ePARAとバリアフリープロジェクトチーム「Fortia」(フォルティア)の活動は、さまざまな企業との共創により支えられています。2024年に実現したスポンサーの担当者様との座談会企画は、障害当事者ならではの視点で商品のレビューや困りごとを共有させていただくことで、お互いにとって有意義な機会をつくることができました。
今回は、「体にフィットする魔法のビーズソファ」でおなじみの株式会社Yogibo(ヨギボー)との第2回座談会を開催。同社は、社会課題の解決を図る団体への広告出稿を通じてともに課題解決を目指すTANZAQプロジェクトを展開しており、ePARAもメンバーとして参画しています。今回も、Yogibo社から3名の担当者様にご参加いただきました。
第1回の様子はこちら
座談会参加者
株式会社Yogibo様
法人パートナー部 執行役員 大森一弘様
法人パートナー部 部長 國重耕平様
サステナビリティチーム 田口優紀様
ePARA/バリアフリープロジェクトチーム「Fortia」
| 参加者 | 主な障害特性 | 主な使用Yogibo製品 | |
![]() | 夕立P | 統合失調症 発達障害 | Yogibo Roll Animal Panda Yogibo Mate Strap Elephant Yogibo Color Cushion |
![]() | Jeni | デュシェンヌ型筋ジストロフィー | Yogibo Roll Dot Yogibo Support Moon Pillow Squeezibo その他多数 |
![]() | さこつ | 統合失調症 | ー |
![]() | GreenBird | 自閉症スペクトラム | Yogibo Zoola Pad Yogibo Neck Pillow X Logo Moon Pillow |
![]() | 神威龍牙 | 先天性両下肢機能障害 | Yogibo Max Yogibo Neck Pillow (Life is 1 Credit model) |
![]() | 実里 | 後天性全盲 | Yogibo Max Yogibo Mate(Raccoon, Hedgehog) Yogibo Mate Strap(Fox, Dog) |
| 希央 | 発達障害(ADHD強め) 双極性障害II型 | Yogibo Zoola Pad |
MC:細貝(ePARA社員、FortiaGM)
Fortiaメンバー自己紹介とYogiboの使い方
細貝:自己紹介を兼ねながら、持っているYogibo製品と使い方について教えてください。
希央:コールセンター事業の企業で、編集制作の仕事を在宅で行っています。寝苦しい時に体の姿勢を安定させて、無呼吸症候群の発生を抑えるために使用しています。障害特性上体が緊張しやすいので、小さなYogibo Zoola Padを挟んで回復姿勢をとって寝ると眠りやすく、夏にも通気性が良くて快適です。
夕立P:希央さんと同じコールセンター事業の企業に勤務しています。今もそうですが、体調が悪い時にリラックスした体勢をとるため、椅子をリクライニングしてYogiboを抱きかかえた姿勢で話をしたりしています。また、眠る際にも腰のあたりに置いて横向きの姿勢で使っています。
さこつ:漫画家、ボカロPとしても活動しています。Yogibo製品を使ったことがなく、今後使っていきたいです。
GreenBird:IT企業に勤務し、バックオフィス業務を在宅で行っています。VRをやる時にYogibo Moon Pillowを枕替わりに使用したり、夜行バスでの長距離移動の際にYogibo Neck Pillowを使用したりしています。
実里:ePARAに勤務しており、在宅時にYogibo Maxの上で作業したり、実家のある長崎にもYogibo ShopがオープンしたのでYogibo Mate Hedgehog(ハリネズミ・ヒューゴ)を車に乗せていたりします。
神威龍牙:世界初車椅子エンターテイナーとして、歌手、俳優、声優、デザイナー、オリジナルキャラに変身してのアクション等をやっています。5人家族で一人1Yogibo Max、プラス、ペットの犬用のYogibo Maxがあります。去年のトークショーでいただいたYogibo Neck Pillowがとても快適で、電車などでの長距離移動時に使っています。

