代表インタビュー 企業eスポーツチームインタビュー

eスポーツ観戦が文化になる時代に向かって「広島 TEAM iXA」(広島チームイクサ)

広島 TEAM iXA eスポーツインタビューロゴ

ePARA代表・加藤大貴が、eスポーツやゲームに関わる様々な方にインタビューする不定期企画。
今回はePARA代表加藤大貴がeスポーツチーム「広島 TEAM iXA」の板垣護代表に、eスポーツに携わることになったきっかけや今後の展望について、お話をうかがいました。

ゲームを極めても認められない社会に対して

広島TEAM iXAの代表取締役・板垣護氏。

加藤:板垣さんはどのようなきっかけでeスポーツ事業を始められたのでしょうか?

板垣:私自身、18歳の時からずっと、ゲームに携わる仕事をやってきています。その中で、「ゲームを極めても社会的に認められることがない」、コミュニティの中で認められることがあっても、局所的なものだということに課題を感じていました。「ゲームが上手いことに価値がある社会」というのが私の理想としてあったのです。

加藤:もともと理想として「ゲームが上手いことに価値がある」状態というのを考えられていたのですね。

板垣:そうです。そして、2018年ごろから、行政が絡んだeスポーツイベントが始まったり、JeSU(日本eスポーツ連合)ができたりと、ゲームからeスポーツへの流れがグッと加速し始めました。プロライセンス制度ができたりすることで「eスポーツ経済圏」のようなものもでき始めて。業界や関係者の間でも「やるしかないぞ」という雰囲気が出てきました。その辺から風向きが変わったなと感じています。

加藤:それ以前は、どんな雰囲気だったのですか?

板垣:それまでは結構批判されていました。僕自身もそうですけど、eスポーツという言葉の一般化する以前は、「ゲームが上手いことに価値がある世の中を作りたい」と言ったときに、周囲からは「いやそんなの絶対来ないからやめておいた方がいいよ」と返され続けてきました。

加藤:確かに、eスポーツという言葉が出てくる以前から、ゲーム大会はありましたよね。

板垣:ありましたね。ゲーム業界に長くいますけど、規模を問わず、昔からありました。ゲームセンター毎とかキャラバン大会のようなものとか。業界の先輩や同年代にもそう言った大会を経験してきた人がたくさんいます。要は、過去にそういうゲームを盛り上げるために大会をやったり、そこからプロが生まれないか試みたりする人がいましたが、否定され続けてきた時代があったわけです。ほんの3、4年前までそんな感じでしたよ。

加藤:その時代の流れの中で、チーム結成に至られたのだと思うのですが、経緯を教えていただけますか?

板垣:準備自体は2018年に始まっていて、2019年にスタートしました。私自身は別会社でプロチームの経験とかもあったので、ピポットした形です。

加藤:タイトルはどのようなものを扱われていますか?

板垣:主に「ストリートファイターV」、「クラッシュ・ロワイヤル」、「ロケットリーグ」、「VAROLANT」などです。「ブレイブルー」という格闘ゲームのシリーズも扱っています。各タイトル合わせて、チームに24人ぐらいが在籍しています。

ゲームを観戦することが当たり前の時代に

加藤:チームとして、eスポーツの世界でどういう立ち位置であろうという、共通認識みたいなものはありますか?

板垣:少し話がずれるかもしれませんが、「ゲームが上手いことに価値がない」と言っていた人たちは基本的に年配の方々でした。しかし、私の世代やファミコン世代の人達は、ゲームに対する偏見のようなモノは特に無く、おじいちゃん・おばあちゃんになる頃には、「ゲームを観戦しながら余生を過ごす」みたいな世の中が普通に来るんじゃないかと思っています。そんな仮説を持っているので、「ゲーム観戦で余生を過ごす時代に、応援してもらえるようなチームであろう」という考えは持っています。

