
初めまして。浅瀬シャロと申します。私はADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)との特性と一緒に生きてきた、ゲームをこよなく愛する一般人です。
ePARAの皆様とは、2024年11月頃に偶然のご縁がありまして、その後も部活動や各種イベントで何度もお世話になっております。この度、ここで記事を書かせていただくことになりました。このような機会を与えていただけてとても嬉しいです。読者の皆様にも楽しく読んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
はじめに
私には、1年以上打ち込んでいるものがあります。
それは、対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」です。

私が使用しているキャラは「エド」。前作「ストリートファイターV」から登場した比較的新しいキャラクターです。(ePARA所属の方だと、Jeniさんが「ストV」の時に使用していたとお伺いしております)
闘い方は、ざっくり言うと「超能力ボクサー」でしょうか。デトロイトスタイル(距離を取ってリーチの長いパンチ「フリッカージャブ」で戦うスタイル。漫画『はじめの一歩』で間柴というキャラクターが使うことで有名らしいです)のボクシングと、「ストリートファイター」シリーズではおなじみの超能力「サイコパワー」を組み合わせて戦うキャラクターです。
そんなエドは、悪の組織の実験で大人の姿に急成長させられ、サイコパワーを植え付けられた12~13歳程度の少年という設定です。平たく言えば見た目は大人、中身は子ども、名探偵コナンの逆ですね。
私は2024年初めまで、格ゲーには無縁でした。そんな私がエドの存在を知ったのはエドの担当声優さん(吉野裕行さん)から。声優さんのツイッター(現X)でエドの姿を見かけて興味がわき、数日迷った末に、思い切って「スト6」を購入。エド実装とほぼ同時に始めました。
エドを知っていくほど、様々な設定にも惹かれて今に至ります。エドは確かに整った顔立ちで人気ですが、私は別にイケメンが好きで選んだわけじゃないんだからね!とは何度も言って回っています。(もちろん、かっこいいに越したことはないのですが)
そして……なぜかよくわからないのですが、いつの間にかランクマッチにも身を投じるようになっていました。
そうして、記事執筆時点での私の最高到達ランクはダイヤモンド☆1になりました。ストリートファイター全体でいうと、上位25%程度の実力に相当するランクです(MetroGraph(https://sf6.halipe.co/demographics)調べ)。もちろんまだまだ上がありますので、少しずつ頑張ったり頑張らなかったりしています。
EVO JAPANって何
さて、自己紹介(とエド紹介)はさておき……本題に入りましょう。
EVO JAPANは、格闘ゲームの祭典といえるイベント「EVO」の日本版です。様々な企業が最新の格闘ゲームの試遊や、格闘ゲーム関連のグッズの販売ブースなどを出展しています。そしてやはり、EVOJ一番の目玉は、大会でしょう。「スト6」をはじめとした、様々な格ゲーの大会が、同時に開催されるのです。そして、この大会の出場資格として課せられているものは特にありません。つまり、誰でも参加できるのです。
最初は「私なんかが参加してもね?」と思っていたのですが、なんとなく気が向いたので、記念受験感覚で行ってみることにしました。
当日までに準備したこと
PS5に慣れる
EVO JAPANでは、対戦にPS5を用います。普段の私はPCで遊んでいるので、オフラインの対戦会イベントに何度か赴き、PS5で何度か対戦をしました。
慣れる、というほど遊ぶことはできませんでしたが、PCに比べると操作に遅延があるというウワサは本当らしいということだけがわかりました。
持ち物を確認する
少しでも忘れ物があって失格になってしまったら、悔しいどころの話ではありません。私は特性上忘れ物がとても多いので、ここは念入りに。「スト6」のファンコミュニティやツイッター(現X)などで、持ち物をしっかり確認しました。
当日の流れをイメトレしておく
過去のEVOJ出場者が書いた記事をいくつか読みました。対戦の前に集合時間や点呼があり、スケジュール管理が大事なことがわかりました。事前に流れを想像できるようにしておけば、緊張も少しは和らぐはずです。例によって、何か流れを間違えて失格になってしまったらとても悲しいですしね。
いざ出陣!
さて、迎えた2025/5/9(金)、私は予定通り朝早く起きて、EVO JAPAN 2025の会場に出発しました。

私の対戦の時間は16時。開場直後からいる必要もとくにないし、特別買いたいグッズがあるわけでもなかったので、とりあえず午前中に着いておけば安泰かな……という感じで行きました。
逆に言うと、何か買いたいものがある人は早めに行ったほうがよかったようです。実際、「ストリートファイター」の新作グッズの先行販売は一瞬で売り切れていました。
対戦までの時間、私は以下のようなことをしました。
SNSの友人に会いに行く
EVOJはこれだけ大規模なイベントなので、たくさんのプレイヤーが全国から集います。その中には、私がSNSで繋がっている友人たちもいました。大会に出るために来ている方がとても多かったです。待ち合わせをして、一人一人挨拶して回りました。
中には、コスプレをしに来たという方もいらっしゃいました。
せっかくなので、エドのコスプレをしている友人と待ち合わせをして、あのポーズの写真を撮りました!本当にありがとうございます!