【課題感】実際に感じている痛み・不快感と、その解消方法
大森氏に前回の座談会の内容を振り返っていただいたのち、今回は前回の議論をさらに深堀りするとともに、「こんなYogiboがあったらいいな」というアイデアや、Yogiboで解決したい困りごとをブレスト方式で出していきました。多様なアイデアの裏には、共通した課題やトピックが見えてきました。
長時間の姿勢保持による痛み、不快感
仕事では在宅でPC業務を行い、娯楽ではeスポーツやゲームをプレイする。また、障害特性により、車椅子での移動、体のこわばり、手の拘縮、不眠など、さまざまな理由で負荷がかかる体勢や長時間の姿勢保持を余儀なくされる障害当事者メンバー。姿勢保持によるさまざまな体の痛みを背景に、以下のような意見が出されました。
希央:角度の合わない椅子に長時間座り続けたことで腰痛を発症しました。腰がS字に歪んだ悪い姿勢で座っていたことが原因だと考えています。レーシングカーのバケットシートは、レーサーの体型に合わせて型を取って作られることがありますが、体の形にフィットするYogiboであれば、椅子に装着して姿勢をサポートする商品として再現できるのではないでしょうか。
さこつ:椅子に取り付けられる商品ならば、座椅子にも対応できるものにしてほしいです。椅子の脚を使わない形状だと使いやすいと思います。
神威龍牙:車椅子の座面に使える耐久性・耐水性のあるクッションがほしいです。普通の椅子やカーシートにも使えそうです。ほかに、自分も含めて、肢体障害で、体を伸ばして寝かせた状態で肘で体を支えてゲームをする方がいますが、その際に肘が擦れるので、肘に直接はめられるクッションがあると助かります。
Jeni:試合前の緊張緩和やストレス解消のためにSqueeziboを握っていますが、指の間に挟んで握れる形状があれば、よりリラックスできると感じています。医療・リハビリ分野には似た器具がありますが、ゲーマー向けに腱鞘炎予防やストレス解消を目的とした、握りこみに特化したクッションとして商品化できる可能性があると思います。健常者にもリラックス効果やマッサージ効果があるらしいので、日常使いも可能です。
夕立P:巻きつけるYogiboに関連して、ストール型のYogiboもほしいです。薄いものがよく、簡易的にネックピローにしたり、アームレストにしたり、汎用性がありそうです。ネックピローは大きいですが、ビーズが薄く入っている布状であれば持ち運びもでき、身に着けていられるので、いろいろな使い方ができると思います。
GreenBird:VRChatをしながら眠るVR睡眠というのが流行っているのですが、VR睡眠を快適にする枕というのがあり、それがYogiboだったら良いだろうなと思います。クロスバイクのサドルカバーや、PC作業の時のアームレストもあるといいなと思っています。
各部の痛みの背景と要望
◆ 腰・背中:
座っているときの痛み、車椅子での痛み
⇒後ろから押してくれる、支えてくれるホールド感が必要(隙間があると曲がって痛みが出るので、逆側への圧力)
◆ お尻:
車椅子に長時間座っていることでの褥瘡、尾骨・坐骨への圧迫による痛み、クロスバイク乗車時の臀部痛
⇒柔らかすぎると沈み込んで腰の痛みにつながる、車椅子が漕ぎにくくなる、車椅子の場合は座布団状で耐水性も必要で、他社製品もベストなものがまだない
◆ 首・頭:
長時間の姿勢保持による片頭痛、前かがみによって首を支える力が必要になり疲れる
⇒ゲームプレイ時は前かがみになりがち、前かがみでも少し体を預けられるクッション
◆ 肘・腕:
肢体不自由で体を支えるのに肘を使うケース、PC操作時などの固定に
⇒それぞれの部位の形状に合わせたクッション、ジェル素材のアームレストは固くなってくるのでそれよりも長く使えるもの
課題解消につながるYogiboの特徴と機能
- 体型、部位に応じた可変性:バスタオル程度の大きさ、薄さ、携帯性
- 椅子など既存の家具へのアドオン、組み合わせ(連結)
- 温かい、保温性
