イベントレポート

未知との出会いにワクワク!全盲のナレーター・関場理生のブラインドeスポーツ体験会レポート

皆様、初めまして。
ePARA Voice所属ナレーターの関場理生(セキバ リオ)と申します。
私は物心が付いた頃から全盲で、もう25年ほど、白杖を使って歩いたり、点字や音声読み上げなどを使用したりして生活しています。

今までePARAさんとのお仕事はオンライン上でしか機会がなかったのですが、今回は初めてAny%CAFEで行われたリアルイベント「ブラインドeスポーツ体験会」に参加させて頂きました!!!
というわけで、この記事では当日の様子や様々なゲームを体験して感じたことをレポートします。
最後までどうぞお付き合いくださいませ。

直前までのドキドキが、会場に入ればワクワクに変わった

当日、私はドキドキしながら品川駅に向かいました。
自分は人よりもゲーム好きだと思っています。が、どちらかというと実況動画を見る方が多く、改めて、実際プレイしたタイトルを数えたら両手に収まるほどしかなかったのです。実のところ、「ブラインドeスポーツ体験会」と言われても、どんなゲームが体験できるのか全くイメージが付きませんでした。
しかも、参加者はほぼ初対面の方ばかり…。LINEで待ち合わせ場所に着いたことを知らせるのすら緊張していました。

しかし、その緊張は徐々にワクワクへと変わって行きました!

まず、一緒に参加したメンバーにたくさんのワクワクをもらいました。
今回、同じePARA Voiceに所属するナレーターの青井レナさんと悠衣さんが参加していました。お二人のキュートさに癒されると共に、話を聞くと、音声を使ったゲームのプレイ経験値も私とそんなに変わらなさそうで一安心(笑)。
ナレーターの先輩である司会進行役のNAOYAさんも明るく盛り上げてくれました。

更に、イベント開始早々に訪れた、30分近い自己紹介タイムの濃さにビックリ!多方面のスペシャリストが様々な熱意や期待を持ってこの場に居ることが分かり、一人一人とお話したくなるような、素敵な出会いを感じました。

ミニオンのキャラクターボイスに大興奮の『ハースストーン』

ゲームを始めると、もっとワクワクして来ました!!
私が最初に体験したのは、『ハースストーン』でした。
酒場で繰り広げられるカードゲームで、PCを使って音声読み上げとキーボード操作でプレイします。
紹介してくれたのはBlind Fortia真しろさんです。「デッキ」の概念すらよく分かっていない私に、操作方法やデッキを選ぶポイント、独特な世界観のある用語も分かりやすく解説してくれました。

デッキを選んで、いざ対戦開始! 今回は入門ということで、酒場のオヤジ(マスター)と戦いました。

真しろさんに解説―というより、言われるがままに(笑)カードを開くと、何やら派手な音が!!どうやらミニオン(使い魔のようなもの)を召喚したようです。

パソコンに耳を近づけて操作する様子
パソコンに耳を近づけ、音を聞きながら対戦

私がこのゲームで一番ワクワクしたのは、ミニオン達にCV(キャラクターボイス)が付いていることです!!!キャラクターの絵が見えない分、ボイスが聞こえた瞬間「おお、強そう!」とか「わー、可憐な感じだ!」とキャラクターのイメージが倍に広がりました。自分自身も役者やナレーターをしているのもあり、改めてゲームのCVに興味を持ちました

対戦結果は、何と勝利!酒場のオヤジを倒しました!
今度は是非、真しろさんのアシスト無しで勝ってみたいです!

もっと知りたい、うまくなりたいと思わせる『ストリートファイター6』

次に体験したのは、今回最も楽しみにしていた『ストリートファイター6』でした。
私は、格闘ゲームをプレイしたことも見たこともほぼ皆無、コントローラーを握るのが初めてという超初心者です。でも、未知の世界なだけに憧れが強く、今作からは音だけでもプレイしやすくなったと聞いて、期待大で臨みました。

解説しながら対戦してくれたのは、ePARAの実里さん。予想以上に多いキャラクター数に思わず「どれを選べばいいんですか?」と質問すると、こちらの要望に合ったおすすめのキャラを教えてくれました。

ソファーに座り、コントローラーを膝に置いて話す2人。
実里さんにいろいろ教えていただきました

音の聞こえを確認したら、早速プレイ開始です!初心者ということで、ダイナミックモードという、攻撃ボタンさえ押せば自動で技を出してくれるモードにさせてもらいました。
対戦中は、とにかくボタンを押すのに必死で、実里さんのリアクションを聞いて何とか戦況を理解するレベル…。対戦後のキャラクターの勝利宣言で
「あ、勝ったんだ!」
「負けたの、いつの間に!?」
という始末でした。
それでも、やはりそのスピード感が楽しくて、ある種の運動を終えたすっきり感を味わえました。

キャラクターを変えて2度対戦させてもらいましたが、1度目は勝利、2度目は大敗でした。
1度目はがむしゃらでしたが、2度めはキャラクター同士の距離を気にしたり、ガードのタイミングを計ったりと、自分なりに1歩踏み込んだプレイができたと思います。敗因は、きっと実里さんが手加減するのをやめたからでしょう(笑)。

対戦後、レナさんも加わって、CVを聞きながら実里さんにキャラについて解説してもらったのも嬉しい女子会でした。思えば、盲学校ではなく一般の学校に通っていた私は、同じゲームをプレイした友達とリアルでおしゃべりする機会は初めてのことでした。
もっとキャラクターについて詳しくなって、強くなって、語れるようになりたいと思いました。

全員対戦で盛り上がった『音戦宅球』

音戦宅球は、iOSでプレイできる新感覚サウンドスポーツアプリです。必要なものはiPhoneやiPadとイヤフォンだけで、コードを交換すれば誰とでも対戦したり対戦を観戦したりできます。操作も、タイミングを計ってタップするだけなので、とってもシンプルで手軽なゲームでした!
タイミングを掴むのに少し時間がかかりましたが、1度掴めるとずっとラリーを続けることもできて面白いです。

対戦には、なかなか個性的なキャラクターを選択できて、どこかで聞いたことがあるような(笑)技名を言ってくれるのも魅力的でした。

始めるハードルが低いので、友達にも薦めてみたいと思っています。ゲームそのものとは関係無い部分ではあるのですが、体験会でお会いした『音戦宅球』の開発者の方が優しくて面白い人達だったのもあって、とても温かいゲームという印象を持ちました。

まとめ~もっともっとゲームについて語りたい

ブラインドeスポーツ体験会では、どのゲームにもワクワクしました。
対戦そのものの楽しさと、やり方を教えてもらったり、感想をおしゃべりしたりする、前後のコミュニケーションの面白さも十分に感じました。同じゲームをプレイする仲間が多いとこんなに楽しいんですね!
そして、声の仕事という意味でもゲームに関わりたくなりました。私も誰かに召喚されたい!!

約20人が写った集合写真

全く知らなかったブラインドeスポーツの世界ですが、ハマってしまいそうな気がしています!!

以上、ブラインドeスポーツ体験会のレポートでした。皆様、最後までお付き合い頂いて、ありがとうございました!

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関場理生

1996年、東京生まれ。2歳で失明し全盲となる。 東京都立総合芸術高等学校舞台表現科3期、日本大学芸術学部演劇学科劇作コース卒業。 2021年、ジェニー・シーレー総合演出『テンペスト―初めて海を泳ぐには―』出演。2022年、神戸アートビレッジセンター主催、手話裁判劇『テロ』出演。 現在、ナレーターとしてePARA Voiceに所属する他、ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドとしても活動している。

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