ePARAを支える人たち 座談会

魔法のソファYogibo×障害の未来を考える-Fortiaパートナー座談会

ePARAとバリアフリープロジェクトチーム「Fortia」(フォルティア)の活動は、さまざまな企業との共創により支えられています。Fortiaの週次ミーティングでの発案をきっかけに、ePARAスポンサーの担当者さまとFortiaが直接お話しする座談会企画が実現しました!

今回の座談会は「快適で動けなくなる魔法のソファ」でおなじみの株式会社Yogibo(ヨギボー)。同社は、社会課題の解決を図る団体への広告出稿を通じてともに課題解決を目指すTANZAQプロジェクトを展開しており、ePARAもメンバーとして参画しています。座談会にはYogibo社から3名の担当者様にご参加いただきました。

Yogibo公式オンラインストア
クーポンコード:EPRA(※1)
※1 クーポンコード「EPRA」を入力してYogiboを購入すると、株式会社ePARAに売り上げの5%が広告費として支払われます。

座談会参加者

株式会社Yogibo様

執行役員 大森一弘様
サステナビリティチーム 佐藤千尋様
サステナビリティチーム 田口優紀様

ePARA/バリアフリープロジェクトチーム「Fortia」

参加者主な障害特性主な使用Yogibo製品
まるぽすアイザックス症候群Yogibo Max
その他多数
GreenBird自閉症スペクトラムYogibo Zoola Pad
Yogibo Neck Pillow X Logo
Moon Pillow
実里後天性全盲Yogibo Max
Jeni筋ジストロフィーYogibo Roll Dot
Yogibo Support
Moon Pillow
Squeezibo
その他多数
いちほまれ網膜色素変性症Traybo2.0
Yogibo Neck Pillow X Logo
希央発達障害(ADHD強め)
双極性障害II型
Yogibo  Zoola Pad
あーりん筋痛性脳脊髄炎
線維筋痛症
Yogibo Mate(Hugo)
Traybo2.0
Moon Pillow
Yogbo Max Premium
アフロ(進行)先天性脳性麻痺Yogibo Midi
Yogibo Caterpillar Roll
Yogibo Mate(Leonard)
Traybo2.0

Fortiaメンバーによる多様なYogibo活用方法

アフロ:自己紹介として、障害特性、ゲームとの関わり、持っているYogibo製品と使い方について教えてください。

まるぽす:アイザックス症候群という、日本に約100人の希少な難病を患っています。この難病には筋肉が痙攣して痛みが出るという特性があり、私は左脚の筋肉にその症状が出ています。2017年にボーナスでYogibo Maxを母親の誕生日に海外から購入しました。それをリビングに置き、犬も含めた家族全員で使ったり、座ってゲームを楽しんだりしています。

薄茶色の大きいソファの上で寝る白い犬
まるぽすさんの愛犬・モカちゃんもすっかりYogiboがお気に入り

GreenBird:自閉症スペクトラム障害という発達障害を持っています。Yogiboは3つ持っていて、Yogibo Zoola Padはゲーミングチェアの背もたれに。Yogibo Neck Pillow X Logoは夜行バスに乗るときなどの枕として、Yogibo Moon Pillowは昼寝用として使っています。

アフロ:Yogibo製品はゲームをするときの相棒にもなるし、ゲームで疲れた体のリラックスにも使えて重宝しています。

実里:生まれたときから視力が弱く、病気が進行して18歳で全盲になりました。2022年にePARAが実施した「クロスライン」という企画で初めてYogibo Maxに座ってとりこになり、今も家でYogibo Maxを使っています。格闘ゲームの練習後に体がガチガチになるのでYogibo Maxで体を休め、15分昼寝するつもりが1時間、2時間寝てしまうこともあります。
Jeni:筋ジストロフィーという進行性の筋疾患を持っており、電動車椅子と呼吸器を使って生活しています。体の調子を整えるうえで姿勢の保持がとても重要で、Yogibo製品は寝るとき以外ほぼずっと使っています。例えば、パソコンで作業するときは腕の下にYogibo Roll Dotを置いています。また、ネックピローを膝に置き、くぼんだところに腕を預けるとうまく姿勢を保持できます。ベッドではYogibo Supportで体を支えています。

