日本PCサービス株式会社はパソコンをはじめとするIT機器の総合サービスを展開する企業です。IT関連機器の専門技術部隊「ドクター・ホームネット」の運営も行っています。
そんな日本PCサービス株式会社では社内eスポーツの取り組みに力を入れています。
本業とeスポーツのシナジーを生み出している秘訣をePARAが取材させていただきました。
お話しくださった方
ビジネスソリューション事業本部 取締役本部長 濱﨑慎一様
広報担当 沖祐生様
社内eスポーツチーム発足の経緯についてお聞かせください。
・濱﨑さん
まずは当社の事業を説明致します。メインの事業としてはPCの訪問修理です。
eスポーツが流行り出す前から、ゲーミングPCの保有者向けのメンテナンスサービスを行なっていました。具体的には、電源ユニットの交換や、自作パーツの組み立てなど、PCの使用に関わる全般的なサポートをしています。eスポーツチームの発足は、この事業と関連性がある取り組みであるためスタートしました。
今後eスポーツの盛り上がりに伴いゲーミングPCの普及がなされていくと、ハードウェアの保守のメンテナンスができるような存在が必要となります。そこにしっかりお応えしていくためにも、社内のメンバーにもeスポーツに携わってもらいたい。そのような考えからチームの発足に至りました。
eスポーツチームはいつ発足されましたか?
・濱﨑さん
当社では社内部活の制度がありまして、eスポーツ部を昨年度の9月からスタートしています。eスポーツ以外にも、ゴルフ部、写真部や映画部などがあります。
会社では北海道から九州まで拠点がありますので、地方拠点だとオンラインでは出来ないスポーツには参加できません。ただ、eスポーツは全国から参加が可能です。
北海道のメンバーが積極的に発信をしてくれたりとコミュニケーションが全国に拡がっています。メンバーは10名(本社が6名、地方拠点4名)いますが、今後も参加メンバーを増やしていきたいと考えています。
eスポーツチームをスタートしてよかったことは?
・濱﨑さん
コミュニケーション面が一番ですね。コロナで社内で集まる機会は減りましたし、オンラインでeスポーツを通じてコミュニケーションが活発化したことがとてもよかったです。
eスポーツを通じて、今後も社内コミュニケーションが活発となればと期待しています。
普段はどんなゲームを行なっていますか?
・沖さん
アフター6リーグへの参加のきっかけもありましたが、ウイニングイレブン、PUBGなどのタイトルをプレイしています。だからといって特定のゲームしか行わないということはなく、参加メンバーの要望を取り入れて決めていきたいと考えています。
事業としてもパソコン初心者から自作ユーザーまでさまざまなお客様に対応していますので、社内でも障壁を設けずにフラットにeスポーツを楽しむというスタンスは大事にしています。
流行っているeスポーツとして耳にする機会はあるものの、敷居が高くなってしまうと参加しにくくなってしまいますので、やってみようかなという気持ちを大切にしたいです。やって楽しむということを続けていきたいです。
社内的な認知を広げるための工夫とは?
・沖さん
社内の大会はまだ実現できていないのですが、社内報で情報伝達を行っています。時期によっては部活の紹介を行うなど、頑張っているメンバーにスポットライトをあてるなど取り組んでいます。
今後の取り組みについて
・濱﨑さん
企業として、本格的なチームにしていきたいと考えています。個人的にはeスポーツチームのプロプレイヤーを迎え入れたいとの展望もあります。ユニフォームも作ってみたいです笑
eスポーツの取り組みを行う強みは?
・濱﨑さん
eスポーツがきっかけで、新卒採用において応募者が集まりやすくなっています。
ゲーミングPCなど扱うことも多いため、ガジェットに関心がある候補者への訴求力が高まっているのだとおもいます。特にAPEXが人気ですね。eスポーツの発信によって採用力が向上できています。
採用力の向上とは
・濱﨑さん
日本最大級の専門学校と連携しています。豊富な講座のなかに、eスポーツのプロを育てるというコンセプトでパソコン整備士の資格の講座も有しています。
その講座の『パソコン整備士に関する講義』を当社が担当しています。学生の方々にPCメンテナンスの基礎を教え、面白さを理解いただくことで採用力の向上につながっています。
実は、PCメンテナンスはeスポーツのプレイングと密接な関係があります。F1レーサーがマシンに乗車する際にマシンの挙動を理解する必要があることと一緒で、eスポーツプレイヤーもPCの専門性や基本構造、ネットワークの知識を身につけておくとeスポーツの対応力が高まります。
その対応力やITリテラシーの向上にも一役買っているということを理解いただけると、学生の方々はとても関心を高めてくれます。
eスポーツの取り組みにあたり困っていることはありますか?
・濱﨑さん
課題としては収益化でしょうか。
構想として、対施設側(eスポーツの大会運営など)に対し、保守管理やメンテナンスの提案を行っていきたいです。今後、こういった施設さまはどんどん増えていくように感じています。
一つのPCに80-100個ほどのアプリが入りPCの数も数十台となると、メンテナンスや管理が追いついていないというお話しをよくお聞きします。そういった困りごとを解消できるようなサービスを提供していますので、サービスの提案や認知度向上を実現したいです。加えて、対ユーザー(PCを活用するエンドユーザー)に対するサービス訴求もしっかり行っていきます。PCの組み立て方がわからないユーザーは多く、そういったご要望にも応えていきたいです。
提供できる価値について
・濱﨑さん
中古のゲーミングPCを取り扱っていることも大きいです。
eスポーツを試したい方にとって、いきなり新品というのはどうしても敷居が高くなってしまいます。まずは試してみたいという要望に応えていきたいです。ライト層に向けた支援も行っていきます。
値段としては、機能にもよりますが新品の半額くらいで購入できます。
1からパーツを組もうと思うと、近年ではグラフィックボードの値段が直近2−3割上がってきてしまっていますので、リーズナブルに構築できる手段をアドバイスできるということも大きな価値となり得ると考えています。
今後のeスポーツチームの理想についてお聞かせください。
・沖さん
人数を増やしていきたいですね。そのうえで、業界で認知度を向上していきたいです。eスポーツ業界のなかで、しっかり認識してもらえるような段階まで知名度を引き上げていきたいです。
そのため、イベント参加なども積極的に行っていきます。今後の私たちの取り組みに注目してください。
取材を終えて
eスポーツチームが本業においても大きなシナジーをもたらすということが理解でき、インタビュアーとしてもとてもワクワクするお話しでした。
専門学校で講義をされることで採用力の向上にも繋げていらっしゃるということも、とても先進的なeスポーツの活用方法だと感じます。
今後もeスポーツの取り組みを社内外に発信されていきたいとのご意欲をお持ちの日本PCサービス株式会社の取り組みに注目してください!
濱﨑さん、沖さん、ありがとうございました!