こんにちは。以前にパズドラの記事を執筆したブレーセルです。
今回は、池袋駅東口改札外いけふくろう正面階段上にある「eスポーツカフェ Café&Bar RAGE ST」で開催された「第3回 バリアフリーeスポーツスクール」にてサポート役を務めさせていただきましたので、施設の様子と合わせて私が感じたことをレポートします。最後までどうぞお付き合いください。
ゲームがもたらす新たな交流の場-障害者と健常者の理解を深めるインクルーシブ・ダイアログ
第3回 バリアフリーeスポーツスクールとサポートとしての役割
「バリアフリーeスポーツスクール」は、JR東日本スタートアップ株式会社、JR東日本スポーツ株式会社、ePARAが共催するイベントで、パラeスポーツプレイヤーが講師となり、初心者・初級者を対象としてゲーム体験企画・コーチングを行います。
今回で第3回目となりましたバリアフリーeスポーツスクールですが、概要は活動記録の記事が出ておりますので、そちらをご覧ください。
第1回 バリアフリーeスポーツスクール
第2回 バリアフリーeスポーツスクール
第3回 バリアフリーeスポーツスクール
私は今回、サポート役として参加をさせていただきました。
今回の講師であるNAOYAさんと真しろさんは全盲です。講師が口頭で「Aボタンを押してください」と指示をしても、ゲームに慣れていない参加者の方はどのボタンかわからないときに私がボタンの色をお伝えするといった、全盲では難しい場面でサポートをさせていただきました。
また、参加者の方が多くいらっしゃるなかで個別の指導が難しい練習の場面では、各席をまわりそのときどきに合わせたサポートを行ったり、会場の様子を撮影したりしました。

ゲームを通じて広がる理解の輪~ePARAイベントが示すアクセシビリティの可能性~
私は、ePARAに参加する以前は障害者の方と関わる機会がなく、全盲の方は支援がなければ移動できない、仕事にも苦労しているだろうし性格も暗いだろうと物凄く身勝手な偏見を持っていました。
しかし、ePARAに参加し、全盲の方々の能力や活躍を目の当たりにし、自分の偏見がいかに浅はかだったかを痛感しました。
今回のイベントでは、サウンドアクセシビリティが充実しているゲームであれば全盲の方でも講師になれることを実際に体感することができました。
目の前で全盲の講師NAOYAさんがゲームの操作を説明する様子を見て、その正確さと丁寧さに驚きました。これは、私の予想を遥かに超えるものでした。性格はとても明るく元気で、様々な仕事をこなし、支援がなくても移動できる場所がたくさんあることを知り、驚くばかりでした。むしろ自分よりもできることが多いのでは、と思う場面も多く、尊敬しています。
参加者の方々も私と同じように驚いている様子が伝わり、イベントをきっかけに障害理解への認知が広がり、相互理解が進み、お互いに生きやすい世の中になれば、と感じました。

イベント会場のバリアフリー課題~eスポーツスクールが浮き彫りにした施設アクセスの重要性~
今回イベントで利用させていただいた「Café&Bar RAGE ST」は、池袋駅直結で、電車から降りて屋外に出ることなくアクセスすることができる立地でしたが、2階のプレイエリアへはエレベーターがなく、階段での移動しかできない場所でした。
今回はいらっしゃいませんでしたが、第1回バリアフリーeスポーツスクールでは、通称「とりちゃん」の名で活動している車椅子ユーザーの鳥越勝さんが階段での移動に大変苦労している様子でした。
車椅子の形状や障害の度合いによっては2階への移動ができない障害者の方もいると聞き、立地や建物の構造上難しい場面もあると思いますが、バリアフリーな環境が整えばいいなと感じました。
ゲームを通じた障害者と健常者のアサーティブコミュニケーション~バリアを超える新たな可能性~
今回サポート役として自己紹介した際は、実は発達障害を持っていることを明かさずに参加しておりました。
しかし、ゲームを通して皆さんとコミュニケーションを取ることで障害を感じることなくイベントを楽しむことができました。ミニトーナメントでは一緒に盛り上がり、とても良い時間を過ごすことができました。

発達障害を持つ私自身も、このイベントを通じて自分の可能性を再認識しました。ゲームを通じたコミュニケーションが、私の障害を感じさせないほど自然に行えたことは、大きな発見でした。
私は、以前障害者雇用枠で働いていた際は、健常者のスタッフとは別の階で作業をしており、また知的障害者の方もカーテンで区切られた場所で作業をしておりました。作業場所に関しては配慮事項としての場面もありましたが、同じ職場で働くスタッフとしては壁を感じてしまう部分がありました。結果としてコミュニケーション不足から障害理解を得られず退職に至りました。
今回のイベントでは、ゲームというツールを通すことでコミュニケーションを深めることができるので、さまざまな企業様の社内イベントとしてこのようなイベントが行われれば、お互いの理解が進み、働きやすい社会になっていくのでは、と感じました。
今回は「ストリートファイター6」を使用してのイベントでしたが、格闘ゲームに苦手意識を持っている方やゲーム自体に苦手意識を持っている方もいると思います。苦手意識を持っていても応援という形で参加できるのも良い点であると感じました。また、体を動かすような直感型のゲームを使用できれば、という意見もありました。
Café&Bar RAGE STとは
今回バリアフリーeスポーツスクールを開催した「Café&Bar RAGE ST」に関してもレポートします!

