イベントレポート

川崎フロンターレ・小林悠選手からもらった”諦めない力”①【スマイルインフルエンサー・あーりん編】

ヨギボーメイトを手に笑顔を見せるイーパラユナイテッドメンバーの集合写真

「こんなに感動したのは、いつぶりだろう」

心からそう思える空間が、そこにはあった。
ePARAユナイテッドにとって8ヶ月ぶりの舞台。川崎フロンターレ 小林悠選手との共闘の模様を、その舞台裏で起きた3つの”物語”に焦点を当ててお届けする。

ePARAユナイテッド「11人制イーサッカースタジアム」のタイトルボード
会場入口に掲げられたタイトルボード

本題に入る前に皆さんに、そもそもePARAユナイテッドとは何者なのかをお伝えしておきたい。

ePARAユナイテッドは「選手全員が車椅子ユーザーで構成された11人制のeサッカーチーム」だ。ゲーム内において選手個々が1人のプレイヤーを操作し、自分のポジションに沿ったパフォーマンスを行う。
実生活では皆、それぞれが何らかの動きにくさという"障害"を感じながら生きている。しかし、ゲームの世界でなら自由に、のびのびと走り回ることができる。11人でサッカーができるのだ。年齢や性別、あらゆる背景の壁を超え、互いを尊重しあって挑んだ先にあったものとはー。

日々の練習はすべてオンライン。各地から声を掛け合って互いを鼓舞する選手たちが集える舞台があるということ。
まずは、そんな価値を考えずにはいられない、1つ目の物語からご覧いただこう。

関連記事:川崎フロンターレ・小林悠選手からもらった”諦めない力”②【足でコントローラーを操る男・たけちゃん編】
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天性の右サイド!長期入院のスマイルインフルエンサー ”あーりん” 念願の復帰!!

不覚にも早々に涙した。泣いてしまった。

【車椅子イレブンがプロサッカー選手と創る『新しい景色』】

これは、ePARAユナイテッド2ndシーズンに付けられたタイトルなのだが、『新しい景色』はすぐさま現れた。

ーーー

あーりんの入院生活は、想像以上に長引いた。一時は誰もが諦めかけた。そのくらいの症状と聞いていた。しかし、誰よりも本人が決して諦めていなかった。

我がチームが誇る右サイド、”スマイルインフルエンサー”のあーりんの身体に異変を感じたのは今から5か月ほど前。次第に食べると吐き気が止まらなくなってしまう症状に悩まされるように。そして、2ヶ月前には栄養を入れるために埋め込んでいたカテーテルから感染症を発症し、緊急入院。あーりんは、イベント前日まで入院加療を余儀なくされた。

いざ会場入り!まだ誰もいない会場で、久々の再会を喜ぶあーりんとアフロ。
今回も大勢のスタッフの協力により、最高の舞台を創っていただきました。
選手個々に用意されたSycom社のBTOパソコンの前には、各々を模したYogibo Mateが並ぶ。

そんな時、心の支えとなったのがePARAユナイテッド。
音声アプリを繋いで病床から密かに練習に参加しては、チームメイトの戦う姿に力をもらった。こんなことができるのもまた、eスポーツならではだ。

『私もまた絶対にみんなと一緒にプレイしたい!』

そんな彼女のまっすぐな想いに応えるかのように、チームも成長。
時に(CPUの)「ワールドクラス」を撃破するまでに変貌を遂げ、彼女の帰りを待った。大切なチームメイトである彼女のポジションを空けて。

代名詞は右サイドからの”あーりんクロス”
前日に退院し、ぶっつけ本番で臨んだものの、3試合にフル出場!
初戦からマン・オブ・ザ・マッチを獲得する活躍を見せた。

大会前の練習。ぽっかりと空いた右サイドバックは、メンバーが交代で守った。さらに強くなって復帰した彼女に喜んでもらうため、歩みを止めるわけにはいかなかった。

そう。間違いなく残されたメンバーもまた、力をもらっていたのだ。
声を出せない病室からあーりんがリアルタイムで送るコメントの数々。

「実際にプレイすることができなくても、できることはある。」

チームは奮い立ち、そして結束した。

迎えた8か月ぶりの公式戦。表舞台に颯爽と舞い戻ってきた彼女は、ブランクを感じさせない動きでピッチを駆け上がり、随所に自慢の”あーりんクロス”を披露。舞台に間に合った喜びを全身で体現した。

