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eスポーツ大会 心眼CUP 障害とゲーム

見えないからこその駆け引きがそこにある!「心眼CUP」の魅力

eスポーツを通じて、障害者が自分らしく・やりがいをもって社会参加する支援を行っている株式会社ePARA(以下、ePARA)。

支援活動の一環として発足された「Fortia」は、視覚障害や精神疾患、進行性筋ジストロフィーなど、さまざまな障害を抱えたプレイヤーで結成されたプロジェクトチームだ。

そんなFortiaを軸に、新たなプロジェクトがスタート。その名も「心眼CUP」。目の見えないプレイヤーが「心の眼」を用いてアツい闘いが繰り広げられる予定だ。

そんな「心眼CUP」の第1弾として4月17日(日)、「心眼CUP  powered by SYCOM【ストリートファイターV チャンピオンエディション】」が開催される。

晴眼者(目が見える人)からすれば、「絶対に無理だ」と感じてしまうような試みをなぜスタートさせることになったのか、その火付け役ともいえるePARA代表の加藤大貴さん、Blind Fortiaリーダーのなおや選手にお話を聞くと共に、「心眼CUP」の魅力を紐解いていこう。

「心眼CUP」のゲームタイトルは「ストリートファイター」好きから選ばれた

——現在活動している「Blind Fortia」の選手は『鉄拳7』を主にプレイしていますが、なぜプロジェクトの最初のゲームタイトルが『ストリートファイターV チャンピオンエディション』なのでしょうか? 

加藤:単純に僕が「ストリートファイター」シリーズが好きだからというところからはじまっています。当時ゲームセンターに足を運び、『ストリートファイターII』(以下、ストII)に明け暮れていた1990年代。なけなしの100円を握りしめて、練習を重ねて波動拳や昇龍拳といった必殺技が出るようになった喜びは今でも覚えています。あの頃の感動やワクワク感をFortiaのメンバーにも知ってもらいたい。そんな気持ちからプロジェクトの構想を練りました。

——確かに当時の『ストII』ブームは凄かったですもんね。私もはじめて昇龍拳が出た時は「やっとでた!」という思いで感動したのを覚えています。ただ、横に長いステージやジャンプという概念、ガードの使い分けといった複雑な要素がある『ストリートファイターVチャンピオンエディション』(以下、ストV)は、全盲の方にとってかなりハードルの高いものになるのではないでしょうか?

加藤:おっしゃるとおりです。我々晴眼者と比べると、「音」でしか状況を把握できないので、非常に難易度は高くなります。しかし、コーチングを入れて日々練習をしていくうちに、彼らが見違えるように上達していくのを感じています。

バリアフリーeスポーツのePARA(イーパラ)代表、加藤大輝がePARAロゴ
Tシャツを着ている
▲バリアフリーeスポーツ「ePARA」代表・NPO市民後見支援協会理事。eスポーツダイエット挑戦中。「自分らしく生きていける世界をつくる。」元国家公務員(裁判所書記官)。好物は餃子とレモンハイボール。

——なるほど。音のみでの駆け引きというのは興味深いですね!

ステレオサウンドによる距離の駆け引きが楽しめる『ストリートファイターV チャンピオンエディション』

——ここからは、実際に「心眼CUP」に参加するBlind Fortiaリーダー、なおや選手にもお話をおうかがいします。実際に『ストリートファイターV チャンピオンエディション』をプレイしてみていかがでしたか?

なおや:なんといっても音声がステレオなのが楽しいですね。自分がどちらを向いているのか、どこから攻撃が来るのかという情報が掴みやすいので、戦況を確認しやすいのが魅力だと思っています。

全盲ゲーマー北村直也がゲームをプレイしている姿
▲本名・北村直也(きたむら・なおや) Fortia所属の盲目の戦士。 また、「不可能を可能にする男」というキャッチコピーのもと、誰もなしえなかった「視覚障害を持つ声優」にも挑戦している。すべての活動はTwitter(@noy_0207)で発信中。『ストV』は新キャラのルークを練習中とのこと

——その辺はモノラルの『鉄拳7』よりわかりやすい?

なおや:そうですね。ただここで新たな気づきがあったんですが、『鉄拳7』はモノラルだからこそわからない情報があって、そこが逆に面白いところだったんだなあと、ふたつのタイトルの違いと魅力を感じることができました(笑)。

——なるほど。わかるからこそ面白い部分と、わからないからこその面白さがそれぞれにあったんですね。

なおや:そうですね。ただ、『ストV』は、ある程度プレイをしていかないとわからないことが多いのも事実です。例えばガードの概念。『鉄拳7』ではオートガードがあり、何もしていない状態ならば自動的に立ちガードになります。また、基本的には立ちガードを主軸に立ち回ることが多いのですが、『ストV』はオートガードの概念がなく、基本的にしゃがみガードが強いということをコーチに教えてもらって、まずそこがひとつの壁でした。

——常にガード方向を意識して、ガードを入力し続けるというのは難しいですもんね。

なおや:はい。そもそも下に入力すればガードになると思っていたのですが、斜め下(進行方向とは逆の方向と下)に入力しないとガードにならないというのも、僕にとっては新鮮で、慣れるまで苦労しました。というか、まだ慣れていないんですけどね(笑)。

——あはは。そこはがんばって習得していかないとですね(笑)。

FortiaとGalaxy Laboratoryのアツい戦いが見どころ!

