ねて動画を見ています。
Alex Moukala Music
Music Producer Reacts: Let The Battles Begin! (FF7 Remake OST)
音楽の専門的な言葉が難解なのですが、彼が何を感じているのか伝わる動画をたくさん配信しています。最近はFF7リメイクの音楽を作った植松さん、FFの生みの親である坂本さんをゲストに対談動画を公開していました。
アレックスさんは多少日本語を話せるようで、本当にクリエイターの方たちの勉強量には刺激を受けます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。FF7リメイク インターグレードの発売をきっかけに、FF7の世界に初めて触れる方、再びプレイされる方、プレイしたいけれども環境が整わない方、配信動画を見ていただくとまた違った楽しさがあるかもしれません。筆者も世界から発信される動画でFF7リメイク インターグレードの世界を楽しんでみたいと思います。