ePARAユナイテッド所属・特殊コントローラーを使用した片手プレイヤー、はるです。
2023年3月5日に杉並区主催の「ふれあいスポ・レク体験会」に、サッカーゲームの講師として参加してきました。
車いすラグビーや卓球バレーなど実際に自らの体を動かすスポーツと隣り合わせで、eスポーツをするという面白い組み合わせが心躍る空間を創っていたことは間違いないでしょう！
ゲームの中でサッカー選手としてピッチを駆け回る私たち「ePARAユナイテッド」メンバーは全員が車椅子ユーザーであり、自分の足で走り回るリアルサッカーは出来ません。
しかし、ゲームの世界ではダッシュをしたり、 見事な足捌きでシュートを決めたり自由自在に動き回ることができます。 eサッカーは私たちの「出来ない」を「出来る」に変えるツールなんです。
eサッカーは、車椅子ユーザーだけでなく体力や身体能力に不安を抱える方、高齢な方、小さなお子様など、リアルサッカーに困難さを感じる人々が思う存分スポーツを楽しむことができる可能性を秘めていると思います。
eサッカーは、誰もが本気になれる壁のない空間
今回の体験会でも、障害の有無や年齢、体格差などに関係なく誰もが同じルールでフェアに戦えて手加減なしに本気になれる場が生まれていました！
車椅子ラグビー日本代表の羽賀選手、地域の親子、肩てプレイヤーの私という異色な4人チームも誕生していました。
今ここにある多種多様な関係が当たり前に受け入れられる、包容性の高い壁のない空間を社会全体に広げていけたら素敵だなぁと、希望が生まれた瞬間でもありました。
あたたかい高井戸地域の方々にご来場いただき、 大成功した高井戸地域区民センターでのeサッカー体験会ですが、イベントが始まる前の私には不安なことがありました。
私がePARAユナイテッドに所属して練習を開始したのは2023年1月23日で、 このイベントは2023年3月5日に開催。
eサッカーの楽しめるようになる方法を教える
eサッカーを始めて1ヶ月半！
そんな私がサッカーを教える・・・?!?!
まだ自分の手を動かすことで精一杯の私に何が教えられるのだろうか…
たくさん考えた結果、一つの結論に辿り着きました。
「eサッカーをすぐに楽しめるようになる方法」
これなら、この1ヶ月で私が一番考えてきた自信がある！
難しいことは一旦忘れて、今この瞬間を楽しめる方法をみんなと共有すれば、何とかなる気がする！
サッカーの専門知識はチームの中でも最下位を競うレベルの私がサッカーやeスポーツを教えるのは難しいけれど、 楽しさ実感してもらい、 私も一緒に楽しむ☆
この1ヶ月の私がそうだったように、参加者の皆さんにも「eサッカーの魅力にのめり込んで欲しい」そんな思いで15分という短い時間に全力を注ぎました。 始まる前の不安が嘘に感じるくらい一番楽しんでいたのは私でしょう...笑
正直、15分という限られた時間の中で何を伝えられるのか、どうやったら楽しめるのか未知数でしたし、15分では短すぎて無理なのではないかと思っていました。
が、、、下の写真を見てください。
15分あればeサッカーの魅力を伝えるには十分すぎる時間で、楽しすぎて出会って15分の方々とハイタッチしまくれるほどの関係性を築き上げることができました。
これは、私のコミュニケーション能力が高かったわけではなく、eサッカーが持つ「社会性の向上」に関するポテンシャルが非常に高かったため起こった現象だと思います。
ゲームを通じて「勝ちたい」という1つの目標をみんなで掲げ、メンバー間でコミュニケーションをとりあった結果がハイタッチに繋がりました。 勝利するために最も重要なチームワークを15分間で最高レベルに引き上げてくれるeサッカー。これはただのゲームではなく最高のチームスポーツなんだと体感出来る、素晴らしい機会でした。
課題になるのは、私のゲームやサッカーの説明です。
「パスは青か縁、シュートは赤、選手は左のやつで動く！」
という、情報量少なめの説明に、 参加者の皆さんはたぶん「えっそれだけ?!」と混乱したはず…。
技術については充分に指導できず申し訳なかったと反省しております…。
でも皆さんの能力が非常に高く、こんな指導でもシュートを決めてくれた方やポジショニングが完璧な方、パスコースが最高の方、そしてなんと言っても子供達の吸収力が抜群で、試合の間にどんどん上達してきてくれて安心できました。
ご来場頂いた高井戸にお住まいの方々、企画して頂いた杉並区スポーツ振興財団の皆様、素晴らしい機会を頂きありがとうございました。 また、ePARAユナイテッドの日々の活動をご支援いただいているYogibo様、パソコンをご提供頂いているSycom様、 謹んで御礼申し上げます。
「守ってもらう」存在じゃ物足りない！〜「タックル体験」の衝撃と面白さ
同じ会場にいた車いすラグビーチームのAXE様とも交流させて頂きました。
一番印象的だったのは「タックル体験」です。
車椅子になってから、あんなスリルは感じたことがありませんでした！
選手が近づいてくる迫力、ぶつかった時の体への衝撃と大きな音、どこから生まれたかよく分からない爽快感...どれも最高に気持ちいい！
病気があったり障害があったりすると、どうしても保守的で安全な生活を送ってしまう日々が続くことがあります。周囲から「弱い存在」や「守ってあげるべき存在」として扱われてしまうことも少なくないでしょう。
でもそれでは平坦すぎて、私には物足りないんです！
高いところやジェットコースターなどのアトラクションが好きすぎる私は、普段の生活だけではスリルに飢えているのです笑笑
そんななか、初めて体験した車椅子ラグビーのタックルはかなりの衝撃で楽しすぎました！周囲にいたePARAメンバーからは「音が凄すぎて、はるちゃんが砕けたかと思った」 という感想を頂きました。 eスポーツはもちろん楽しいけれど、 リアルスポーツでしか感じられない体感的な衝撃があることを学び、このスリルはどうしたらeサッカーでも表現できるのか、また課題が一つ増え、考え続けています。
終わりに
今回の体験でeスポーツでもリアルスポーツでも学べることがたくさんあると知れたので、これからは広い視野を持ち、積極的に未知の世界へ挑戦することで自分自身が持っていない知識やスキル、 価値観を身につけて、もっと多くのスポーツと横の繋がりを作り、より多くの人が笑顔になれるスポーツとeサッカーの関りを探求していきたいと思います。
追記：ePARA編集局より
2023ファン感謝デー特別企画FOOTBALL TOGETHER Powered by eFootball™️
バリアフリーeスポーツを提唱する株式会社ePARAと、車椅子eサッカーチーム「ePARAユナイテッド」は、2023年7月16日に川崎フロンターレ主催で実施されるされる「2023ファン感謝デー特別企画FOOTBALL TOGETHER Powered by eFootball™️」に協力・出演します。
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