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ePARA大会 イベントレポート

アイザックス症候群のゲーマー・まるぽすのePARA CHAMPIONSHIP観戦録

まるぽすと申します。初めて寄稿させていただきます。2018年の4月に「アイザックス症候群」という難病を発症し、現在闘病しながら大好きなゲームを遊んだり配信したり動画投稿したり。あとは入院、自宅療養、たまに職場に顔を出しながら楽しく生活させていただいています。

「アイザックス症候群」は自己免疫疾患の1つで、自身の免疫が筋肉を攻撃してしまう病気です。僕の場合、自分の意志と関係なしに左足が激痛を伴って激しく痙攣してしまいます。何が厄介かというと、2020年現在「アイザックス症候群」の発症者は日本に100人程度しかいません。

日本の人口は1億2650万人なので、確率で表すと0.00000079%です。年末ジャンボの2等が当たるのが0.0000003%なので、ほぼ一緒ですね。そのため治療法がなかなか確立しておらず、全世界の論文や症例を引っ張り出して薬を総当たりで試しているような状況です。半年~1年間は効果があると言われた薬も2か月で切れ始めたり、様々な治療を試すも継続した効果が見られず…、相当な難治性のようです。

たぶんアイザックス×難治性で年末ジャンボの1等くらいのレアな状況になれたかな?そんな状況ではありますが、持ち前の明るさでワイワイギャーギャーゲームしてます。

ePARAとの出会い、練習試合観戦、観戦会

ePARAとの出会いは1つのリツイートからでした。僕自身「スプラトゥーン2」をよくプレイしたり、その拙いプレイを配信したり、数回大会まで開催させていただきました。そのころからの付き合いである、耳の聞こえないフォロワーさんが、「ePARA」についてリツイートをされていたのです。eスポーツのパラ競技か!なるほど!と反応を示したところ、代表である加藤さんに反応していただき、「ぜひとも部活動に観戦に来てください!」とお誘いをいただきました。

成り行きで部活動に参加させていただくこととなり、自分自身競技としてのゲームというよりは勝ち負け関係なくワイワイ楽しくゲームができればそれでいいというスタンスだったので、どのような心持ちで部活動に顔を出せばよいのか、ドギマギしながら初参加させていただきました。

それは、ePARA CHAMPIONSHIP前半戦の2週間前。team-ePARAとteam-BASEの練習試合。ゲームタイトルは「CALL OF DUTY: MOBILE」。CALL OF DUTY自体は知っている程度でしっかりとプレイしたことはありませんでした。しかもこれはモバイル版、どこかそう侮っていたのかもしれなかったです。

繰り広げられる激戦を観戦して、度肝を抜かれました。
どうしてタップ操作でこんな激しい操作ができるんだ!?

いつも声が大きいのですが、初めて試合を見たときはいつもの数倍の声が出ていたと思います。試合を観戦する中、Team-ePARAとTeam-BASEの練習試合の通話をこっそりと聞かせていただいてました。他の似たようなジャンルのゲームをそれなりにプレイしている自分からして、Team-ePARAの会話量が圧倒的に少ない…。そう感じました。Team-BASEは自分が知っている所謂「トップを目指すチーム」のような、位置関係の報告や、自分がこっちに動くからカバーが欲しいなど、簡潔でいて的確な報告をされていました。

試合終了後、観戦してみてどうでした?と感想を求められたのですが、出しゃばりも出しゃばり、上に書いたような報告に明らかな差がありましたといわせていただきました。Team-ePARAはくらげ選手のような聴覚障害のある選手がいることもあり、すべてを声による報告で補うことはできません。そういった部分は、あらかじめ打ち合わせした立ち回りをする、またゲーム内で「ピンを刺す」といったゲームシステムを活用するなどで解消できないかとも提案させていただきました。

今考えれば、今日来たばかりのぽっと出の若造が真剣にプレイされてる選手の皆さんに対して「報告もっとして!」なんて失礼極まりないですね…。ただ、そういった外野からの意見を受け入れてくださった上で、大会に向けていろいろと練習していきますとおっしゃってくださいました。

ePARA CHAMPIONSHIPとは?

ePARA CHAMPIONSHIPについて最初に聞いた時は、「eスポーツのパラ競技版で、その企業交流戦」というくらいにしか感じていませんでした。

しかし、Team-ePARAとTeam-BASEの練習試合に始まり大会の観戦会に参加する中で、とても熱量がこもった大会であると肌で実感しました。

「ePARA CHAMPIONSHIP」を一言で表すならば、「壁をぶち破るもの」です。その壁は自分自身の「障害」であり、「対戦相手」であり、「世間の常識」でもあります。戦う相手はもちろんのこと、自分自身が抱える障害に勝ちたいという強い気持ち、そして大会を通して「ハンデを持っていようが俺たちはここまでできるんだぞ」ということを伝えたい、様々な感情があるのではないかなと感じました。

あくまで僕はチームePARAの応援団として大会に臨む立場でしたが、練習に立ち会った2チームを見る中で、相当な熱量があるのだろうと大会が始まる前から緊張していました。

ePARA CHAMPIONSHIP前半戦:CALL OF DUTY: MOBILE観戦録

Team-ePARAは選手のほか、応援団がDiscordに集合して観戦しています。私も選手でもないのに手汗でマウスをびちゃびちゃにしながら、応戦通話に参加しました。