メンバーの要望から、痛みの場所や使い方によって、Yogiboの特徴を生かしたさまざまな商品の可能性があると感じました。「腰痛の5人がロールドットを試してみた」といった、”Yogibo×痛みを解消したい障害当事者”の体験談記事も構想として上がりました。
アクセサリーとしてのYogibo
Yogiboがコラボレーション商品として販売しているTokiboのように、アクセサリー・小物としてのアイデアにも話が及びました。
- 車いすユーザー用グローブ
神威龍牙:手のひら側は滑らない素材で甲側がYogibo素材の車いすユーザー用グローブなども需要があると思います。
- ヘッドホンカバー
夕立P:布の特性を生かして、ヘッドホンカバーを作ってほしいです。すぐ汚れたり、耳が圧迫される感じがあったり、痛みが出たりするので、Yogibo素材ならば快適だと思います。
希央:ゲームではどのジャンルでも音が大事な要素なので、長時間プレイするとヘッドホンやイヤホンを長く装着していることになります。肌に触るものなので、それがYogiboの素材だと大きな安心感がありますね。
- コントローラー/ヘッドセット置き
夕立P:コントローラーとヘッドセットを両方置けるような場所があるといいかもしれないですね。
細貝:見た目が映えるものは、動画配信をしている方などにも需要がありそうです。
カバーへの要望
- 着脱性の向上
実里:ゲームをしていると汗もかくので定期的に洗っていますが、視覚障害のせいか、Yogiboカバーをつけるのに手間取ります。簡単につけることができるようチャックを工夫していただけたらと。気分でカバーを交換する需要もあると思うので。
大森氏:カバーを付ける大変さは認識していますし、手が不自由な方でも簡単に取り換えられるくらい楽であれば良いですよね。
- ペット用カバー
神威龍牙:ペット用に強度があり匂いがつきにくい素材のカバーもほしいです。
大森氏:ペット用に販売しているDoggyboは、中が綿でカバーの強度もあるので、ある程度解決していますが、匂いのつきにくい素材などは今後検討ですね。
田口氏:ペットがいるとはじめからYogibo Zoolaをお買い求めいただく方もいらっしゃいます。
大森氏:ペットがいるご家庭では、さらに上にカバーをしたいというニーズもあるようです。Yogibo社としては、使用感が変わる懸念はありますが、今まで一部限定品だったチェンジャブルカバーの商品化を進めています。デザインについて障害者アーティストとコラボレーションすることもありえますし、Jeniさんモデルのグッズのように、それをePARAが販売するようなサードパーティーとの連携にも前向きです。
そのほかのアイデア
障害の有無やeスポーツに関係なく、Yogiboの素材感や安心感を実際に感じている利用者として、日常生活のあらゆる場面で、「これがYogiboだったらいいな」「Yogiboがここにあればいいのに」と思うアイデアも多く出されました。
・着れるYogibo(着る毛布程度などの段階がある)、布団一式Yogibo
・ストレス発散用Yogiboサンドバッグ
・部屋の中での足指のケガ予防用グッズ、Yogiboソックス
・クロスバイクのグリップカバー
・子供乗せ自転車のチャイルドシートのハンドルカバー
まとめーより快適な暮らしを目指して
今回のYogibo様との座談会では、障害特性による緊張感や不快感、eスポーツ/ゲームや在宅勤務による痛みや疲労を和らげるアイテムとして、さまざまなYogibo製品を望む声が集まりました。
法人パートナー部の國重部長からは、「実現可能性を考えて凝り固まりがちなところに自由なアイデアを聞かせていただき、『こういう考え方もあるんだ』と勉強になりました。これから肉付けして商品化していくのがYogibo側の課題だと思っているので、今回の気づきを生かしてうまく実現していければ」とお話しいただきました。
日頃の悩みから生まれたアイデアが、障害の有無に関わらずさまざまな人の暮らしを快適にする可能性を秘めていることを実感した座談会となりました。
Yogibo社の大森様、國重様、田口様、貴重な機会をありがとうございました。