出張先で作業中のJeni。赤いYogibo Roll Dotで右手を支えている

いちほまれ:網膜色素変性症という病気で、視野が次第に狭くなる症状があり、今は目の中心部分だけが見えているような状況です。レースゲームを主に行っており、シミュレーターのコックピットに座って作業するときやパソコン作業のときにTraybo2.0を膝に載せて使っています。Yogibo Neck Pillow Logoも持っていて、レーシングドライバーが首の負担軽減のために着けるHANS(ハンス)のように使って楽しんでいます。

希央:ADHDが強めの発達障害があり、二次障害として双極性障害を抱えています。ゲームをプレイするよりは、ゲームをする人を支える仕事に興味があります。長時間のクリエイティブ作業が多く、Yogiboのクッションを枕にしたり腰に入れたりなど、姿勢保持に活用しています。夜になると不安症状とともに体がこわばって呼吸しにくくなることがあり、クッションで体を斜めにして対処しています。

あーりん:筋痛性脳脊髄炎、線維筋痛症などの神経難病があり、車椅子で生活しています。Yogibo Mateのヒューゴ(アライグマ)とともに入院生活を乗り越えたり、ePARAユナイテッドでサッカーゲームをするときにTraybo2.0とMoon Pillowで体勢を整えたりしています。車椅子に乗ったままご飯を食べるときなどもトレイボーを使っています。実家ではYogibo Max Premiumを愛用しています。

Traybo2.0を使用しながらePARAユナイテッドの定期練習会に参加するあーりん

アフロ:生まれつきの脳性麻痺があり、電動車椅子で生活しています。今は肘掛けのある椅子に座り、Traybo2.0を膝に載せてメモを見ながら話を進行しています。Yogibo MidiYogibo Caterpillar Roll Long、Yogibo Mateのレオナルド(ライオン)も持っています。外出先での食事にTraybo2.0を使ったり、ベッドに座るときに座位保持のためにCatarpillar Roll LongをU字にして使ったりしています。

改善したいというエネルギーを商品の進化の糧に

大森氏:皆さんの話を聞きながらアイディアがどんどん浮かんできました。どこかで読みましたが、アレクサンダー・グラハム・ベルは、母親が聴覚障害者だったことをきっかけに補聴器を研究し、そのプロセスから電話を発明したそうです。Yogiboも、創業者が妊婦の妻のために楽に横になれるクッションを開発したことから生まれました。身近な誰かが困っていることを解消したい、少しでも改善したいというエネルギーが社会全体の進化の糧になることは往々にしてあるでしょう。少数の難病だからその人だけの課題だということではなく、社会全体でそれを知り、より良くしようと取り組んでいくことが、社会全体の生きやすさや過ごしやすさを高めていくと改めて感じています。

佐藤氏:私は最近、学校へのYogibo導入などを行っていますが、例えばCaterpillar Roll Longを結んで仮眠に活用しているケースがあるなど、使う人によってまだまだ使い方が無限に広がると感じています。本日も皆さんのアイディアや気付きなどをいろいろと知りたいと思っています。

田口氏:私は主にTANZAQの業務を担当していますが、SNS等で皆さんのいろいろな発信を拝見していて、元気をもらっています。

アフロ:せっかくの機会なので、プレイヤーの皆さんがゲームに関連して、あるいは日常生活で困っていることをYogiboの皆さんに届けて、一緒に解決策を考えていければと思います。

Traybo2.0にコントローラーを置いてプレイするePARAユナイテッドの選手たち

Fortiaメンバーが感じる困りごとと、解決のアイディア

困りごと①起き上がれない

まるぽす:基本的にはどの製品も魅力的で、困っている部分はそんなに見当たらないというのが第一印象です。そうですね・・・、私の障害特性として左脚に力を入れると痛みが走るため、Yogibo Maxに横になってから起き上がるときに両手と右脚しか使えず、脱出できないことがあります。寝返りを打ってソファから転がって、そこから立ち上がったりしています。立ち上がるときに少し力を入れやすいもの、両手でつかまって起き上がれるものがあると、下肢不自由の人にはいいかもしれません。