今大会で使用されるルールは3種類。
・HARDPOINT
・SEARCH & DESTROY
・DOMINATION
この順に行い、先に2つのルールで勝利したチームの勝利となります。
全試合観戦しましたが、開幕戦のTeam-ePARA 対 くらん愛しとーとの1戦にしぼって観戦録をまとめます。

Team-ePARA 対 くらん愛しとーと

ePARA CHAMPIONSHIPの初戦は、チームePARA対クラン愛しとーと。私は緊張感でいっぱいでした。
Round.1のルールはHARDPOINT。HARDPOINTはいわゆる陣地取りゲームなのですが、陣地の位置が1分ごとにステージ内で変化していきます。合計150秒間陣地を維持し続けたチームの勝利です。

ePARA CHAMPIONSHIP初戦、Team-ePARA対クラン愛しとーとの第1ラウンド結果。150vs0でTeam-ePARAの勝利。

Team-ePARAが下馬評を覆してストレート勝ち!Team-ePARAの応援団は割れんばかりの大歓声!僕も観戦していて我が身のように喜んでいました。

Round2のルールはSEARCH & DESTROY。攻撃側、防衛側と攻守に分かれて4本先取で行うルールです。攻撃側は爆弾を設置しその爆弾が爆発すれば勝利、反対に防衛側は爆弾を解除するもしくは制限時間内に爆弾を設置させなければ勝利となります。このルールは他のルールと違い、リスポーン(倒された後復活すること)がありません。それによってかなり慎重な立ち回りが要求されるのですが、開始1本目はTeam-ePARAの全滅によってクラン愛しとーとの勝利となりました。

Team-ePARA vs クラン愛しとーと Round2 eサプリ公式選手のスナイパーライフル

しかしそこから、Team-ePARAが3本目・4本目と連取し、Round2を2対2のイーブンに戻しました。そしてそこからがチームePARAの本領発揮でした。

聴覚障害を持つくらげ選手が中心となってボムを持って移動し、4人でB地点に即設置。A地点に圧倒的な実力を見せつけたジジ選手を単独で配置し、ジジ選手が相手選手を一人で引きつけるという作戦が見事に決まりしました。応援団のなかでこの作戦に気づいたとき、練習試合のときからのチームとしての進化が感じられ、とても感動していました。その後もジジ選手のジャンピングクイックスコープ(覗き込んですぐ打ちぬくこと)が炸裂したり、4連キルが炸裂したり、とんでもない実力を見せつけ応援団だけでなく観戦席、そして見てくれた視聴者の方々も沸かせてくれました。

Team-ePARA vs クラン愛しとーと Round2 ジャンピングスコープを決めるジジ選手

Team-ePARA 前半戦:CALL OF DUTY: MOBILEの試合結果

ePARA CHAMPIONSHIP大会出場チーム紹介では発展途上のダークホースとして位置づけられていたTeam-ePARAですが、前半戦2位という好成績でした。ジジ選手はMVP選手に選ばれ、そのチームとしての実力を多くの方に見せることができたのではないかなと思い ます。

志を共にする仲間が活躍する場で、応援団として様々な障害を持つ方々と一緒にあの場所にいられたことに、なによりの感謝と誇らしさを感じました。本当にありがとうございました。

難病界のHIKAKINを目指して

今大会「ePARA CHAMPIONSHIP」は、日本だけでなく、全世界にいる障害という壁を抱えた方々に勇気を与える大会であると思いました。身体の障害だけでなく、心の障害、様々な壁がありながらも強く光り輝いた選手の皆さまや、大会で応援をしてくださった皆さま、そしてもちろんそんな大会を運営してくださった皆さま全員が一体となっていろんな壁を打ち破った、そんな気がしてなりません。

この熱が多くの人に伝わり、ePARAというものが広まっていくことを強く願っております。この病気になってから強く思っていることが一つあります。それは「人を見返したい!」でもなく「障害のない人にも勝つ!」でもなく、「障害を抱えたって楽しく遊んでいいんだ」ということです。生まれながらの障害ではなく、難病という形で障害を抱えた自分ですが、僕がアホみたいに楽しそうにゲームしている姿を多くの人に見ていただくことで、「あれ?障害持っててもこんな楽しそうにしていいんだ」とたくさんの方に思っていただき、障害を持っている人や、純粋に暗い気持ちと戦っている人たちの勇気の旗印になりたいなと考えています。自分の持前である明るさを武器にして「難病界のHIKAKIN」めざして行きます。夢はでっかくいきましょう。

私は今大会に参加された選手の皆さんのように「勝ち」を目指すことはなかなかできないと思います。しかし、選手の皆さんからいただいたこの熱を、「ゲームの楽しさ」を伝えるためにこの病気に負けず、いつまでも楽しくワイワイとゲームをすることで多くの皆さんに届けていきたいと思います。

参考URL

Twiter:まるぽす@難病系配信者
YouTube:まるぽすのアイザックスゲーミング
ブログ:まるぽすのアイザックスブログ

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maruposs

日本に100人程度しかいない難病「アイザックス症候群」を患うポンコツゲーマー。
華麗なプレイはできませんが、ひたすらに楽しくゲームしています。 そんな姿を超不定期で配信したり、投稿したりもしています。
特技は「大声」、好きなものは「愛犬のモカ」と「ゲーム」。

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