——今回「心眼CUP」に参加する選手についておうかがいしたいです。

なおや:Fortiaからは、僕と、いぐぴーさん、チョコタルトさんの3名が出場します。Jeniコーチのもと日々練習しています。

左から、なおや、いぐぴー、チョコタルトの3人のアイコンが並んでいる

あとは、視覚障害者も楽しめるアクセシブルゲームの企画・開発・公開をしている「Galaxy Laboratory」のメンバーのみなさんも参加します。

——おおっ。そちらはどのような方が参加されるのでしょうか?

なおや:全員が全盲の選手で、ひとりは「インクルーシブゲームクリエイター」、ひとりは「サウンドクリエイター」、そして最後はカナダ国籍で『ストII』の頃からゲームをプレイしている「カナディアンデストロイヤー」の異名を持つ3名が出場予定です。

新ガンナカップに出場する3人のアイコン

▲格闘ゲームのベテランから、今回の大会をきっかけにはじめて『ストV』をプレイする選手など、多種多様なメンバーで挑戦するGalaxy Laboratory。

——おおっ、なんか謎多きメンバーだー。噂によると、カナダのプレイヤーさん以外は『ストV』が未経験だとか。

なおや:そうなんです。しかも、カナダから参戦しているメンバー以外の二人は学生時代の数年を共に過ごした仲間なのですが、オンラインの合同練習で対戦していくうちに、上達が早くてビックリしています。このままだと、正直やばいです(笑)。

——ええっ、そんなに?

なおや:はい。実はBlind のメンバーはJeniさんにコーチングを受けているのですが、Galaxy Laboratoryも同じくJeniさんにコーチングを受けてもらっています。チームは違えどもはやひとつのチームのように情報共有をしているので、全体的に上達のスピードがはやいはやい。「お互い手の内を隠さず、切磋琢磨して最高の舞台を仕上げよう」という千代の富士理論で、今絶賛猛練習中です!

——敵味方関係なく、お互いアドバイスしあえるというのはいい環境ですね。

なおや:いいっちゃいいんですけど、Jeniさん怖いんですよ……。

——怖い?

なおや:いや、人柄が怖いとかじゃなくて、「今なおやさんが決めたこの技について、みんなで対策しよう」とか平気でやり出すんですよ(笑)。

だからどんどん僕の動きが対策されていっちゃって……。

——あはは。どっちのコーチなのかわからなくなっちゃう(笑)。

加藤:そういうところも合同練習の面白いところですね。ただ、最近なおやさんが、Galaxy Laboratory側に寄り添っているというか……。なんかなおやさんといぐぴーさんって、お互いをライバル視している節が見られるんですよ。

なおや:いやいや、向こうが勝手に仕掛けてくるんですよ!対戦に勝つと煽ってくるし(笑)。

——あはは。これは永遠のライバルとして語り継がれるのかーー!(笑)。では最後に、「心眼CUP 」への意気込みをひとことお願いします。

加藤:「心眼CUP」を日本国内だけの取り組みとするのはもったいないので、プレイヤーが世界に羽ばたけるようにePARAが環境を整えたいと思います!

なおや:これから始まる新たな挑戦の最前線に立てることをうれしく思うと同時に、本プロジェクトを通して、笑顔あふれる世界になるよう、頑張ります!

——ありがとうございました!

まとめ ~ 「心眼CUP」本番へ~

こうして幕を開けた「心眼CUP」。

第1弾として開催される「心眼CUP  powered by SYCOM【ストリートファイターV チャンピオンエディション】」。

選手や運営が一丸となって楽しんでいる姿は、さすがePARAといったところ。真面目な空気でお話をうかがっていたつもりが、ePARA特有のユーモラスな波に飲み込まれて、ついつい笑いが絶えない空間になってしまうのももはやお約束に(笑)。

やはり見どころは全盲プレイヤー同士ならではの駆け引き。とにかく音に特化した戦略や戦術は必見。練習試合では、晴眼者が気づかないようなシステムの仕様での状況把握や、見えない相手同士だからこその巧妙な心理戦で白熱した対戦を見せてくれた。

想像以上のコンボ精度や状況把握が、本戦ではどのように生かされるのか。今から楽しみでならない。また、晴眼者の読者も、ぜひ目をつぶってプレイしてみて欲しい。そこには、見えないからこそ必要となる音の情報がいつも以上に感じられるはずだ。

「心眼CUP powered by SYCOM【ストリートファイターV チャンピオンエディション】」PCスポンサー

株式会社サイコム

株式会社サイコムは、デュアル水冷PCや超静音PCを代表としたオリジナルPCを展開する日本発のBTOパソコンブランドです。お客様のニーズに向き合いながら“Craftsmanship”(職人技)に裏付けされた匠のPCを展開しています。

住所:埼玉県八潮市緑町2-13-13

HP:https://www.sycom.co.jp/

公式Twitter:https://twitter.com/sycom_jp

サイコムのゲーミングPC
 ▲Sycom G-Master Spear Z690-Mini/D4
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いのかわゆう

ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。
その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。
最近はまっているゲームは『VALORANT』。

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