格ゲーのイベントといえばこのポーズだと思っていたので、一度やってみたかったんですよね。Umedaさんはこの後の試合でも応援に来てくださいました!
ePARAのブースに訪問する
上記の「友人に会いに行く」延長線のようなものですが……ePARAが、金曜日限定でサイドイベント(有志による小規模な大会などのイベント)を開催されるとのことでしたので、訪問いたしました。
訪問した際、加藤社長に、「(浅瀬が勤めている会社)の方ですよね?またコラボレーションしたいですね!」と声をかけていただきました。私のことをちゃんと覚えていただけていてびっくりしました!
ePARAのサイドイベントは、「ゲームアクセシビリティ体験会」。目の不自由な人でも遊べる音声補助機能「サウンドアクセシビリティ」(ePARA所属の全盲プレイヤー自身がカプコン様と協力して開発した機能です)を用いて対戦ができたり、身体の不自由な方も使いやすいコントローラーの展示が行われていたりしました。
私はサイドイベントでePARA所属の全盲プレイヤー、NAOYAさんと対戦しました。NAOYAさんは日本初の全盲でのマスター(最高ランク)到達プレイヤーで、EVOJ2025の大会にもエントリーされていました。
2024年11月に初めて会った時からの顔(顔というよりは声)なじみなので、私が「よろしくお願いします!」と声をかけて席につき、エドを選ぶなり、速攻で私だとバレました。私は顔と名前を一致させるのすら怪しいのに、声と名前を一致させるのなんて私にはほぼ無理です……。
時間があったので、ついたくさん対戦してしまいました。格上ですからなかなか勝てませんでしたが、1勝だけすることができました。とても楽しかったです、ありがとうございました!
友人を応援しに行く
友人の多くは私と同じ16時スタートの対戦だったので、応援に行くことができませんでした。しかし、先述のNAOYAさんの対戦時間は私の対戦時間よりも前だったので、応援に行ってみることにしました。勝っているところも見ることができてとてもよかったです!
NAOYAさんの対戦相手の皆さんが「全盲でどうやって!?」と驚かれている様子を見て、私は勝手に「フフフ、NAOYAさんのすごさを知ってしまったか……」と後方ベガ立ち(ストリートファイターシリーズでおなじみの悪役・ベガがよくするポーズ。要するに腕組みして直立)をしていました。勝手にすみません。
私の出番だ!
さて、あれこれしている間に16時が近くなりました。群衆をかき分け、念のため私の集合時間より少し前に対戦の場に到着しました。
丁度私が対戦することになる場所の真後ろでなるおさん(「スト6」の超有名プレイヤー)が対戦されていたので、ただでさえ混雑しているのに通常以上に大混雑でした……
最初の対戦相手はモダン(「スト6」から追加された新しい操作方法)のマノン(バレエと柔道をモチーフにした武道で戦うフランス出身のキャラクター)。
なかなかいい線いったと思うのですが……結果は負け!
でも、ここで終わりではありません。この大会はダブルエリミネーションという形式のトーナメント戦で、とても簡単に言うと2回負けるまでは敗退になりません。次の試合にも参加しました。
次の対戦相手は……別のモダンのマノン!……また!?こんな偶然あるんですね。
こちらの結果は……またしても負け……!そしてここで敗退です。悔しい!
でも、出してみたいと思っていた技がちゃんと出せたので、そこは満足です。
特性上騒がしい場所が得意ではなく、色々やって疲れてしまった私は、ここで会場をあとにしました。
特性でちょっと困ったこと
発達障害の特性はいろいろです。私の特性で、今回のイベントに際して関係あったのは、忘れ物が多かったり、騒がしい場所が苦手だったり……といったことですが、人によって程度も様々です。いわゆる「できるけど疲れる」こともたくさんあります。人と話すのは好きですが、私はおそらく健常者の方以上に心身を消耗しているのではないかと思います……。
そして今回特に困ったのは……騒がしい場所ではうまく話し相手の言葉を聞き取ることができないことです。
たとえば、対戦の案内は口頭で行われるので、たくさんの人がいるイベント会場ではかなり注意深く話を聞かないといけません。スタッフの方がスケッチブックなどに案内を書いて掲げてくださったりしていたら、もうちょっと安心してやれていたかもしれません。もしかしたら、本当に耳の不自由なプレイヤーもいらっしゃるかもしれませんし……。
また、友人たちとももっと色々お話ししたかったのですが、騒がしい会場では相手の話をうまく聞き取れません。もしかしたら頓珍漢な返事をしてしまっていたかもしれません。これは本当に申し訳ないです……。
悔しいということ
今回のEVOJ2025は、最初は記念受験のつもりでした。でも、負けたことがとても悔しく感じました。記念受験なら「負けちゃったね、ハハハ。皆強いね」で終わるはずだったのに。
「もしあの時この技が出せていたら、あの技にちゃんと反応できていたら」。初歩的なことではありますが、帰り道、私の脳裏にはたくさん反省点が浮かんでいました。勝てていたかもしれないと思いました。
相手のHPをギリギリまで削れたラウンドもありましたから、あともう一歩で勝てたかもしれないと思うと、悔しい気持ちがわいてきました。
それだけ、私が思っている以上に実力がついてきたということかもしれません。悔しいという気持ちがわくのは、成長して強くなった証拠だと思っています。
あとがき
EVOJ2025、総括してとても楽しかったです。まさしくお祭りといった感じ!色々なことがあって素敵な一日になりました。お会いした皆様、対戦して下さった皆様、会場にいないけど応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!
そして、ここまで記事を読んでくださった方も、ありがとうございました!来年もまたEVOJの会場に行けたらうれしいなと思います。