加藤:ePARAも、おじいちゃんおばあちゃん世代にeスポーツを楽しんでもらえる時代は近いと考えています。

板垣:たとえば甲子園とか、野球やってなくても見る人がたくさんいるじゃないですか。あとカープ女子のように「選手がかっこいい」などの理由がきっかけで入っていく人もいますよね。そういったきっかけで入って、「なんとなく見て楽しい」という流れはできています。それがeスポーツにも来ると思っていて、タイトル選びもそうなり得るゲームを選んでいます。具体的には、ゲームをあまりやらない私の妻が見ても、「なんとなくわかる」というというのは基準にしていますね。

加藤:eスポーツのファンとして楽しむときに必要な、スタープレイヤーの発掘・育成についてはどのように考えられていますか? やっぱり物語性が必要なのでしょうか?

板垣:大会は非常に大事だと思っています。選手は、大会で活躍するために頑張る、そこに結果が上乗せされてストーリーが生まれる。そのストーリーが見る人を惹きつけることでスター選手が生まれるのではないかと考えています。

eスポーツ新時代への試み「iXA CUP(イクサカップ)」

加藤:板垣さんが取り組まれている「iXA CUP(イクサカップ)」について教えてください。

板垣:「iXA CUP」は、賞金制のeスポーツ大会です。といっても、正直にいうと他の大型大会ほどの華やかさはありません。設備とかにお金をかけず、できる限り手作りでの運営を行なっています。なので、他の大会と比べると、独特の泥臭さがあるのではないかと感じています。コストを抑え、実のある、みんなが盛り上がる場所を作るっていうことに注力する。のちのちは「iXA CUP」で優勝したことがその人の実績になるような立ち位置にしていきたいですね。

加藤: 「勝敗予想」の取り組みについて教えてください。

板垣:ブロックチェーンを活用したクラウドファンディングを行なっているフィナンシェ社と、ファンマーケティングの会社であるチアード社と合同で、『iXA ENGINE(イクサエンジン)』という仕組みを開発しました。簡単にいえば、勝敗予想をすることで、選手だけでなく、予想があたった観戦者にも賞品となるトークンが与えられるシステムです。
フィナンシェ社にはこれまでもスポンサーとして関わっていただいていたのですが、より一層一緒に何かできないかということで、『eスポーツ×ブロックチェーン』の取り組みを考え始めました。
そこに、チアード社の勝敗予想システムを取り入れることで、大会そのものの資金調達と、選手・ファン・観戦する人たちへの還元が同時にできる仕組みが出来上がりました。

加藤:法律的にもなかなか難しい部分も多かったのではないでしょうか。

板垣:もちろん、そこは大変でした。でも3社共同で緻密に練った上、社会に送り出しています。自信を持って進めているプロジェクトです。

加藤:ありがとうございました!これからの広がりに期待しています!

第十一回iXA CUP告知画像。

インタビューを終えて:『eスポーツ観戦が自分ごとになる時代』にむけて

今回のインタビューでは、eスポーツ観戦がもっと身近なものとなる未来を見据えた、板垣さんの想いがひしひしと伝わってきました。選手・運営だけでなく、観戦者側も巻き込んだ大会がこれからの時代のeスポーツをより一層、面白くしてくれるのではないでしょうか。
今回インタビューにご協力いただいた、「TEAM iXA」の板垣さん、お忙しいところご協力ありがとうございました!

参考URL

インタビューチーム: 広島TEAM iXA
 Twitter: https://twitter.com/esports_TeamiXA

広島TEAM iXAのTwitter壁紙。

インタビュアー:加藤 大貴(バリアフリーeスポーツePARA代表) 
Twitter: https://twitter.com/koken_3
Facebook: https://www.facebook.com/koken3Kato
国家公務員を辞めてまで実現したかったこと~ePARA代表加藤が振り返る~

インタビュアー兼 編集:希央 (ライター)
Twitter: https://twitter.com/FClaustra

-代表インタビュー, 企業eスポーツチームインタビュー
-,

© 2021 バリアフリーeスポーツ「ePARA」(イーパラ)