2023年7月3日、メルカリグループの社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D」山村氏の依頼を受け、新しい電動モビリティpoimo(*)に関するリサーチに協力しました。
担当は、ePARAユナイテッドのメンバーとして活動している車椅子ユーザー・アフロと、スマイルインフルエンサー・あーりんです。
poimoは、mercari R4Dと東京大学川原研究室との共同研究で生まれた、インフレータブル構造(空気圧により膨らむ風船構造)で作られた新しい電動モビリティです。ボディにインフレータブル構造を採用することで乗り心地を空気の量で変更できると共に、モビリティとして十分な大きさと収納性を兼ね備えています。普段はボディを小さくたたんでおき、必要な時に膨らませるという、これまでにない使い方が可能です。また布地を切り抜いて自由な形で製作できるため、カスタムメイドに適しています。 ボディのカスタマイズ性を活かし、普段や旅行先での移動に使うだけでなく、軽量な車椅子として使う、荷物の搬送に使うなど生活に寄り添ったインクルーシブなモビリティになることを目指しています。
mercari R4D ウェブサイトより抜粋、一部省略
(*)poimoは株式会社メルカリ様の登録商標です。
普段の移動や家の中での困りごとに関して話す中で、次のような話題があがりました。
- 家の中に車椅子を置くことや車椅子の動線などを考えた場合、物件探しの際に選べる家が限られてしまう。
- 車椅子ユーザーは自分の身体に密着した車椅子を使っている。外出先や公共交通機関では車椅子を荷物として預け、自分用ではない車椅子(自分の身体にフィットしない)に乗らないといけないこともある。小さく折りたためるpoimoなら、旅行時などに便利に利用できそう。
- 最近は地方の大都市でもタクシー運転手が高齢化し、車椅子をタクシーに載せることが体力的に難しく、車椅子ユーザーの移動に困難が生じるかもしれない不安があると聞いたことがある。
- やりたいことを諦めたり、行ける場所が限られたりする現状がある。車椅子ユーザーは妥協したり環境を変えたりすることで生活していることが多い。そのような妥協や諦め、折り合いに焦点を当てることで、(このような研究開発に)好循環が生まれるのではないかと思う。
ePARAは「社会実証および共創・研究開発支援事業」を事業の柱の一つとして掲げています。
今回のような活動を通じ、障害当事者の声がさまざまな商品やサービスに反映されるよう引き続き取り組んでまいります。
ePARAによる研究開発支援の取り組み例
研究開発支援に関するePARAの取り組みの例については以下の記事をご覧ください。
6月2日発売「ストリートファイター6」のサウンドデザインにバリアフリーeスポーツePARAが協力
ePARA×筑波技術大学「ブラインドeスポーツ研究プロジェクト」開始
トヨタ自動車が開発中の自由な電動車椅子「JUU」の試乗体験に協力しました
次世代型電動車椅子WHILLを脳波で操作する研究に協力しました
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