大森氏:起きるのではなく転がる方が楽というのはありますね。私もよくやっています。力まずに転がるというのは自然な選択肢かもしれません。

アフロ:私はYogibo Midiなどの大きめのクッションを椅子を支えにして置いておき、ヘルパーに上から座らせてもらいます。座るときは抱えた状態から落とすイメージなのでいいのですが、1~2時間後、温まったYogiboから汗ばんだ私を抱き起こしてもらうときに、沈んだところ、埋もれたところから出してもらうのが大変です。

困りごと②熱くなる

アフロ:また、ゲームをプレイするときにTraybo2.0で手首を安定させるのですが、次第に熱くなり、夏の間などは通気性が良くならないかなと考えていました。

大森氏:Zoola(ズーラ)というシリーズでは、少しひんやりする接触冷感素材を使っています。屋外で使用できるようにしているため耐水性もあります。Zoolaシリーズの素材でTraybo、というのはありかもしれません。Trayboに飲み物を載せていて、こぼすこともあるかもしれないので、耐水加工があるのはプラスですよね。

アフロ:脳性麻痺の人は急なことにびくっと驚いたりするので、それはありがたいですね。

希央:車椅子の方が外出するときにTraybo2.0を持って行くという話が出ていますが、けっこうハードな使い方ですよね。しっかりした素材で、アクティブな使い方ができるものがあると面白いなと思いました。

アフロ:以前、GreenBirdさんがネックピローをキャリーバッグに掛けていましたが、あれは旅先に持って行きやすそうですね。

GreenBird:以前は夜行バスで寝ると首が痛くなっていましたが、ネックピローを使ってからは痛くならなくなりました。

アフロ:GreenBirdさん、いちほまれさんは、長時間ゲームを続けることが多いプレイスタイルだと思いますが、そうしたときにYogiboがうまく助けになるということはありますか?

GreenBird:はい、私は背もたれとしてよく使っています。

いちほまれ:待ち時間があったり、メモを取ったりすることもあるので、ネックピローをしていると首や肩がとても楽です。レーシングゲームの運転中はずっと着けています

アフロ:熱くなることはないですか?

いちほまれ:私はあまりないですね。ゲームに集中していて気付かないのかもしれませんが。

まるぽす:全般的にビーズクッションは中の空気が温まって熱く感じることがあると感じています。北海道に住んでいるのですが、ストーブを付け、床暖房も付けた上にYogiboを置いて寝転ぶと、真冬なのに寝汗をかくこともあります。ただ、私の障害特性として、脚を冷やすと症状が出やすくなるため、熱さを感じるからといって冷たい素材に変えることもなかなかできません。それでも皆さんの話を聞いて、ネックピローいいな、使いたいなと思いました。ゲームが大好きで、長時間プレイしていて首回りが非常に疲れることがあるので、ネックピローといっても少し大きめで、しっかりと姿勢保持ができるものがあるとうれしいです。首回りと肩周りをホールドしてくれるようなものですね。

あったらいいな、こんなYogibo

アイディア①:デスクワーク中の手に巻くYogibo

Jeni:私からも提案があります。普段ずっとパソコンに向かって作業をしているのですが、マウス操作で手首が疲れてしまい、アームレストが欲しいと思うことがよくあります。私の場合、机で腕を支えながら作業することが多く、負担軽減策をいろいろと試しました。Squeezibo(スクイージボー)は小ぶりなので試しましたが、手首よりも小さかったので、手首や腕にちょうどいい大きさの製品があるといいのではないかとずっと思っていました。小判型などよりは、Yogibo SupportのようにU字で小さいものがあるといいのかなと。

希央:私も手首のところにYogiboのクッションが入ったマウスパッドが欲しいです。私の場合は手が震えるため、手首を机に付けないとマウスを操作できません。腕を浮かせることができないんです。1日中ゲームをしたり、グラフィックデザインソフトで数時間作業したりしていると、手首がかなり痛いです。クッション付きマウスパッドはよく見かけますが、あれがビーズだったら楽なのにと思っています。FPSプレイヤーや私たちクリエイティブユーザーはマウスを1日に何時間も握っているので、これがあると嬉しいですね。

モータースポーツ愛にあふれた希央の作業デスクとYogibo Zoola Pad

大森氏:少し違うかもしれませんが、Yogibo Zipper Roll(ヨギボージッパーロール)は車椅子ユーザーが腕を置く場所としてはいいかもしれません。腕に巻くか、それとも車椅子の手すりに巻くか。また、マウスパッドの話に関しては、普通のマウスパッドではなく、どこでも手を休められる小さい形状のアイテムがよさそうな感じですね。