左から:あーりん、みぽりん、世界のRyoko Nakajima、小林悠選手、キャプテンとりちゃん。

この光景は、まさしく今回のハイライト。

『本気で願えば、明日は変わる!!』

これは、イベントを終えた彼女の心からの叫びだ。その日、彼女が願った未来は確かにそこにあった

体調が良いことなんて、めったにない。(治療が辛くて)心が折れそうになることや、弱気になることは日常だ。でも、それでいい。その時々の心情を素直に表しながら、

『頑張りすぎず、顔晴る』

それがスマイルインフルエンサー・あーりんの流儀だ。

動画:【フロンターレ × ePARA】eスポーツでみんな笑顔に。(1分46秒~ あーりん編)【川崎フロンターレ公式チャンネルより】

Exceed ーこれから始まる物語ー(謝辞)

ePARAユナイテッドSEASON2で生まれた物語【スマイルインフルエンサー・あーりん編】、いかがだったでしょうか?【足でコントローラーを操る男・たけちゃん編】および【神の手・はる編】もぜひご覧ください。

今回の活動に共感・背中を押して下さいましたYogibo様、日々の練習や今大会運営にあたり高性能のBTOパソコンをご提供くださっているSycom様、謹んで御礼申し上げます。また、今回の企画を快諾して下さり、実現に向けて最後の最後まで尽力して下さった川崎フロンターレ関係者ならびにサポーターの皆様。そして、どんな場面でもチームのためにエースとしてゴールを決め、渾身のガッツポーズで会場を盛り上げて下さった小林悠選手、心より感謝申し上げます。ご自身も大変な状況の中、1人ひとりに心を寄せて下さるその人柄に、チーム全員が心を打たれたことは言うまでもありません。

ここで、そんな小林選手からいただいた”もう1つの物語”を皆様にご紹介したいと思います。

そして今度はフロンターレイレブンと試合を出来たら最高だと思いました😌👍
僕はもちろんePARAユナイテッドチームで😁💪笑

小林悠選手 公式ブログより抜粋

川崎フロンターレのイレブンと試合!?!?
しかも小林悠選手は、ePARAユナイテッドの一員として!?!?
そんな夢のような未来は訪れるのでしょうか。

今回のイベントで、想像を超える舞台に選手である私たちも驚いています。しかし同時に、もっともっと「新しい景色を見てみたい!」メンバー一同、そんな想いに駆られています。

発端は、1人の選手(青年)の想いに突き動かされてスタートした本プロジェクト。多くの方々のお力添えによってたくさんのドラマが生まれ、最高の空間となりました。ePARAユナイテッドにはまだまだ魅力的な選手がたくさんいます。今後ともぜひ、選手個々が持つ無限の可能性を披露することができる素晴らしい舞台を、私たちと一緒に創り上げていただけたら幸いです。

こうして多くの応援をいただいていることを幸せ感じ、皆様の応援を力に変え、ePARAユナイテッドはこれからも走り続けてまいります。

(中編【足でコントローラーを操る男・たけちゃん編】に続く)
(文:アフロ/ePARAユナイテッド所属、CB,#4)
Photo by  方司音

きらめく瞳には光り輝く緑のピッチが映っていた。
「あちゃー」と全力で悔しさを表現するあーりんと、見つめ合い大爆笑するみぽりん。
笑顔のあーりん
最初に見せていた不安そうな表情はどこへやら。時間とともに笑顔もプレイも輝きを増すばかり✨
笑顔のあーりん
たびたび全力で頭を抱えていたあーりん。でもなんだか楽しそう♪
こんなふうに失敗を次に活かすことができるのも、あーりんの魅力の1つです^^
『Ryokoさんがいたから私、頑張れたよ!』 
同じく友人が淹れた【mojino coffee】とともに。
『仲間がいるから諦めなかった✨』
病床からの練習参加中も、常にコメントでチームメイトを励まし続けてくれたあーりん。
どんなことにも果敢に立ち向かう”車椅子なでしこ”カルテット
あーりんの復帰とともに、なでしこは4名にパワーアップしました!

記念撮影する車椅子なでしこ4人組
試合後にもみんなでパシャリ^^
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アフロ

先天性の脳性麻痺による車椅子ユーザーで、執筆や講演活動を行っている。Try Chance代表。著書『僕にしかできないこと あなただからできること〜障害を忘れられる瞬間を求めて〜』『日々是幸日〜想えば価値!~』 ePARAユナイテッドメンバー。通称・アフロ。

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