「Café&Bar RAGE ST」は、JR東日本グループ3社が、国内最大級のeスポーツイベント、大会、リーグなどを運営する「RAGE」をコンテンツパートナーに、新たなeスポーツカルチャーの拠点として2024年1月28日にオープンしたeスポーツ複合施設です。
eスポーツをプレイするのみでなく、カフェバーで飲食を楽しんだり、みんなで一緒にeスポーツの大会を見たり、eスポーツ関連のアパレルやグッズを購入したりすることができます!
大きく3つのエリアに分かれておりますので、それぞれ紹介させていただきます!
Café&Bar Area
「Café&Bar Area」では、ハンバーガー等のフードメニューと多数のドリンク、アルコール類が販売されております。
カフェのみを利用することもでき、池袋駅直結なので利便性抜群です。
店内のモニターではeスポーツの大会を見ることもできます。コンセントが用意されている席もあり、スマートフォンの充電ができるのも嬉しいポイントです。
また、後述します「PC Play Area」にて購入した食べ物を飲食することもできます!

私は電車での移動があまり得意ではなく、乗ったあとに疲れてしまうことがあります。
今回のイベントでは早めに移動してカフェコーナーで休ませていただきました!
空調が効いた空間で冷たいドリンクを飲みながらPCやスマートフォンの充電もでき、とても快適に過ごすことができたので、疲れを回復させてからイベントに参加することができました。

Goods Shop Area
「Goods Shop Area」は、eスポーツに特化したセレクトショップで、国内外の有名eスポーツチームやゲームIPグッズ等を幅広く揃えています。
ePARAとパートナーシップを締結をした「REJECT」様のグッズも販売されています!
eスポーツのダイバーシティ&インクルージョンを探求 株式会社ePARA、プロeスポーツチーム「REJECT」とパートナーシップを締結

PC Play Area
2階は、Jexer e-sports stationが運営する「PC Play Area」となっております。パソコン17席と配信ブース1席があり、高スペックPCと高速ギガ回線が用意されています。
2階席の利用には別途料金がかかりますが、高スペックPCで「VALORANT」や「APEX Legends」、「Overwatch2」を楽しむことができます。自分のSteamアカウントでログインすれば、購入済みのゲームで遊ぶこともできます!ご利用の際は、事前にSteamアカウントIDとパスワードの連携をしておくとスムーズにゲームプレイができるので、確認をオススメします。
ゲームだけでなく、高速ギガ回線を利用したイベントチケットのネット予約やネットサーフィンでの利用もできるようです。
また、貸し切りでイベントを開催することもできます。今回のバリアフリーeスポーツスクールは、こちらを貸し切って開催されました。

*画像掲載元URL
https://www.jexer.jp/e-sports/news/kv357k0000001h5j-att/info_20240125.pdf
eスポーツが切り拓く共生社会-バリアフリーとダイバーシティの融合による新たな可能性
今年の7月に米国ラスベガスで開催された格闘ゲーム大会「EVO 2024」に、ePARAメンバーであり、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症の格闘ゲーマーJeniさんが参加したときに、「英語はできないが、ゲームプレイを通して盛り上がることができ、言語というコミュニケーションの大きな壁を超えることができた」というお話を聞く機会がありました。
今回のイベントとePARAメンバーの経験から、eスポーツは単なる娯楽ではなく、障害の有無や言語の壁を超えたコミュニケーションツールとして機能することが明らかになりました。
私は、ゲームにコミュニケーションの壁を壊す力があると感じています。また、ゲームにアクセシビリティが加われば、ゲームはすべての人に平等な機会を与えてくれる素晴らしいツールだと感じました。
このようなイベントを通じて、障害に対する理解が深まり、職場や日常生活でのコミュニケーションバリアを低減することができます。それには、私たち一人一人が意識を高め、周囲の理解を得てイベントの開催を広めていくと共に、積極的に参加することが重要であると感じました。
私自身も障害があり、できることは限られていますが、自分のできる範囲で周囲への認知を広め、今後もイベントへの参加を続けたいと思います。