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イベントレポート

手掌多汗症のtora ~それでもTeam-BASE でFPSがやりたい~<ePARA CHAMPIONSHIP特集③>

2020年10月17日(土)13時よりバリアフリーeスポーツ社会人チームチャンピオンシップ第1回ePARA CHAMPIONSHIP version:Aim Highが開幕します。パラeスポーツプレイヤーを含めたメンバーで構成される社会人チーム4チームが集結し、10月17日・11月22日の二日間にわたって熱戦を繰り広げます。

第3回は、 ePARA CHAMPIONSHIPのpart1、CALL OF DUTY: MOBILE(5 vs 5 チーム戦)にBASEチーム代表として参加するtoraさんの手掌多汗症に関する寄稿記事をお届けします。

手掌多汗症とtora

手掌多汗症とは?

多汗症は、腋の下、手のひら、足の裏、頭部などに異常に発汗する病気です。手掌多汗症は漢字の通り多汗症を発症する部位が手掌で、手のひらに日常生活をするうえでいろいろな障害をもたらすほど発汗する病気です。本人にとってはコンプレックスに感じていても大抵は大きな問題としてわかってもらえません。親や知人に相談しても、「お前は汗をかきやすいんだ」などと相手にされることなく済まされてしまいます。不自由を感じることが多くても解決する術がなくそのまま時が過ぎて、常に手の汗をかくことがだんだんストレスになってきたりもします。

 手掌多汗症で困ったこと

一番困ったことは、握手ができないことです。「握手をしなければいいじゃないか」と思う方もいるかと思いますが、学生の頃は授業の一環で、体育のダンスだったり、体育大会でどうしても手をつながなくてはならないときがありました。「なんか今日汗やばいわ」なんていって誤魔化して、次の同じ、授業は休んだこともありました。周りは手の汗がひどいんだといっても多少の感覚でしか受け止めてくれません。その感覚のまま握手をしてしまうとびっくりされて軽蔑されたこともありました

次に、配布物の手渡しです。学校ではよく配布物を前から後ろに配ることが多いと思います。私が後ろに渡すと、「このプリント、濡れてるんだけど」と言われることがありました。私は常にハンカチや拭くものを用意しておき、配布物を手渡す前に自分の手を拭うなど、自分なりに工夫していました。

そして厄介なのは、手汗が原因で物を壊してしまうことです。特に当てはまるのがゲーム機材です。私は中学生から高校生までコントローラーでゲームをしてきましたが、汗で合計5台のコントローラを壊しました。汗でボタンが作動しなくなったり、汗で滑ってコントローラーを落として壊れたり。コントローラーが壊れることはあるにしても、汗で何台も壊れることは珍しいのではないでしょうか。

手掌多汗症でもFPSがやりたい

toraの手掌多汗症対策

私をいつも悩ませる、異常な手汗。コントローラーやマウスをうまく握れなかったり、ボタンが滑って押せなかったりしてうまく戦えず、不本意な負けを経験することも多くありました。「どうすれば自分が満足のいくFPSができるだろう」と悩みました。

そこで行き着いたのが手袋の利用です。手袋で汗の影響を最小限にしようという試みです。最初は布の手袋をしてみたりしましたが、指先の感覚が全く変わってしまい、コントローラーの操作がうまくできませんでした。次に試したのがプラスチック製の手袋です。それは手汗をかくことによって手に張り付くようになって操作性が良くなることが分かりました。

プラスチック製の透明な手袋をした左手の写真。toraの手掌多汗症対策。コントローラーやマウス、キーボードを操作する時に使用する。
toraの手掌多汗症対策①プラスチック製の手袋

しかし、スマートフォンのFPSとなると、プラスチック製の手袋だと操作が不可能になります。かといって布製に変えてしまうの自分の思い通りの操作ができません。そこで考え付いたのが下の写真のような手袋です。プラスチック製の手袋をはめて、操作する指先少しだけ切っています。手汗はもちろんかきます。しかし汗によるプレイへの影響はだいぶ軽減されました。

プラスチック製の透明な手袋をした左手の写真。指先だけ手袋を切っている。toraの手掌多汗症対策として、スマートフォンのゲームをプレイする際に使用。
toraの手掌多汗症対策②指先だけ切ったプラスチック製の手袋

手掌多汗症対策のグッズにも期待

このようにして工夫してきたのは、やっぱりFPSが好きだからです。手掌多汗症の苦しさよりも、FPSの魅力、オンラインで友達とおしゃべりする楽しさ、チームワークで掴む勝利などの興奮を味わいたい気持ちが勝っていました。だから手掌多汗症で困ることが多くてもここまで続けてこれたのだと思います。自分のような手掌多汗症で悩んでいる人のために、汗を抑制するようなマウスやキーボード、コントローラが発売されたら嬉しいです。また、今ではスマートフォン操作用の、指サックなどもあったりしますが、どんな手袋をしていても操作ができるスマートフォンがあれば、手掌多汗症に悩む人に限らずさまざまな人が活用できると思います。

ePARA CHAMPIONSHIPに向けて

Team-BASEは2020年10月時点で、コーチ含めて6人で活動しています。Team-BASEは、ただゲームが好きな人を募って作り上げたチームではなく、メンバー6人それぞれに繋がりがあって結成されたチームです。障害を持ってるメンバーもいれば、外国人だけど小さい時から日本にいるメンバーもいます。人それぞれ異なる背景・環境のメンバーが集い、楽しみながらも全力でプレイしています。

最近は10月17日に開幕するePARA CHAMPIONSHIPに向けて、part1のCALL OF DUTY: MOBILEをメインに活動しています。part1のCALL OF DUTY: MOBILEは5対5のチーム戦で3試合×3Roundを行うチーム戦で行われます。Round1はHardpoint、Round2はSearch and Destroy、Round3はDominationと、3ラウンドとも基本ルールが異なります。相手チームの出方を考えながら、Team-BASEでどのように作戦を立てて戦っていくかなどを日々話し合い、研究しております。本番までにTeam-BASEのベストな作戦を築き、必勝態勢で挑みたいと思います

今後、一人のTeam-BASEの選手、一人の手掌多汗症を持つゲームプレイヤーとして「このチームにこんな人がいるんだな、病気もっていても工夫すれば楽しく自分のやりたいことをやれるんだな」ということをもっと知ってもらえるようになりたいです。Team-BASEとしての活動の幅を広げていく中で、病気を持っていても全力で楽しんでいるtoraというプレイヤーに注目していただけるようになれたらと思っています。



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tora

パラeスポーツアスリートのyujikunとTATSUYAも所属するTeam-BASEのメンバー。北海道在住、手掌多汗症のゲーマー。

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