まるぽす:リストバンド方式はどうでしょう。

希央:Yogiboリストバンド、いいな。

大森氏:腕に着けるという選択肢はありかもしれませんね。用途も広がります。手首に着ければ、マウスパッドにもなるし、車椅子に乗るときや机に手を置くときも楽だし、字を書くときも楽かもしれません。

まるぽす:Yogiboのクッションは滑りがいいので、手を動かしたいマウス操作には特によさそうです。

アフロ:値段やサイズ感としても、イベントなどでプレゼントしやすそうですね。

まるぽす:皆でイベントのときにリストバンドを着けてもいいですね。

アイディア②:既存の椅子に装着するYogibo

アフロ:実里さんは視覚障害者の視点で何かありますか?

実里:視覚障害者としての観点ではないかもしれませんが、少し前に「心眼PARTY」という企画を実施し、Yogibo Neck Pillow X Logoと付属のアイマスクを着けてストリートファイター6をプレイしました。初めてYogibo製品を使ってゲームをプレイしましたが、とてもいいなと思いました。仕事ではYogibo Maxに座ってパソコン作業をすることもありますが、ゲーム、特に格闘ゲームはしっかりとした椅子に座らないと難しいと感じています。Yogiboに全身を包まれた状態でゲームができたら体も楽そうなのですが・・・。ダイニングの椅子に載るくらいのサイズ感で、分厚すぎず、かつ包まれるようなものがあると、持ち運びもできていろいろな椅子に座りながら使えるので、いいなと思っています。

視覚情報に頼らないゲーム交流会「心眼PARTY」でネックピローと付属品のアイマスクを着けて戦う実里(右)

大森氏:椅子に置くイメージですか?それとも、椅子の代わりに使う感じですか?

実里:椅子に置きたいです。目が見えない場合、どこかを見つめながら作業することがありません。そのため、変な姿勢で長時間作業してしまうことが多く、気付くと背中全体が凝り固まっていることがあります。

Jeni:長いZipper Rollのような形で、椅子に固定できるといいのかなと思うのですが、どうでしょう。

まるぽす:Zipper Roll同士はくっつけることができますよね。

大森氏:Zipper Rollを連結し、椅子に掛けることはできそうですね。普通の椅子の座面と背もたれを両方カバーし、実質Yogibo化できそうです(笑)。そういう使い方も提案してみると面白いかもしれませんね。

個別の課題を糧に、共通課題の解決へ

大森氏:今日はいろいろとお話を聞かせていただき、いろんな新しい気づきをいただきました。ePARAとコラボした商品開発などもできたら面白いかなと感じました。ePARAが多様な企業と障害当事者の方をつなぎながら、ただアイディアを出すだけでなく実際に広めていく、そしてその収益が課題解決の資金になっていくような道もありそうです。
一人ひとりが生活の中で感じているストレスを解消したいという強い熱量が、世の中をより良くする商品が生まれる原動力になってきたはずです。引き続きこのような取り組みが進化していったら素敵だなと思いました。

Yogibo公式オンラインストア
クーポンコード:EPRA(※1)
※1 クーポンコード「EPRA」を入力してYogiboを購入すると、株式会社ePARAに売り上げの5%が広告費として支払われます。


すでに多様なYogibo製品をそれぞれに合った方法で活用しているFortiaメンバー。1時間半という限られた時間の中でさまざまなアイディアが飛び出しました。

Fortiaメンバーが持つ障害も、抱えている課題もさまざまです。もちろん、社会にはさらに多様な障害当事者の方がいらっしゃいます。母親のための補聴器の研究から電話が生まれ、妊娠した妻が楽に寝られるようにするための工夫からYogiboが生まれたように、Fortiaメンバーの困りごとを個人の課題として留めることなく、共通の課題解決につなげていけるよう、”バリアフリープロジェクトチーム” であるFortiaの活動・発信が続いていくことを期待しています。

株式会社Yogiboの大森様、佐藤様、田口様、このたびはありがとうございました。

座談会参加メンバー

-ePARAを支える人たち, 座談会
-

© 2024 ePARA